第114話 お散歩の帰り道
冒険者ギルドを出たスノウは街中をぶらぶらと歩いていた。
すれ違った治安兵たちは、冒険者ギルドへ向かっていた。
裸にされた暗殺者ギルドの連中は、もうこの国では活動できないだろう。
犯罪歴があれば、犯罪奴隷として鉱山送りになるかもしれない。
訓練場の一件に、クイーンアントの討伐依頼をめぐる不正。
またローレライの仕事を増やしてしまった。
このまま貴族街の住居に帰る気分ではないので、少し飲んで行こうと思っていた。
歩いていると、微かに血の臭いがした。
風に乗ってきたわけでもなさそうだ。
どこかで酔っ払いが殴り合いでもしたのだろうか?
……気のせいか?
後ろから声をかけられる。
「スノウ様。お迎えに参りました」
メイド長マーサだ。
「マーサが街中にいるのは珍しいね」
「そうですね。お散歩に行ってきました」
マーサの表情はいつもと変わらない。
だが、声には隠しきれない高揚感がにじんでいた。
「何か良いことあった?」
「あらっ、表には出してなかったと思いますが」
自分に何かを悟られたと思ったのか、マーサの頬がわずかに赤くなった。
「声がいつもよりも楽しそうな感じだったから。よっぽどお散歩が楽しかったのかな」
「最近嬉しいことが続いていて。スノウ様に終身雇用されたので、マーサは幸せですよ」
マーサは微笑んでいる。
その笑顔の奥にどんな思惑が隠されているのか、自分はまだ知らない。
「終身雇用は嫌じゃなかった?」
いまは二人しかいない。
マーサの本音が聞きたい。
「嫌なら、すでに寝首を掻いてますから」
おっかない言葉を使っているが、いつも見られないマーサの笑顔を見ることができた。
このギャップが愛らしいと思ってしまう。
「この後、飲みに行くけどマーサも一緒にいく?」
誘われると思っていなかったようで少し考えている。
「そうですね。今日はお散歩で疲れたので、外食して帰りましょうか」
この後、どこのお店に行こうか。
今日は色々あったが、マーサの食事の好みがわかるかもしれない。
よくよく考えると、自分はマーサ自身についてほとんど知らない。
知らないのに終身雇用……自分の直感を信じよう。
114話です。
皆さんこんばんは。二段階認証の認証パスがなかなか来なくて、20分かかりました。
サーバーの対応がきっと混んでるんでしょうか?
今後小説投稿の頻度回数が減る可能性があります。仕事が忙しくて、小説が書けません。
小説で食べていけるのであればいつでも仕事は辞めます。現実は厳しい・・・。
明日の投稿は難しいかもしれません。次回よろしくお願いします。




