第五十三話
進化のコードの解除がいまだに終わらない。
球状の魔力空間を壊されないように、ソエルちゃんを奪われないようにお姫さま抱っこしている状態なのだが、リーダー格の精霊の魔法攻撃が全く効かない。
魔力空間にヒビすら入らない攻撃なのだ。
「本気でやってる?それともまだ様子見?準備体操的な感じ?」
リーダー格の精霊に真面目に聞いてみる。
「ナマイキナ・・・コレカラダ」
精霊の魔法攻撃は激しさを増しているが、びくともしない。
立っているのも疲れてくるので、再度お茶会セットの椅子を出して座る。
「フザケルナ」
椅子に座ったのがよっぽど面白くないのか、烈火の如く連続で魔法攻撃を繰り出している。
この上級精霊は火属性なのだろう。性格も短気なのもあるが、ずっと火の魔法一点張りで攻撃をしている。
ゆっくり周りを見れる余裕があるので見てみると、魔女のアイシャの動きは魔王と戦った時よりも断然動きが良くなっている。
レベルが上がっているせいなのか?本来持っている力なのか?誘導した精霊を圧倒的に叩き潰している。スパルタ状態といえば良いのか、訓練で同じ事をされたら心折れるだろうと思う。人じゃなく精霊だからまあ良いのか。
全身鎧(執事?)の方は、3体で精霊を翻弄している。ヘイトを取っては2体で攻撃し、無駄のない動きで精霊を確実に弱らせている。三位一体とはこのことか。
さてこっちをどうしようか?頭に血が登ってしまっていて周りが見えていないのだろう。
劣勢の状態ならば即時撤退はセオリーだが、指示を出した精霊の状態を把握できていない。精霊界からこっちに来るためのゆがみが残り1カ所になっていることすら気付いてないだろう。魔力念糸を使ってメイスで確実にゆがみを潰していたのだが気付いている気配すら無かった。
「ナゼヤブレナイ、アリエナイ」
明らかに息切れ、疲労感のある声で話してくる。連続で出していた魔法攻撃はすでに止まっている。
「格の違いじゃないのか?あと周り見えてる?」
怒り狂って攻撃したせいで冷静に周りが見えていなかったのだろう。指示を出していた精霊2体はすでに捕縛されている。
「ヒイッ」
自分の置かれた状態がやっとわかったのか、金縛りのように動けなくなっている。
皆さんこんにちは。2週間に1回の投稿です。
北海道は急に暑くなっていまして、昨日は30℃超えた地域もあったようです。
これから運動会の時期もありますので、体調管理に気をつけてください。
最近枕が合わなくて困っています。おすすめあれば教えてください。