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第20話 冒険者ギルドの朝

朝の日差しが、宿のカーテンの隙間から差し込んでくる。


「うぅ……頭が痛い……」


ベッドの上で、ソエルが毛布にくるまりながら唸っていた。


昨夜、エール、ワイン、蜂蜜酒を好き放題飲んだ結果である。


「飲み過ぎだよ」


スノウは呆れながら、水の入った木製のコップを机に置く。


「久しぶりのお酒が、美味しかったもん」


「お酒の後のパフェで、テンション高かったよね」


「締めパフェは別腹なの……」


ぐったりしたまま、ソエルはベッドから動く気配がない。


精霊なのに二日酔いになるとは。


「今日は休む?」


「無理……動けない……」


完全にダメ精霊である。


窓の外からは、活気あるノクティスの喧騒が聞こえてくる。


冒険者、商人、荷車の音。


今日も街は変わらず元気だ。


「とりあえず冒険者ギルドに行って来るよ」


「ポーションが欲しい……」


木製のコップの横にポーションを置く。

魔女が見たら怒られそうな使い方だが、ソエルをこのままにしておけない。

ポーションに気が付いたら勝手に飲むだろう。


「行って来るからね」


ドアを静かに閉めて、宿屋の階段を降りていく。

宿の一階は相変わらず、賑わっていた。


昨日のお酒の影響なのか、食欲はない。

朝食を食べずに宿を出る。


陽の光を浴びながら冒険者ギルドに向かう。


冒険者ギルドのこの時間は、やはり嵐のような喧騒になっている。

探索、討伐、護衛、素材採集などのクエストが、掲示板に貼り出されている。

冒険者同士の怒号が飛び交う。

クエスト貼り紙争奪戦が見られる時間帯だ。


(今日はやけに人が多い気がする)


通りかかったギルド職員に話を聞くと、今日はスキル講習会の日だった。


ノクティスの冒険者ギルドは他の冒険者ギルドと違って、月に一回だけ無料のスキル講習会が行われている。


引退した冒険者に講師のオファーが行くことが多いが、時折凄い人物が来ることもある。

過去には宝箱の鍵開け名人、聖女の付き人、ダンジョン専門の料理人など面白い講師が来たこともある。


本日の講師は、引退したシーフによる近接戦闘の基本。


(今日の講習会は当たりかも)


受付に確認すると、まだ募集枠が空いていたようで申し込んでくる。


訓練場に向かう冒険者の中には、明らかに新人ではない者も混じっている。

無料とはいえ、実戦経験者の技術を学べる機会は貴重だ。

勿論、新人冒険者の顔も見かける。


「やっぱり前衛職が花形だよな」


「荷物運びなんて、誰でもできるだろ」


「早くランクアップして、有名になるぜ」


新人らしい会話だ。

新人あるあるの話になるが、現実をまだわかっていない。

派手な職業に憧れて、基礎を忘れると必ず痛い目をみる。

スキル講習会に出ているだけでも、まだ将来は有望かもしれない。


訓練場には、既に多くの冒険者たちが集まっていた。


第20話です

皆さんこんばんは。北海道は暑いですね。

体調管理気をつけてください。

次回は5/30日に投稿予定です。

よろしくお願いします。

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