第二十八話
現在のスノウ
意識を失ったことはあるだろうか?普通に生活をすれば、よほどのことがなければまず体験しないだろう。
本当に意識を失ったことがあるのは、3歳以来か・・・。
懐かしい感じもするが、魔王の一撃で意識が飛んでしまう貧弱な体が悲しい。ドールマスターじゃなくて、前衛系の職業ならまだ耐えられたのにと思ってしまう。
意識だけははっきりしているのに真っ黒な空間にいる・・・。
点滅している小さな光が見えるので意識をそちらに向けると距離が徐々に近づいていく。このまま昇天する可能性もあるが、ダンジョンの洞穴から抜け出す感覚に似ている。
光の空間は今まだに見たことがない部屋だ。
部屋の真ん中の大きな球体の光は、か弱くチカチカと点滅している。
部屋の中は古代テクノロジーのような見たことがない解らない文字に囲まれている。
球体が動かないように固定されている感じもする。
触れてみると反応があった。
「※※※※」
何かを言っている、訴えている感じがするが聞き取れない。
「あ※た※※」
「何かを言いたいのはわかるんだが、こっちは聞き取れないんだよ」
素直に球体に向かって話してみる。
「これなら?聞こえるかしら?」
球体からはっきりと声が聞こえる。
「おおっ、球体が喋った。そもそもここは何でしょうか?」
しばし沈黙の後に
「あなたは子どもたちの指示で来たわけではないのね?」
子どもたち?球体に子どもが産まれるのかわからないが、全く関係がないと答える。
「わたしの時間はもう長くない・・・エネルギーが足りなくて消えてしまう」
「初めてあって聞くのは失礼かもしれないが、エネルギーが足りない?寿命なのか?」
「寿命ではなく、エネルギーが枯渇しているの。あと数日で消えてしまう・・・」
「エネルギーを足せば消えないってこと?子どもたちに頼めなかったのか?」
しばし沈黙が流れる・・・
「子どもたちは私の代わりをするために、私をここに閉じ込めた」
話があまり見えないが、この球体を閉じ込めて子どもたちが実権を握った?
「クーデターを起こされた感じか?」
「そう、本来は反抗できないはずだったが、エネルギーを供給しない方法で私を消す方法を考えた」
親子関係は色々あるから難しいなあ。片方の意見だけを聞いてあなたが正しいですとは判断できない。
ただ実際に閉じ込められている、エネルギーが枯渇して消えかけていることは本当のようだ。
「球体のあなたは何者なんです?」
この球体はきっとどこかの王様くらいに考えていた・・・。
この質問をしたことがこの先の波瀾万丈の人生の幕開けだったのかもしれない。
「私はG・O・D・S・・・この世界の神と呼ばれるシステムの一つ」
そう・・・目の前にいる球体はこの世界の神様らしい。
皆さんこんにちは。いつもは自宅で小説を書きますが、今回はイオンの駐車場(車の中)で書きました。
夏も本番です。脱水症状には気をつけましょう。小説はやっと面白くなる所に来ました。
次回早く読みたいと思われるように頑張ります。また2週間後に投稿します。