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第三十四話

とある鍛冶屋の回想3


久しぶりに満足する武器が作れたと思う。見た目は標準モデルだが隕鉄製の特殊な武器。今後同じ業物が作れるかはわからないが、きっとあの武器なら巨匠と言われる兄を越えられるだろう。安い酒を飲みながら今後成長していく武器を想像するだけで顔がにやけてしまう。

ここ最近変わったことは少しだけだが生活環境が良くなった感じがする。食事面や衣服、生活用品の配給がスムーズになった。時々白翼族が訪ねてきて包丁やら農具関係の修理を依頼されるようになった。

その代わり幹部となった彼女の訪れる頻度は極端に少なくなった。訪ねてきた白翼族に話を聞くと、幹部クラスでも5本の指に入る実力と噂されており各地に飛ばされているらしい。エルフよりも傲慢でプライドの塊と言われる白翼族とは真逆の彼女は同種族や人族からも人気があるようだ。

無邪気で自由奔放、好奇心の塊・・・本当に白翼族なのか疑ってしまう。周囲が彼女に引きつけられてしまうのは仕方ないのかもしれない。太陽を見る向日葵のように。


その後少し月日が経った頃に彼女はひょっこり現れた。肩掛けのマント(ペリース)の数字はⅤ。本当に5本の指に入っていた。

「最近老けた?」

「久しぶりに来ての最初の一言がそれか?相変わらず中身は変わってないもんだ」

変わったのは外見、肩を指さしながら

「番号が変わってるから、出世したんだな」

お祝いの言葉を軽めに言ってみる。


「白翼族なのにブラックだよ。たまには休暇取らせてくれないと本当にグレるよ」

冗談なのか本当なのか言葉の真意はわからないが、ここにはやっぱりサボりに来ているようだ。


「アンサラーの調子はどうだ?」

自分の最高傑作の1つの感想を聞いてみる。


「あの子は凄いね。じゃじゃ馬よ。時々拗ねて言うこと聞いてくれないもん」

「Ⅴの幹部様になってもまだ使いこなせてないのかよ。」

確かにあれは簡単に使いこなせる武器じゃない。成長することでいつか神に届く、斬れる剣になるはずだから。


「ねえ、あの子は私以外に使えないのよね?」

「おうよ。作る過程でお前の血を使って契約者登録をしているからな。」


「じゃあ私の血縁者なら使えるってことだよね?」

「う~ん・・・やったことはないが、可能性はあるだろうな」

実際に試したことがないから必ずしもと言えないが、血縁者なら使える可能性はあるかもしれない。ただアンサラーはかなり特殊な武器だから認められるかはわからない。


「それ聞いて安心したよ。私に何かあっても大丈夫そうだね」

「何かって何よ?あの武器を使いこなしたらそのうちⅠの番号を狙えるんじゃないのか?」


「Ⅰ・・・あいつは何なのかわからない。たぶん白翼族じゃない別の何か」

「何を言っているんだ?神と直接会話ができるのが選ばれたⅠの白翼族じゃないのか?」


「いつからⅠしか話が出来なくなったの?誰が決めたの?」

彼女の表情が珍しく険しい。

「あいつは何かを隠している気がする。いやもしかしたら・・・神はもういないのかも」

その言葉があまりに衝撃的過ぎて、頭が真っ白になる。神がいない?何を言っている?


「ごめん、いまの話は忘れて忘れて。何も聞いていないことにして」

無理矢理話を変えようとするが、忘れることができない衝撃的な内容だ。


「もし私に何かあっても、このアンサラーを守ってあげて」

彼女のその顔が忘れられない。この言葉が彼女の最後の言葉になった。


その後1年近く経った頃に折れたアンサラーが持ち込まれてきた。人族の村を守るために彼女は戦死したと。


こんにちは。朝にジャガイモ掘りをして、その後小説書いてました。

今回で回想は終わる予定でしたが・・・すいません、終われませんでした。

次こそ回想を終わらせて、本編に戻したいです。魔王との戦いどうなった・・・。

来週8月26日~30日は札幌に滞在しています。ホテルで小説書く予定です。

楽しみにして頂けるように頑張ります。

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