第二十九話
面倒ごとに巻き込まれてしまった・・・。
魔王と戦っている時点でも貧乏クジを引いてしまったと思っていたのに、今度は神様・・・。
「自分が何故ここにいるかはわからないが、正直神は信じていない」
「・・・あなたは子どもたちの一族でないの?我々神の言葉を伝え、世界を調整する役割は忘れたの?」
神の言葉を伝える種族は白翼族と言われる。そもそも自分の背中に白翼はついていない。
「背中に白翼はないし、人として一応育てられているはずなんだが?雷龍王の息子だからまともではないか」
「雷龍王の息子?・・・この部屋には白翼族しか入れない。」
「自分のルーツは白翼族?頭が混乱しているんだが・・・」
「近くに寄って球体に触れて欲しい」
言葉から危険な感じがしないため素直に従ってみる。
「スノウ・ノクティス・・・確かに雷龍王に育てられた子ども。あなたのルーツは人間と白翼族の間に生まれた奇跡の子」
白翼族は全てにおいてハイスペックな種族な反面、非常に出生率が少ない。多種族との交配は聞いたことがない。
「あなたの母親は白翼族。生体コードからはエアリアル。あの子は子どもを授かったのね」
「エアリアルが母親の名前なのか・・」
「あの子の生体反応はすでに失われている。自由を愛しよく色んなことに巻き込まれていた無邪気な子・・・懐かしい」
「エアリアル(母親)を子というなら、あなたは自分のお婆ちゃんみたいなもんか」
しばし沈黙の後に・・・
「あははっ、わたしがお婆ちゃん・・・初めて言われた。何て楽しい感情なの」
この神様が今まで何を見て何をしてきたか正直わからないが、笑うことが楽しいといま感じる人生は幸せだったのだろうか?
「神様はどうしたい?このままエネルギーが消えてなくなるのを待つのがいいのか?」
「・・・わからない」
「いやいや神様でしょう?万能の神様がわからないって」
「エネルギーがあれば長く維持することができる。でもここは何もない、無しかない」
「なら神様辞めたらいいんじゃない?こんな場所にずっと閉じ込められていて楽しい?」
「G・O・D・Sのシステムは閉じ込められている時点ですでに停止されている。私の役割は現在何もない」
「ならもう自由になっていいんじゃない?」
「・・・確かに無の世界でただ消えるだけは、嫌だ」
「じゃあここから出る方法を考えようか?」
母親もよく厄介ごとに巻き込まれたようなのできっと血筋なんだろう。神様を誘導したことは間違いないが、関わってしまった以上は何とかしてあげたいと思う。
神様脱出作戦ことリストラ作戦をどうにか成功させなければ。
皆さんこんにちは。本州からの梅雨の影響で北海道は気候が不安定になってます。
偏頭痛持ちとしては辛い時期ですね。体調管理に気をつけましょう。
次回の投稿で約1年になります。1年間で色々ありましたが、何とか書けていることが幸せです。
また2週間後よろしくお願いします。