第19話 雷龍国ノクティス
雷龍国ノクティスの土地は、元々南部の毒沼地帯で人が住める場所ではなかった。
20年前、現女王――雷龍王が毒沼を完全に浄化し、そのまま建国。
その毒沼の下にダンジョンが見つかったため、大陸全土の冒険者たちが一攫千金や名声、欲望を満たすために集まってきている。
帝国や王国は自国の領土を主張して、ノクティスに対して宣戦布告。
人が龍にかなうはずもなく、全て返り討ちにあっている。
その後、雷龍国が国として認知されることになるのだが、魔女との同盟も大きかった。
魔女が作るポーションは、偽物が出るくらい人気がある。
冒険者も使うが、戦争を行うには無くてはならない備品の一つ。
もし雷龍国に手を出すと、魔女からポーションの供給が完全に止まる。
回復手段が限られてくると、長期間の戦争は不可能になる。
戦闘力では龍には敵わず、物流でも負けてしまう。
帝国も王国も諦めるしかなかった。
龍は生きる神とも呼ばれる。
雷龍王ノクティスが統べる国は、魔物に怯える必要もない安全な国。
他国からの移住も右肩上がりで、人口は爆発的に増えている。
またダンジョンの需要もあるため、冒険者の国と言われるくらい活気に満ちている。
「飲んだ後の、締めパフェ最高だわ」
酔っているためソエルが声を出している。
(ソエルちゃん、声出てる)
(ごめん、ごめん)
周りも酔っている冒険者ばかりなので、ソエルの声に気づいている雰囲気はない。
気になるのが、ベールを着けた店員の視線。
頼んだ料理、お酒の量+締めパフェを考えると怪しまれている。
後ろのテーブルの冒険者から面白い話が聞こえてくる。
「そういえば姫さんが、クラーケンを一撃で倒したらしいぞ」
「さすが雷龍王の娘。」
「あれだけじゃじゃ馬なら、将来の旦那は大変だな」
酔った冒険者たちの話のネタになっている。
雷龍王には実の娘が一人いる。
人間との間に産まれたため龍人とも呼ばれるが、この国では王族。
“姫”の愛称で呼ばれている。
小さい頃から、城を抜け出しダンジョンに潜る。
親子喧嘩で城が崩壊しかける。
帝国と王国からのお見合い話も、弱い男に興味はないと即破談にする。
話ネタになるエピソードはたくさんある。
現在は国を離れて、武者修行の旅を続けている。
本当は、花嫁修業が嫌で逃げ出したことは一部の者しか知らない。
(いつも通り豪快なお姫さまね)
(単なる脳筋の戦闘狂だよ)
黙っていたら綺麗なお姫さまなのに……口より手が出る。
頭が痛くなる思い出が甦る。
(たまには会いたいんじゃない?)
(うーん、付き人?お世話係になりそうだから……パスで)
会ったら一緒に食事に行こうって人じゃない。
どれだけ強くなった?とりあえず殴らせろの人だ。
苦笑いしながらお酒を空ける。
第19話です。
皆さんこんにちは。久しぶりにスパイスカレーのお店に行ってきました。
カレーは正義です。子どもが食べれるか心配でしたが、☆4.5だったみたいです。
5/27(水)に投稿予定です。いいね、感想、ブックマークあると励みになります。
またよろしくお願いします。




