第四十二話
「やはりおかしい・・・」
「どうしたの?何かあったの?」
クイーンアント三体+魔王を倒したのに。何故かBossドロップの宝箱が出現しない。
「Boss倒したのにお宝が出てこないんだけど」
「あっ、確かに。でもマッピングしたんでしょ?」
念入りに調べたつもりだったが未だに出現しない。
「こんなこと初めてだな」
悩んでいても仕方ない。クイーンアント・魔王の素材や魔石だけでも十分なお宝ではある。
「魔女っ子は大丈夫そう?」
「うん。毒の解除は大丈夫だと思う。ただ至近距離で戦ってたから、かなり毒を浴びてたみたい。スノウに抱っこされてとどめ刺されたんじゃないかしら?血吐いてたし。」
うん?最後の言葉は何を言っているかわからないが。
「そろそろ神さまも起きてもいいんだが、いまだに反応がないなあ」
「そういえば、スノウの中から変な声がしてたんだけど」
魔王に一度気絶させられてからの経緯を説明する。
「スノウって・・・毎回なにかに巻き込まれるよね?」
「本当にさ。ここまで巻き込まれると体質というか呪いじゃないかって最近思ってきてるよ」
それにしても神さまの反応がないのはどういうことか。まさか・・・
「まさか神さま消滅しかけてる?」
空間収納から急いで魔石を1個取り出して胸に当てる。一瞬で消えた魔石で確信。これはエネルギー不足、飢餓状態ね。
空間収納にあった魔石の大半が無くなった位でやっと反応が戻ってきた。神さま大食いすぎるでしょ。
『スキル発動して生命維持が危うくなるとは、油断しました』
「神さまなのにおっちょこちょいというか、どこか抜けてるよね」
・・・しばし沈黙。
「でも本当に神さまがいて助かったよ。あの凄いスキルが無ければ魔王に勝てなかったし」
『でしょう?そうでしょう?』
神さまの感情の起伏が激しいのよ。最初に会ったときの威厳はどこにいった?神さまの取り扱い説明書が欲しい。
「ねえ、神さまなら私の進化のコードわかる?」
真剣な顔で質問する相方精霊の顔を見るのは今日二回目な気がする。そういえばクエスト終わったらお願いあるって言ってたな。
『進化のコードは現精霊王からコードを継承する方法と独自でコードを見つけるパターンしかない』
「それは知ってる。見捨てられた精霊に精霊王はコードを継承しない。そのくせ上級精霊になると制約で強制的に縛ろうとする。私は精霊王の奴隷じゃない」
ソエルが上級精霊になっていたことを必死に隠していたのは精霊王の制約が原因か。
『あなたはどうして進化したいの?』
皆さんこんばんは。2週間ぶりの投稿になります。
お正月まであと2週間ちょっと。仕事もバタバタで腰も痛いですが何とか過ごしています。
気温差に体がついていけないので、皆さんも体に気をつけください。
2月後半にはモンハンワイルズが発売されます。また睡眠不足が始まりそうです。