第22話 副ギルド長ローレライ
スキル講習会の熱気が残る中、スノウは静かに訓練場を後にする。
背後では、講習会を終えた冒険者たちが興奮気味に話し合っていた。
「さっきの荷物運び、見たか?」
「動きが完全にシーフだろ」
「いや、最後のアレ何だったんだよ……」
そんな声が、後方から聞こえてくるが気にせず掲示板に向かう。
講習会の時間が終わったことで、朝の混雑は少し落ち着いていた。
それでも掲示板の前には、まだ多くの冒険者たちが集まっている。
ポーター募集の掲示板を見ていると、ギルドの受付嬢の一人から声をかけられてしまう。
金髪でロングヘアー、見た目やスタイルは中よりも上。
性格にやや難があって、ランクが低いとゴミを見るような目線をするエリザベス嬢だ。
一部の冒険者からはその目線がたまらない、ゾクゾクすると人気があるようだ。
自分は正直関わりたくない。
「ちょうど良いところに、スノウさんにポーターの仕事があります」
営業スマイルだが、明らかに見下している目つきが分かる。
受付嬢としてどうかと思う。
「結構です。自分に合わない仕事は受けないので」
自分の素っ気ない態度が気に食わなかったのか、目は笑っていない。
「スノウさんには、是非Cランクパーティの猛るサソリのポーターをおすすめします」
どうにかポーターの仕事を受けさせたいのか、ごり押しで話してくる。
確かにCランク以上のポーターの報酬は良い。
ただ猛るサソリというパーティは素行不良、問題ばかり起こすパーティとして有名。
ポーター(荷物運び)の契約なのにサポーター(戦闘支援)をやらされる。
奴隷のようにこき使われて、クエスト終了しても賃金を全額払わないというケチぶり。
ギルド幹部から何度か呼び出しを受けているが、素行不良は治る気配はない。
リーダーは小心者の見栄っ張り、そこら辺のチンピラと変わらない。
エリザベス嬢のしつこさに困っていると、他のギルド職員から声がかかる。
すらりとしたスタイルに褐色の肌、特徴的な耳先を持つ傾国の美女。
ダークエルフのローレライ・エルフィン嬢(副ギルド長)である。
雑誌“月刊冒険者ギルド”の表紙を、八号連続で飾ったこともある。
帝国王太子からの縁談。
王国貴族からの求婚。
A・Bランクの冒険者八十人以上の告白。
それら全てを断った才色兼備の女性である。
ちなみにCランク以下の告白はカウントすらされていない。
その傾国の美女から声をかけられてしまっているので、周りの冒険者の視線が辛い。
第22話です。
皆さんこんにちは。今日は不定期投稿になります。
明日から6月に入りますが、仕事量がまた増えそうです。
次回は6月3日(水)予定です。
またよろしくお願いします。




