第三十七話
スノウの帰還2
「具体的にはどうやって首を獲る?」
時間はあまりないが情報共有は大事だ。失敗すれば自分達の死に繋がる。あと神さまがどんな提案をしてくるのか興味がある。
『私の力で範囲内の生命の動きと時間を止める』
はい?そんな力?スキルはあるの?神さま特有のもの?
「そんな反則的な力?スキル?あるなら、神は無敵すぎるでしょ?」
皮肉に聞こえるかもしれないが、動きと時間を止められたら実際何もできない。気が付いたら死んでいることになる。神に敵う存在がいないということなのだから。
『いまの状態では短時間しか使えない。それに私に魔王を攻撃できるほどのエネルギーは残っていない』
一瞬考えていた。神さまの力で魔王の首を獲って貰った方が早いのでは?他力本願になるが全員が助かる確率が一番高いと。神は人智を超越した存在。何を行うにも魔石のエネルギーを大量に使う可能性もあるか。
「わかった。時間はどの位止めれる?」
『30秒はもたない。20秒程度と考えて欲しい』
20秒以内で首を獲ればこっちの勝ち。あとは首を獲る方法。自分には蟻の魔王を傷つける方法がない。アダマンタイトの体表を傷つける武器がない。切断系の上位スキルでなければ難しいだろう。
『ドールマスターの魔力念糸で首をねじ切るしかない』
なるほど魔力念糸で蟻の魔王の体を固定して、首をねじ回して千切るが勝ち筋か。
『あと動きを止めた生命に直接触れたら解除される。もし失敗したらこの世界は終わる』
自分の体内に虹色の魔石(神の魔石)が存在する。この蟻の魔王に喰われたら(吸収されたら)・・・確かに考えたくない。
「確認だが、魔力念糸で触るのは大丈夫なんだな?」
『魔力は問題ない。スノウが直接触れなければ解除はされない』
魔王と共闘して戦っている二人の姿は何度見ても美しい。舞踏会を見ているような気分にもなる。ただ二人の表情を見るとそろそろ限界だろう。
「神さまはじめようか。」
『魔王に近付いたら発動させる。近付くとあの透明なガスを吸ってしまう。気をつけて』
ふう・・・早く終わらせて甘いスイーツと深煎りの珈琲が飲みたい。
またお茶会をしてゆっくりとした時間で癒やされたい。
自分にはまだやるべきことが残っている。ここで死ぬわけにはいかない。邪魔な蟻の駆除を開始しよう。
皆さんこんにちは。2週間に1回の投稿です。小説内容の量(文章)の区切りに毎回悩みます。
時間がある時にさらっと見て欲しいと思っています。次早く見たい、待ちきれないと言われるくらいの文章なのか悩んでます。
徐々に秋空になってきてます。体調管理にお気をつけください。