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なかなか結婚出来ない農家の俺(30)、婚活の為、パパッと魔王倒してエルフの嫁さん田舎に連れて帰ります!  作者: 東音


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8/10

エルフさんの村

 「ところでさっき、あの干さんって人、レフィーナさんが魔王の生贄に選ばれたって言ってたけど、どういう事?」


「ああ。それは、俺も気になっていた。また魔王の手下が来るみたいな事を言っていたし。ロフィーニくんがドラゴンに攫われそうになったのは偶然ではないんですか?」


「あっ、ええ……。私が魔王の生贄に選ばれた為に人質としてこの子まで狙われる事になってしまって……」


 三琴と俺の疑問に対してレフィーナさんは言い淀み、顔を曇らせた。


「っ……」


 そして、ロフィーニくんは不安そうに彼女のスカートの後ろを握り締めている。


「この子は村の宝なんデス。助けてくれてありがとうございマス。

 お礼をしますので、どうぞ村に寄って言って下サイ。詳しい事情はその時お話ししマス。さっきの返事も一緒にしマス……ねっ」

 ギュッ♡

「は、はい//」


 レフィーナさんに手を握られ、その柔らかい手の感触に俺はドキッとする一。


 レフィーナさん、綺麗だ。


 キラキラ光る金髪に、俺を見詰めるエメラルドのような深い緑の瞳。長く尖った特徴のある耳。


 その全てが神秘的で魅力的で、ヨーロッパ系の緑の民族衣装がよく似合っていて、しばし見惚れてしまった。


「フフッ。では、参りマショウか? こちらの道デス」


 レフィーナさんは、そんな俺を見透かすように笑うと身を離し、ロフィーニくんと手を繋ぎ、道案内を始めた。


 ああ。年上の彼女にとっては、俺なんかまだほんの小坊主ぐらいの存在で相手にされていないのかもしれない。


 なにせ、勇者の干さんでさえ軽くあしらわれていたものなぁ……。


 レフィーナさんとロフィーニくんの後ろを歩きながら、後でどんな返事が返ってくるのだろうと、落ち着かない気持ちでいると、隣の三琴から視線を感じた。


「ん? なんだ三琴?」


「あっ。いやぁ、何でも? ピーヒョロロ♪」

「??」


 三琴は誤魔化すように明後日の方向を向いて口笛を吹いたが、その後も、三琴は何度も俺とレフィーナさんを交互に見ては、難しい顔でウンウン頷くという不可解な行動を取っていた。


 レフィーナさんとロフィーニくんの住む、ム・フィーニット村は、元いた草原を20分程下って行った林の中にあった。


 木々に囲まれた細い道を抜けると、青い泉や、色とりどりの花畑など美しいスポットがいっぱいあり、正に秘境の地というべきその場所に、村はひっそりと佇んでいた。


「少しここでお待ち下サイね?」


 レフィーナさんとロフィーニくんが村の入り口で、俺達にそう言い置き、十数軒程のログハウスの中で、一番大きなログハウスに入って行った。


 そして、待つこと数分……。


 ログハウスの扉が開き、中からレフィーナさん、ロフィーニくんと共に、彼らと同じ金髪緑眼に耳のとがった美丈夫とレフィーナさんが美しく取ったような女性が出て来て、感極まった様子で俺達の前に進み出た。


「お二方、こちらは、私達の両親父デス」

「オトーサン! オカーサン!」


「零さんのお孫さんの、一さん、三琴さん、ム・フィーニット村へようこそいらっしゃいました! 村長でこの子達の父ラフィーニです。ロフィーニを助けて下さってありがとうございます!」


「ラフィーニの妻でこの子達の母・リフィーナです。本当に何とお礼を言っていいのか……」


レフィーナさん、ロフィーニくんの両親ラフィーニさん、レフィーナさんは、感激した表情で俺達の前で丁寧な挨拶をしてくれた。


「こ、こんにちは。一です。いえいえ、大した事はしていないですが……」


「こ、こんにちは。 三琴です。わぁっ! エルフのご家族お美し過ぎ〜〜♡」


 年齢は違えど美形が三人も揃うと壮観で、俺も三琴さえも緊張ぎみに応対していると……。


 バタン! バタン!

「ロフィーニ♮¥※♭$?」

「レイ✽※♂♀!?」


 他のログハウスの扉も開き、彼らと同じ体の特徴を持った村の人達が次々と飛び出して来た。


「「「「「ヨウコソ! レイサンのオマゴサン!」」」」」

「「「ロフィーニ、タスケテクレテ、アリガトウ!」」」


「わわっ!」

「ひゃっ!」


 村人(ほとんどが年配の方で、他は15才位のそっくりな顔立ちの少女三人だけだった)に周りを囲まれ、俺と三琴が戸惑っていると、村長のラフィーニさんが彼らを宥めるように言った。


「ははっ。皆、嬉しいのは分かりますが、お二人がびっくりしていますよ? 今日は記念すべき日です。お二人を招いて、村を挙げてお祝いしましょう!」


 村長のラフィーニさんは、軽やかな笑い声を立てると村の人達にそう呼びかけたのだった。

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