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「殺す、ね……本気で言ってる?」最強格闘JK、転生先では拳を開放する  作者: Gai


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第19話 戦姫が笑う

「はっ、ははッ!!!! アッハッハッハッッ!!!!!!!!!」


乱戦の地で、拳と健脚、短剣を振るう令嬢……戦姫が笑う。


スランの体には、既に複数の切傷が刻まれていた。


この期に及んで、彼女はまだ全身に闘気を纏わずに戦っている。

それは……己の実力を過信しているから、ではない。


絶対に、確実に、なにがなんでもこの状況を一人で打破するために、攻撃と回避にだけ闘気を使用していた。


(あはっ!!! これは、ちょっと、ヤバイ、かも!!!! けど……けど、どんどん冴えて、くるッッッ!!!!!!)


今回のゴブリンたちは複数人で接近戦を仕掛けてくるだけではなく、アーチャーからの矢や……メイジからの魔法という投擲物まである。


魔法……それはサークルを持つ人間が扱える力だが、魔の存在であるモンスターとて、その力を扱うだけの潜在能力がある。


誰から教わったのかと、人間であればツッコみたい。


だが、それがモンスターという存在なのだと受け入れるしかない。


(ははっ!! あれが、魔法、なのねっっ!!!!)


だが……スランは偶に迫る火球や風矢を見て眼を輝かせるだけで、特に食らうことなくやり過ごしていた。


偶にナイスショットなタイミングで魔法が放たれることはあるも、スランはそれらをスパッと闘気を纏った短剣で切り裂いていた。


「っ、ぅおりゃッッ!!!!!」


「ギギャっ!!?? っっ!!!??? ぶっ!? べばっ!!!??? ーーーーっ!!??」


そして何を思ったのか、彼女は自身を掴もうと伸ばされた腕を逆に掴み、そのまま棍棒の様に振ります。


「「「「「「っっ!!!!????」」」」」」


ゴブリンたちはただ操られるように集まっただけではなく、一応仲間意識はある。


だからこそ、同族が振り回されているとなると、自身の武器を叩き込んで弾き飛ばすという行動に躊躇いが生まれる。

そして……その躊躇いが、彼らの命を奪っていく。


「ははっ!! どうしたの!!!! それで、もう、終わりなのっ!!!!」


ボロボロになり始めたヌンチャクゴブリンを思いっきりぶん投げ、再度己の手足と短剣だけでまだ残っているゴブリン、ゴブリンナイトやウォーリアーたちを斬り刻み、叩き潰していく。


「「「「「「「ーーーーーーッッッ!!!!!」」」」」」」


何故か……解らない。

何故だか解らないが、彼らは目の前の戦姫を相手に、引こうという気が全く起きない。


仲間を殺されているということもあり、当然のように殺意は湧き上がる。

それでも……確かに、ゴブリンや上位種、ブラウンウルフたちは目の前の小さな人間に恐怖心を抱いていた。


「ッッッッ、ギギャギャギャーーーーーッッッ!!!!!」


そこで、一体のゴブリンが吼えた。

そのゴブリンはゴブリンリーダーと呼ばれる統率力に優れた個体であり、彼の特徴が声に乗せられた際……同族たちにこれまで以上の連携力を与える。


「「「「「「「「「「ーーーーーーッッッ!!!!!!」」」」」」」」」」


残っているゴブリン、ブラウンウルフたちは余計なことは考えず、ただ目の前の人間を殺す為の最適な動きを実行し、追い詰めようと……確実に殺そうとした。


(凄い……凄いね、この、感覚)


全方位から本気で本物の殺意が向けられ、明確に自分の命を刈り取ることができる攻撃が迫る。


だが、スランには……全てが感じ取れていた。


「ふッ!!」


「ギベっ!!!???」


後ろを振り返り、後方から仕掛けていたゴブリンの頭部を粉砕。


「ほっっ!!!」


「っっ!!!!????」


「「「っっ!!!???」」」


「破ッッ!!!!!」


「「「「ーーーーっっ!!!!????」」」」


斜めから仕掛けていたゴブリンナイトの斬撃を回避。

腕を掴んで思いっきりぶん投げ、他三匹にぶつけて体勢を崩し……闘気を纏った斬撃波を放ち、四体纏めてぶった斬り。


「ふっっ!!!!」


「っ!? っ、っ!!??」


(まぁ、乱戦だから、ね)


ゴブリンウォーリアー相手に真正面から打ち勝とうとするも、離れた場所からアーチャーが狙っている事に気付き、それに気付いていなかったウォーリアーを盾にし……怯んだ隙に喉を掻っ捌く。


「「「「「「っ、ーーーっ」」」」」」


あっという間に、残っていた同族たちの約半数が消えた。


それだけで、リーダーが放った統率力を崩すには十分であり、彼らはまだまだ殺意こそあれど、ここから先どう動いて目の前のメスを殺せば良いのか解らなくなっていた。


(? 殺意はあるけど……来ない…………それじゃあ、試験中だし)


襲ってこない相手を狩るというのはやや引けるものの、殺意を自分に向けている相手を逃がす……もしくはそういった相手に背を向けるというのは普通によろしくない。


尚且つ、今は試験中ということもあり、スランは最後まで止まることなく……後方組のアーチャーやメイジすら残すことなく全員始末した。


「ふぅーーーーーー……結構、頑張ったかな…………よし、解体解体」


面倒なことは、腰を下ろしてしまったら本当に面倒で動けなくなってしまう。

だからこそ、何が何でも腰を下ろす前に始めるべき……というのを知っているスラン。


せっせと数十体以上のゴブリンから魔石を取り除き、ようやく集合場所へと向かうのだった。


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