第四十六話
「ところでこの魔力の繭は防御用ですよね?」
肯定の頷きをする。
「魔力の一部に綻びがあります。簡単に言うと魔力の糸の層が一定では無いので、厚さにムラがあるみたいです。」
なるほど・・・魔力念糸で空間を作るために繭をイメージしていたが、これだと薄い層の部分から壊される?侵入される可能性があるのか。
「う~ん、どうしようか。他の上級精霊が入って来られない空間を作るように頼まれているんだが」
いつ連れ戻しに来るかわからない上級精霊に対して不完全な魔力の繭はリスクが高い。
「提案ですが魔力の繭ではなく、魔力の泡の中?ウォーターボール(水玉)のような魔力の玉に入っている感じで少し広げるのはどうでしょう?」
繭から泡?玉?に変える感じで・・・目を瞑って集中する。
「ストップ、ストップです」
目を開けるとソエルちゃんと魔女が最初に居た位置から若干ずれている。自分より離れている感じがする。
「私と精霊が認識されてなくて、きっと異物扱いで押し出されていますね。魔力制御の熟練度の問題だと思いますが・・・いやこれは雷龍王の加護の影響もあるのかな」
さらっと魔女から加護の話が出てびっくりしてしまう。雷龍王の加護については身内と一部の人しか知らないはず。初対面の魔女が自分の加護について知ることはあり得ない。警戒モードに移行する。
「加護についてなぜ知っている?」
冷淡に言葉のトーンをわざと下げて魔女に警戒している印象を与える。もし敵になる可能性があれば、この場で最悪なパターンも考えなければならない。
「ごめんなさい、私の魔眼がおかしくなっていて見えてしまんです。命の恩人に軽率な発言をしていましました。」
言葉に嘘はついていない思う。ただ魔眼持ちの魔女の話は今まで聞いたことがない。魔眼持ちであれば名前が売れてもおかしくはないと思うのだが。魔女の一族は秘匿部分が多いから秘蔵っ子なのかもしれない。
「どこまで見えている?上位鑑定のスキル持ちなのか?」
まだ警戒を解くには答えが足りない。
「鑑定スキルは元々持ってますが、一度死にかけてから魔眼で見ると全てが見えてしまいます」
「あなたがノクティス様の身内なのも名前と加護で確証しています」
これは完全に自分の身元がばれている。敵意がないので最悪のパターンはないと思うが、この子が秘密にできるかどうか。
「冒険者兼ポーターのスノウ・・・それ以外ここで見たことは秘密にできるか?」
ダンジョンから戻る前にどこかで釘を刺すつまりだったが、前倒しになってしまった。
「あなたは命の恩人です。他者には言いません、もしもの時はこの身も命も好きにして貰って構いません」
この雰囲気はどこかで逢ったことがある気がする。この魔女は敵にならないと信じよう。
「わかった、アイシャを信じよう。まずは魔力の泡?玉?の制御を手伝ってくれ」
皆さんこんにちは。北海道は雪まつり期間中で賑わっていますが体調管理お気を付けください。
いまだにコロナ・インフル・・・もういい加減に消えて欲しいです。自由に旅行したいですね。
小説はいまだに牛歩戦術ではありませんが、書きたいことが多くて先に進みません。
一歩ずつ進んでいますが、この作品が完結するには何年かかるのか・・・。
あと2/17~21まで札幌にいます。小説が一気に書ける時間ができると嬉しいですね。
次回は2/22予定です。よろしくお願いします。