第45話 神との対話
うわぁ、またかぁ。
間違いなく、面倒事に巻き込まれてしまった気がする。
魔王と戦っている時点で、貧乏クジを引いてしまったと思っていたのに。
それ以上の問題が目の前に出現した。
「神様ねぇ……正直神は信じていない」
率直な意見を口に出す。
この球体が嘘を言っているとは思わない。
だが生まれたときから、神の恩恵を感じたことがない。
自分の中の神は、義母である“雷龍王”。
『あなたは子ども達の一族でないの?我々の言葉を伝え、世界を調整する役割は忘れたの?』
神の守護者で、神の言葉を伝えると言われる白翼族。
自分の背中に羽は生えていない。
自分は人間である。
雷龍王に育てて貰っているため、一般人とは若干違うかもしれないが。
『この部屋は……子ども達、白翼族しか入れない』
「自分の背中に羽はないし、人間なんだけど」
『あなたの存在がわからない。イレギュラーな存在』
自分が白翼族?
いやいや、それはないだろう。
「頭が混乱しているんだが」
『この球体に触れてくれたらわかる』
危険な感じがしないため素直に従ってみる。
『あなたはスノウ・ノクティス。龍に育てられている』
しばし神は考えている。
『あなたは人間、半分は子ども達と同じ白翼族』
『この遺伝子コードは何?あり得ない配列』
遺伝子コード?わからない言葉で話されると困る。
人間と白翼族とのハーフ?
『あなたの母親は白翼族』
『生体コード検索――エアリアルと同一因子を確認』
「エアリアルが自分の母親の名前なのか?」
『既に生体反応は失われている』
『自由を愛し、色んなことに巻き込まれていた無邪気な子』
「エアリアルを子というなら、あなたは自分の親族?お婆ちゃんみたいなもんか」
しばし沈黙の後。
『あははっ、わたしはお婆ちゃん。神なのにお婆ちゃん。何て楽しい感情……これは忘れていた感情』
この神が今まで何を見て、何をしてきたか正直わからない。
笑うことが楽しいといま感じる人生は幸せだったのだろうか?
「あなたはどうしたい?このままエネルギーがなくなるのを待つのがいいのか?」
『……わからない』
「神様でしょう?神様がわからないって」
『エネルギーがあれば長く維持することができる。でもここには何もない、無しかない』
「こんな場所に閉じ込められていて楽しい?」
『楽しくない……私の役割、存在価値がない』
「ならもう自由になっていいんじゃない?」
『何もないこの世界で、ただ消えるだけは嫌』
「なら、ここから出る方法を考えようか?」
エアリアル(母親)も騒動の中心にいたようなので、きっと血筋なんだろう。
神を誘導してしまったかもしれないが、関わってしまった以上は何とかしてあげたいと思う。
この場所からの脱出作戦をどうにか成功させねば。
45話です。
皆さんこんばんは。昨日の北海道は線状降水帯の影響で雷雨でした。
今日は線路に土砂が入って、電車が動かなかった路線があったみたいです。
最近の天候は本当におかしいです。災害には注意しましょう。
次回の投稿は水曜日を予定しています。よろしくお願いします。




