第四十三話
『あなたはどうして進化したいの?』
神の言葉に素直に話をしたいが、目の前にいる神を宿している愛おしい人の前では一人の女子である。
女は度胸?愛嬌?ここで本音を話さないと全てが進まない気がする。
「私は・・・私の愛おしい人の隣に、一緒にいるために進化がしたいの」
自分ではどんな顔をしているのかはわからないが、きっと顔は真っ赤だろう。羽の生えた茹でたタコがいま存在しているかもしれない。
『スノウはそれでいいのね?』
「そこでいきなり俺にふるの?」
神と精霊の会話に入っていいかわからず、少しだけ空気になろうとしたのが読まれたようだ。
「構わないよ。ソエルのお願いは元々叶えるつまりだし、最悪精霊王が敵になっても構わない。」
そう言って頭をなでなですると、精霊は二回目の抱っこ病を発病してしまう。ソエルちゃんはツンデレ属性と思っていたが大人状態はデレデレなのね。
『大きな魔石は残っているかしら?魔王の魔石以外で?』
空間収納にあった魔石は大半が無くなっている。神さまの大食いが原因だが。
「特攻させた首なしのゾンビクイーンアントを解体すれば魔石はあるはず。今すぐ必要?」
『早いほうが良いかも。上級精霊になった時点であなたの存在は精霊王にばれている。そうなのよね?』
相棒の精霊は素直に頷く。
『他の上級精霊が連れ去りに来る可能性もあるし、もし本気で精霊王が制約を発動したら、精霊界に強制送還させられる可能性がある。』
思っていたよりも厄介ごとになりそうな気配がする。
『解体が終わったら魔力念糸で外部から誰も入って来ないように空間を作って』
「パーフェクトワールドみたいな空間は再現できないぞ」
チートな神スキルの再現なんてまずできない。無理なものは無理だ。
『小さな空間をイメージして。誰かが邪魔しに来ないように魔力の壁を作って。』
神さま・・・何でも出来ると思っていないかい?でも相棒の精霊の顔を見るとやるしか選択肢はない。
疲労困憊だが何故かハイテンションな状態で、首なしのクイーンアントの解体を始める。
皆さんこんにちは。今年最後の投稿になります。
インフルエンザ・コロナが再度流行してきている印象があります。
外出の際はお気をつけてください。年末年始はモンハンワールドでリハビリ予定です。
新しい年が皆さんにとって素敵な年になりますように。