第34話 死せる女王の進軍
首のないクイーンアントの亡骸が、再度起き上がっている。
端から見ると異様な、不気味な光景だろう。
だが自分とソエルから見ると普通の光景。
ストーンアントたちはこの状況をどう思っているのだろうか?
「魔力は大丈夫?」
ソエルに聞いてみる。
「ほとんど減ってないけど?一応マナキャンディだけは舐めておくかな」
さすが上位精霊クラス、魔力量は半端ない。
あれだけの戦闘でも魔力はほとんど減ってないようだ。
空間収納はお互いで共有しているので、消耗品は勝手に使って良いことになっている。
自分はマナポーションを飲んで、口の中にマナキャンディを入れる。
クイーンアントのハッキングで自分の魔力はそれなりに持っていかれている。
「この後乱戦になるけど、兵隊は片付けしだいどんどん沼らせていいから」
そう言って、魔装スキルで特殊な大鎌を持つ。
黒い全身鎧に大鎌を持つと見た目が死神っぽく見えるが、その圧倒的な存在感と大鎌の一振りは乱戦時には重宝する。
「首なしクイーンはこのまま突撃して場を荒らすから」
首なしクイーンアントの亡骸が、元同胞たちに向かって突撃を開始する。
ストーンアント側からしたら、たまったものじゃないだろう。
首なしクイーンは死んでいるため痛覚を感じることはない。
身体をどれだけ傷つけられてもその暴走は止まることはない。
疲れを知らないゾンビ化したクイーンアントは、元同胞だったストーンアントたちに無慈悲な一撃を何度も繰り出している。
その後ろから魔力念糸による拘束で兵隊たちの動きを止めつつ、大鎌でまとめて薙ぎ払う。
ソエルの魔法によって影の中から出た黒い針が、ストーンアントたちを次々と串刺しにしている。
絶命したストーンアントたちは、そのまま地面に沈められていく。
相手からすると悪夢の惨劇が広がっているだろう。
さすがにゾンビ化したクイーンでも将軍クラス3体に抑えられたら動きが止まってしまう。
将軍クラス2体が前脚を押さえ込み、残る1体が背後からクイーンアントの身体を止めていた。
残りの将軍クラス2体は、黒紫色と灰色のクイーンアントの護衛に徹している。
右手の鎖を伸ばし、将軍クラス3体をまとめて拘束する。
身動きがとれなくなった将軍クラスの首に大鎌を入れて、果物をもぐように首を跳ねていく。
役割を終えたゾンビクイーンと首を跳ねられた将軍クラス3体の塊はそのまま影の中に沈んでいった。
「あと少しだね」
部屋を掃除した程度の口調でソエルが話すので緊張感は全くない。
将軍クラスの首を跳ねている間、Bossエリアにいた兵隊のストーンアントたちは、すでにこの場からいなくなっている。
いつもは面倒だからと手抜きしていることも多いのだが、今日は掃除名人ソエルちゃんになっている。
終わった後に何をお願いされるのか本当にこわいのだが……。
黒紫色と灰色のクイーンアント、将軍クラスを合わせてあと4体で殲滅完了なのだが、このまま戦闘継続ができるほど自分の魔力量に自信があるわけではない。
再度マナポーションを口に入れる。
さすがにお腹の中がちゃぽちゃぽしてきている。
Bossエリア前でのお茶会の紅茶が、今頃ボディブローになってきているのかもしれない。
「ねえ、あの特殊個体動かないよ。変じゃない?」
これだけ派手に戦闘しているのにもかかわらず、特殊個体は全く動く気配がない。
「毒系の範囲攻撃でも来ると警戒してたんだけど」
大鎌を空間収納に戻し、2枚のタワーシールドを魔力念糸で空中に浮かせる。
タワーシールドは自動防御モードに移行させ、左手にメイス、右手にバトルアクスを装備する。
動かない特殊個体を守る様に、灰色のクイーンと将軍クラス2体が前に立ちはだかる。
一向にこちらを攻撃する気配がない。
明らかに時間稼ぎをしているようにもみえる。
何故動かない?いまさら時間稼ぎ?
そして最悪の答えにいきつく。
Bossエリア前のお茶会で索敵していた時の違和感、Bossが3~4体いる感じがすると。
特殊個体の腹部の大きさ……まさか。
34話です。
皆さんこんにちは。今日も小説投稿しています。実は投稿の時間帯と頻度について悩んでます。
本当は19~21時に投稿したいのですが、この時間帯は他の執筆者さんたちと重なり作品が埋もれます。土日のお昼前後の方がPVが増える状況。
平日は水・金+土日に作品を投稿していますが、仕事しているため週4回はさすがに厳しくなってきました。
今後、月・水・金の週3回投稿して、土日にまとめて書く形がいいのかな?
試行錯誤しながら、小説投稿していきたいと思います。
今後も面白くなります。是非見た頂けたら幸いです。
よろしくお願いします。




