↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「殺す、ね……本気で言ってる?」最強格闘JK、転生先では拳を開放する  作者: Gai


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/25

第18話 確実に、刻む

SIDE 雷華


「ふぅ~~~~~…………ちょっと疲れたな」


試験が始まってから約九時間が経過。


まだ太陽は昇っているが、それでも傾いているのが解る時間帯。

その時間になって、ようやく疲れを感じ始めていた雷華。


(何体のモンスターを倒したかな……結構倒したと思うんだけど……まぁいっか)


「ーーーーーッッ!!!」


「っと……あっ」


「っっ!!!!????? ル、ァ、ッ…………」


「……短剣、一旦しまったほうが良いかな」


死角から奇襲を仕掛けてきた茶色の毛を持つ狼、ブラウンウルフの爪撃を躱した雷華はすれ違いざまに短剣を滑らし、喉切り裂いた。


モンスターの中にはそれぐらいの傷であれば再生してしまう化物個体もいるのだが、現在雷華が狩りを行っている範囲にはそこまで常識外のモンスターは生息していない。


(あと一時間ぐらい? そうなると、これ以上奥の方には行かない方が良さそう…………けど、うん……悪くないんだよね)


体は疲れている。

本人もそれを自覚している。


それでも……何故か、まだ動けるという感覚があった。


(とりあえず、時間ぎりぎりまで可能な限り探して……あれ?)


違和感。


先程までなら、全て飲み込むように物が入っていくアイテムバッグに……ブラウンウルフの毛皮が入らない。


「…………ありゃりゃ」


機能が停止した……違う。

これは、亜空間の中がパンパンになった……これ以上は入らないという合図だった。


「スランお嬢様」


「っ!? え、えっと……」


「アイテムバッグの中が一杯になったようですので、こちらのアイテムリングを使用してください。使い方はアイテムバッグと同じです」


「わ、解りました」


「では」


「………………近くにいるんだよね?」


いきなり自分の前に現れた……自分が今、どういった状況になっていたのかを知っているという事は、近くから見ていたはず。


にもかかわらず、姿を消した今……あの男性騎士の気配を感じられない。


(隠遁技術、だっけ……凄いね…………よし。せっかく新しい袋が手に入ったんだし、これも一杯にしよう)


先程までの疲れはどこへやら、雷華は残り時間……帰り道までの距離を無視し、更に奥へと向かった。









『なぁ……初めてじゃねぇか』


『あぁ、そうだな。少なくとも、私は同じ例を聞いたことがない』


今日、何度目になるか解らない驚きを体験していた騎士二人。


一応……一応、予備の収納系マジックアイテムを騎士たちを用意していた。

だが、これまでの試験で……少なくとも、七歳時から八歳時の間に行われる試験で用意されたアイテムバッグを一杯にするほどのモンスターを討伐した者は一人もいなかった。


それこそ、デリルガーナ家の歴代当主たちであっても。


『スランお嬢様が実戦だけじゃなく剥ぎ取りまで上手いってのも一つの要因だろうけど……だとしても、だよな』


『だとしても、だな……これで、スランお嬢様は新たにデリルガーナ家の歴史に名を刻んだことになる』


『…………世の中、成長が早すぎる神童が、本当に早く成長し過ぎただけで、結局のところそこまで伸びなかったって例もあるけど……仮にスランお嬢様がそうだったとしても、これは間違いなく歴史に残り続けるだろうな』


『間違いない。早過ぎる、という次元の話ではないのだがな……しかし、スランお嬢様はどこまで行くつもりなのだろうか』


『あれじゃないか。お前が渡したアイテムリングまでパンパンにするつもりなんじゃねぇの』


『……スランお嬢様なら、あり得そうだな…………っ、おい』


『あん? どうし……っっ……こいつぁ』


騎士たちは気付いた……気付いてしまった。

誰かが、何かを操っている。


誰かが……スランに、何かを仕掛けようとしている。


『おい』


『……まだ、確定してはいない』


『っ……そりゃ向こうも仕掛ける奴らを選んでるみてぇだが』


『お前には、あの背中が見えていないのか』


背中……背中だけで何が解るのかとツッコみたい。

ツッコみたいが、男は同僚が何を言いたいのか理解出来た……今日一日の経験から、理解出来てしまった。


『…………はぁ~~~~。本当に、どうしようもない方だな』


『不敬なのは理解しているが、そう思わずにはいられないな』


そう言う二人の顔には、スランと同じ表情が……笑みが浮かんでいた。








「随分な歓迎……じゃ、ないのかな」


「「「「「「「「「「「「「「「ーーッ、ーーーッッ!!」」」」」」」」」」」」」」」


現在、スランの周囲には数十を越えるゴブリン、上位種のゴブリンナイトやウォーリアーなどがいた。

加えて、ブラウンウルフと共に行動するゴブリンライダーたちまでおり……七歳の子供を殺すには、過剰な戦力が集中していた。


これほどの戦力を移動させるならば、格上のモンスターすら殺せるが……ゴブリンたちの意識は、完全に人間の幼いメスへと集中させていた。


(私から同族の匂いがしてるから……仇討ち? って!!! そんな事、ゆっくり考えさせてくれるわけ、ないよねッッッッ!!!!!!!)


抑えきれない衝動を解放したゴブリンアーチャーの矢が引き金となり……最後の大乱戦が始った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。