第44話 神との邂逅
意識を失ったことはあるだろうか?
普通に生活をすれば、よほどのことがなければまず体験することはないだろう。
三歳の頃に意識を失ったことがある。
恥ずかしい話だが、義姉にボコられて意識を失った。
今回は魔王の一撃。
ドールマスターの貧弱な身体が悲しい。
前衛の職業なら、もしかしたら耐えられたのかもしれないと思ってしまう。
自分はいま真っ黒な空間にいる……
もしかしたらこれが死後の世界なのか?
走馬灯が見える?
自分には全く見えなかったのだが。
真っ黒な空間の中では何も感じない。
身体の感覚が無く、意識だけの世界。
時間の感覚もわからない。
このまま昇天してしまうのか?
ソエルは?あの魔王はどうなった?
出来ることなら早く帰りたい……
何も感じない世界でもがいてしまう。
どのくらい時間が経ったのかわからないが、この空間の中で一カ所だけ点滅している場所を見つけた。
小さな光が点滅している。
意識を向けると点滅している場所に向けて、徐々に近づいていく。
このまま昇天する可能性もあるが、ダンジョンから抜け出す感覚にも似ている。
今まで見たことがない空間に来てしまった。
中央には大きな球体が存在し、色々な管がついている。
球体の中の光はチカチカと点滅している。
古代文明の遺跡?
見たことがない文字や器具に囲まれている。
球体に触れてみると反応があった。
『※※※※』
何かを言っている気がするが、わからない。
『あ※た※※』
「何かを言いたいのはわかるんだが、こっちは聞き取れない」
球体に向かって話してみる。
『これなら……聞こえる?』
球体からはっきりとした声が聞き取れる。
「おおっ、球体が喋った。ここはどこですか?」
しばし沈黙の後。
『あなたは子ども達の指示で来たわけではないのね?』
子どもたち?
球体に子どもがいるのかわからないが、初めてここに来たと答える。
『残り時間は少ない。このままだとエネルギーが無くなり消えてしまう』
「エネルギーが足りない?寿命?」
『寿命ではなくエネルギーが枯渇している。あと数日で消えてしまう』
球体の声は弱々しく聞こえる。
「エネルギーがあれば消えないってこと?子ども達に頼めなかったのか?」
しばし沈黙が流れる。
『子ども達……私たちが創った守護者達』
話の内容があまり見えないが、この球体の中に閉じ込められたようだ。
「子ども達にクーデターを起こされた感じか?」
『そう、本来は反抗できない。エネルギーを供給しない方法で私を消す方法を考えた』
親子関係は色々あるから難しい。
片方の意見だけを聞いて、あなたの方が正しいですとは判断できない。
ただ実際に閉じ込められている。
エネルギーが枯渇して消えかけていることは本当のようだ。
「あなたは何者なんです?」
この球体の中の存在は、自分の知らない古代文明の何かくらいと思っていた。
答えは想像を超えていた。
『私はG・O・D・S。この世界の神と呼ばれるシステムの一つ』
目の前の球体の中にいる存在は、この世界の“神様”らしい。
44話です。
皆さんこんばんは。北海道はいま蝦夷梅雨です。
本当に蒸し暑い。昔の北海道は涼しかったのに……。
小説はどんどん内容が濃くなってきてます。
豚骨ラーメンのように少し癖はありますが楽しんで貰えると嬉しいです。
土日に書き溜め予定ですが、不定期投稿出来たら頑張ります。
またよろしくお願いします。




