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第十四話

オブシディアン ドールマスター スノウ(2)


「これで退路は一応確保だな」

このまま35層のBossエリアを退却してもいいが、あの特殊個体をそのままにするわけにはいかない。放置すると手がつけられなくなる可能性がある。それにあの腹部・・・


「1本しかないエリクサーを使うと思わなかったよ」

隣で周囲を警戒しつつ、相方の精霊はやや不満そうな口調で話してくる。


「死の匂いが強かったから仕方なかった」

エリクサーは完全回復薬。死んでいなければ四肢の欠損があろうが、体がちぎれようが完全に回復する。ただ頭が消えてしまうとさすがに難しいとされている。試したことがないからはっきりわからないが、エリクサーの本数が少ないためなかなか研究ができないのだ。

過去にエリクサーを再現しようと魔女や錬金術師が躍起になって研究していたようだが、結果はおもわしくなかった。ハイポーションの効果が気持ち少し高い程度の回復しか再現できなかったらしい。


「それよりチェンジした場所は最悪じゃない?あれはないでしょ?」

相方の精霊に苦情を言ってみる。

「緊急事態だったから仕方ないでしょ?そもそも死にかけってわかってたのはスノウでしょ?」

はい・・・その通りです。索敵しながらBossエリア前でお茶会という休憩、おやつタイムをしていた自分が悪いです。でもソエルちゃん・・・あなたもおやつ食べたよね?


「ところでこの後どうするの?今なら簡単に退くこともできるけど?」

元々の討伐クエストはストーンアントの一斉駆除で、クイーンアントは追加報酬。クイーンアントが3体いることがあり得ない。


「あの特殊個体をさすがに放置はできないな。それに魔女っ子を助けている時点で遅かれギルドに報告にいくだろうし。やるしかないんじゃないかな」


「ねえ・・・このクエストが終わったらお願いがあるんだけどいい?」

相方の精霊は自分からお願いをすることはほぼない。精霊界で生命を救われただけで一生の恩があると言っていたからだ。珍しいこともあるもんだと簡単に返答する。


「構わないよ。自分に叶えられる願いであれば」

「やった。じゃあ早く片付けないとね」

自分の返答が嬉しかったのか、相方の精霊のやる気は何故かMAXになっている。本当にそのハイテンションは珍しい。終わったら何をお願いするのか逆に不安になってくる。


 魔力念糸で操作していた白い全身鎧の軍団の人数を最低限にして防御モードに移行する。6体くらい残せば大丈夫か。魔女っ子をお姫様抱っこしながら、器用に戦えないわけではないがさすがにクイーン2体が残っているので現実的ではないだろう。

 予備の自分用の黒い全身鎧を空間収納から呼び出し、毛布で魔女を包んで鎧の中に入れる。もし何かが起きてもレギオンでBossエリアを撤退させれば、魔女っ子だけでも生き残れるだろう。紅茶の入った水筒とおやつの残りを膝の上に置いておく。


「ソエル・・・疲れるかもしれないけど頼むね」

黒紫色の特殊個体のクイーン、灰色のクイーン、将軍クラスが残り5体、あと兵隊が70体くらいか。


「まともにやっても疲れちゃうから、首切ったクイーンの体を使わせて貰うかな」

そう言って、ソエルに首を切られ絶命したクイーンの亡骸を見る。


「スノウって・・・ネクロマンサー(死霊使い)って言われるんじゃない?」

またやるのかって呆れ顔の精霊の表情を見るのは楽しい。クイーンの亡骸だけを空間収納してなかったのは、この後何をやるのかソエルが想像していたからだと思う。


「でははじめよう・・・ハッキング」

首を切られ絶命したはずのクイーンアントの亡骸が、一瞬ビクンと動いた後にゆっくりと体を起こしたのだ。


皆さんこんにちは。11月も中旬です。季節の変わり目、温暖差にご注意してください。

住んでいる地域はインフルエンザが猛威を振るっています。人混みが怖いです。

やっと小説は面白くなってくると思います。ここまで来るのに時間かかりすぎ・・・。

また2週間後に投稿予定です。コメントして頂けると励みになります。宜しくお願いします。


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