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第46話 神の脱出

いまわかっていることは、この神は数日でエネルギーが枯渇し存在そのものが消えてしまう。

死んでしまうということだ。


「エネルギー……神様は何でエネルギーを取ってる?食べ物じゃないよね?」


球体の中にいる時点で、人間と同じ食べ物を取っている感じはしない。


『魔水晶、人間達が魔石と言っているエネルギーの塊を消費して存在している。人間には存在しないもの』


魔石が人間に存在しないのは知っている。


「あれっ?白翼族の血が入っている自分の体内には、魔石が存在する??」


『スノウの体内には魔石が存在している』


『完全に隠蔽されている。龍の力で魔石の存在そのものを封印している』


「質問ばかりで申し訳ないのだが、何で人間には魔石は存在しないのか?」


『産まれた人間は非力で弱い。寿命も100年程度しかない』


『成長システムによる無限の可能性がある種族。その体内に魔石をいれるリスクが高すぎるとG・O・D・Sは判断した』


「人間は成長システムで無限の可能性がある種族。自分の半分は白翼族で体内に魔石を持っている。かなり稀少な存在?」


『この場所に閉じ込められるまで魔石を体内に持った人間の報告はない。初めてのレアなケース』


「人間以外の種族は魔石をエネルギーとして吸収し、新しいスキルを獲得することが出来る?」


『必ずスキルを得る訳ではないが、おおまかな解釈はその通り』


神との話をしていて、ここから出る方法を閃く。


「出来るかどうかわからないんだが、神自身がスキル化して魔石に変化することはできないか?」


消えてしまう神を魔石に変化させ、自分の体内にある魔石の中に引っ越しできれば、生き残れるのではないかと思ったのだ。


『自分の存在をスキルとして変換する……いくつかの制限をかければ可能』


『そもそも変換するためのエネルギーが足りない』


「この魔石ならいいか?」


空間収納の中にある黒紫色の魔石を取り出す。

さっき戦って獲得していた皇帝クラスの魔石だ。


『……理解が追いつかない。何故これを持っているの?』


「さっき皇帝クラスのクイーンアントと戦って倒したから。いま持っている魔石の中で、これが一番品質の良い魔石だと思う」


この魔石を渡したらソエルちゃんに拗ねられそうだが、いまは仕方ない。


『この純度の高い魔石のエネルギーを使えば成功できる』


「この魔石でエネルギーを得たら、まず自分の体内の魔石の封印を解いてくれ」


「あとは神様自身を魔石化して、自分の魔石の中に入ればこの場所から出れると思うのだがどうだろう?」


『驚きを隠せない。その発想は想定外。やはりエアリアルの子らしい』


「神様の分析は後回しにしてくれ、実はあまり時間がない。いま魔王と戦って、意識が飛んでこっちに来ているから。この場所から出たいのならこの魔石を使ってくれ」


少し間を置いた後。

手にあった黒紫色の魔石が一瞬で消えた。

チカチカと点滅している存在だった神はもういない。

あの魔石1個で力を取り戻した感じがする。

目の前には圧倒的な存在感、義母である雷龍王と同じ強者の匂いがしているからだ。

一瞬脱力を感じる。

きっと自分の中の封印を解いたのだろう。

魔石を渡して1分も経っていないと思うのだが、目の前の神が徐々に凝縮?圧縮されている感じがする。

そして目の前に現れたのは虹色の魔石。

今まで見たことがない宝石の様な神の魔石。


『スノウありがとう。これが成功できればこの場所から出られる』


「会ったことはないが母親に感謝してくれ。白翼族の魔石が体内になければ思いつかなかった」


そう言って親指で自分の中に入るように指示する。


「一応間借り扱いだから、今度家賃みたいな物くれよ?」


神の魔石に表情があるかわからないが、きっと笑ってくれたと思う。

閉じ込められたG・O・D・Sと呼ばれるシステムの一つがこの場所から消えた。

この瞬間、世界で初めて“神を宿す人間”が誕生した。


46話です。

皆さんこんばんは。夏バテ気味です。

ダイエット期間中もあり、かなりバテてます。

小説の内容は濃くなってきてます。

内容は濃いかも知れませんが、ライトに読めるように頑張ります。

次回は金曜日を予定しています。よろしくお願いします。

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