第四十五話
「とりあえず無事で良かった」
軽い握手で、顔が真っ赤の魔女っ子の醜態を晒した意識を変えたい。
「冒険者兼ポーターのスノウ。今回は本当に運が良かった」
ストーンアントの一斉駆除が何故か産まれたばかりの魔王討伐までやる羽目になるとは、正直思っていなかった。
「魔女のアイシャ・・・アイシャ・ブラックフォレストです。」
うん?ブラックフォレスト?魔女でブラックフォレスト?漆黒の森の代表の家名の?
「確認だけど?ブラックフォレストってことは魔女の直系の一族?」
そう尋ねると、素直に魔女は頷く。一般的な魔女には家名はない。
二つ名、称号として炎の魔女、氷の魔女として有名な魔女は存在する。
例外はブラックフォレストの一族。雷龍王が同盟相手として認めた魔女一族。
言い方を変えれば一国の王族と言っても過言ではない。
エリクサー使って本当に良かった。自分の判断を褒めてあげたい。もし死んでいたらかなり大事になっていた可能性がある。
「そもそも何で一人でこの場所にいるわけ?」
35層のBossエリアに一人でいることはまずあり得ない。自殺志願者ならあり得るかもしれないが、パーティが全滅したのか?戦闘中に離ればなれになったのか?
「実は・・・」
仲間の帰還のために脱出スクロールを使って一人で残った話を聞いてしまったが・・・じゃじゃ馬というかお転婆というか。責任感が強い反面、自己犠牲が強すぎると感じてしまう。
「冷静に考えたら、呪いを受けた仲間と付き添いの一人だけ脱出スクロール使えばここまで無理しなくて良かったんじゃない?気をつけないと次はないから」
命が無くなってもおかしくない、苦言を呈しておく。
反省している顔を見ていると、つい頭を撫でてしまう。
「あっ・・・、つい癖で申し訳ない」
ソエルちゃんにやっていることを無意識にしてしまった。これはかなり恥ずかしい。
魔女の次に自分の顔が真っ赤になる感じがするがやってしまったことは仕方ない。
この恥ずかしい空気感は何とかしたいのだが・・・。
皆さんおはようございます。朝から雪かきを1時間半くらいやってました。
一人での雪かきはさすがに足腰が痛いです。あと3ヶ月以上は雪に囲まれる生活ですね。
体調管理に気をつけて過ごされてください。