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面倒な僕を助けてくれ  作者: 柱蜂 機械
第三章 二年一学期編
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第41話 テスト勉強[4]with Kuso-Megane

 こんにちは。

 最近忙しい……。

 連休明けの学校は、殊に高校生ともなると辛い物がある。要因としては、普段の休み明けのダルさに加え「疲れ」がある。

 「疲れ」に関して言うと、GW故、遊び疲れ──つまりは行楽やゲームのやりまくりなどでの疲れが出ると思われがちだが実際はそんな事はない。


 では、何に疲れているのか?


 その答えの一つは、部活だ。

 GW中、活動が組まれていない運動部は無い。しかも文化部でさえ、一日二日の活動があるのが殆どで、運動部なんて毎日だ。県でも特に強豪と称される幾つかの部活は朝から晩まで一日練というのもよくある事だ。

 今でこそ文芸部なる謎部活に所属している僕も、中学時代は陸上部という運動部の中の運動部に所属していた。晴れなら当然グラウンドで走って走ってタイヤ引っ張って走ってバトン渡して走って、みたいな感じだったし、雨でも校舎の中で筋トレ筋トレ走って筋トレだった。うん校舎の中走ってたんだよね。あの時の吹奏楽部の可愛い女の子の白い目は一生忘れない。あの顧問、殺す……。

 辛かったけど──現役陸上部の(そら)中村(なかむら)さんはどうか分からないが──それでも陸上部なんて甘い方だ。サッカー、バスケ、野球なんてこんなモンじゃない。もう、先生がガチ。むしろアンタが出ろよレベルでやる気ある。たまに、本当に過去に県ベスト何とかいう人がいるが、そういう奴に限って「俺たちの頃は──」苦労話自慢がある。うるせぇよ。


 そして、もう一つの理由として「GW課題(笑)」がある。ただでさえ忙しい高校生──勿論僕の事──に、課題である。

 各教科ごとにGW明けに提出すべきワークやらノートやらが記載されている一枚のプリントを貰った時は、瞬間でビリビリに破り捨てる──ような輩は流石に居ないけど、放課後清掃の時には必ず丸まったそれがゴミ箱から発見されるくらいには生徒の心を痛め付ける代物だ。

 で、異常な程の課題の量には、この高校──清水(しみず)第一高校が市内二番手の進学校であるのが関わっている。進学校だから授業の進度が速かったり教師のレベル高かったりするが、残念ながら二番手。一番は静岡(しずおか)岳南(がくなん)高校。どうやらウチの教師陣は岳南高校に対抗して一高のレベルを向上させ、良い中学生が吸い取られないようにしたいらしい。故に大量の課題を与えるのだ。


 よってGW明けはくたくただ。「もうガッコ行きたくない……」とか「宿題終わってねぇ(涙目)」等と言って元気無さげに生徒達は登校する。

 そしてある教師は「どうせお前ら連休中遊びまくってたんだろ? もっとやる気出せよ、やる気」とか悪ノリっぽく言ってくる。もう言い返す気力も起きない。完全に生徒の心はへし折れる。あんだけの部活と課題あってよく遊べたと思ってんなと、生徒全員げんなりする。まぁこれは僕のようなカースト底辺人間やパリピリア充を問わず皆が体験する事だ。皆平等。素晴らしい。




 というような感じでGW明け初日はクラス中がダルそう雰囲気で始まったのである。


 四時限目まで皆物静かに(寝てる奴多数)座学を受け、漸く昼休みだ。疲れている中でもパーリーなピープル達は集団行動を辞さない。またしても鳥羽山(とばやま)雄太(ゆうた)なる爽やかイケメンの下に群がりが出来始めた。アイツ、タイムセールか何かなの?


 五月ともなるとクラスのグループカーストがハッキリしてくる。

 まず最上位は前述の鳥羽山グループ。男女合わせて十人強。ウェイウェイ言ってる最大派閥だ。

 第二位は我らが部長大川井(おおかわい)(はなだ)のグループ。女子のみで八人程。一位と二位でクラスの半分を分割している。

 第三位から後は、寡黙ガリ勉男子が五人。オタ男子、オタ女子とかで三十五人。一クラス四十人だから、後の五人ぐらいはどのグループにもイケる系の万能風見鶏と、不登校と、僕を含む無所属だ。どうでも良いけど「含む無所属」って所属してるんだかしてないんだかよく分からないなぁと思いました。


 で、例のTokyoからの転入生の二人はどうなったかと言うと、大川井さんのグループに所属する事になっていた。まぁ部活(笑)で一緒に行動するのが多かったらしく当然の結果と言える。それによってこのグループはクラス勢力第二位であるにも関わらず、クラス中──いや、学校中で最も華のある三人が集まった集団となったのだ。それ故にグループとしての力というか高貴さみたいな物がより確固になった。

 このグループはお嬢様っていうか大人しい感じの女子達が集まって出来ているので当然パーリーなグループの介入する余地は無い。つまりお互いにそのグループには侵入しないという事であり、従って、よくかち合う。


 この「鳥羽山グループ女子vs大川井グループ」の対決というのがよく見られるようになってきた。一番よくあるのが道の譲り合い。教室は勿論、廊下でもあんな人数で歩くと結構狭い。

 そんな時、目の前にもう一つの集団が現れた。さぁどうしよう。普通なら道の譲り合いが起きて然るべきだが、この両グループは──どちらも動かない。睨み合うのだ。ドクター何だよ。皆医者志望なの? 御意言うの?

 まぁそんな下らない事はどうでも良くて、この場合、大川井グループからは中村(あや)が先頭に召喚される。別のクラスじゃ……とかは気にしてはいけない。宮城島(みやぎしま)美優(みゆ)三島(みしま)祐樹(ゆうき)は大川井さんの御前、由比藤(ゆいとう)紫苑(しおん)四ノ宮(しのみや)紅葉(くれは)を警護する。

 一方の、鳥羽山グループ女子+一部の鳥羽山シンパは総大将であろう僕のクラスのトップカースト女子の藤ヶ谷(ふじがや)(はやせ)が前線に出てくる。そして、他の女子と共にどけよアピールをするのである。

 こういった状況に生徒はおろか先生も目を見開いて棒立ちになっている。まぁこの場を発見した僕は巻き込まれるのを回避する為、一目散にトイレに飛び込んだものだった。「コイツ、トイレ来てんのに何で小便も何もしないん?」みたいな男子の目を回避する為に出もしない小便をしてしまったよ。アハハ。


 紅葉とか他の男子とかは、こういう状況って良くないんじゃないかなぁみたいな雰囲気になっているのだがあまり効果は無い。女子の方が結局こういう所では強いのである。


 まぁ兎に角、そういう感じで僕の周りは他愛の無い変化を遂げていた。




 ここ二週間は大川井さんと昼飯を食う事はめっきり無くなった。

 大川井さんは、紅葉とか、紫苑とか、三人衆とかと食べているようである。べ、別に……き、嫌われたとかじゃ、ないんだからねっ!? え……いや、嫌われてない……よね?


 という事で、また深沢(ふかざわ)(れん)と昼飯を共にしている訳だが、今日は生憎の雨である。例の渡り廊下は使えない。

 よって、奴は僕のクラスにやって来た。


「はぁ……ゴールデンウィーク終わってすぐテストか……。まーた俺の不敗神話に新たな1ページが刻まれてしまうなぁ」

「おい変換ミスってんぞ。正しくは腐敗な」

「うるせぇ、このガリ勉。……今に見てろ。俺の永久封印の頭脳(ゴッドブレイン)がてめぇの歪曲の憂鬱(スパイラルイマジン)をぶっ壊してやるぜ」

「英語不自由すぎんだろ。ってかその頭、封印されてんだかされてないんだかハッキリしろ。封印されてんだったら重病すぎるわ」


 それお前死んでんじゃねぇの?


 机を挟み、教室の隅でいつも通りパンを食す。死ぬ程どうでも良い会話程、よく続く。気になる点が満載なのである。ってか「永久封印の頭脳」がどうしたら「ゴッドブレイン」になるんだよ。ゴッドは永久封印されてんのかよ。

 深沢は僕の意見を介さず続ける。


「まぁ何? 俺の良きライバルとして、特別にお前と勉強の時間を共にしてやっても良いんだぜ」

「おお、相変わらずアホみたいにうぜぇ……。教えないけど」


 危うく俺の血塗りの(ブラッディ)…………否、右手がアイツの幻想をぶち壊すところだった。あぶねぇ、社会的に死ぬとこだったぁ……。


「遠慮すんなって。俺は知ってるぜ。実は、俺に勉強を教えたくて仕方無い奴がいるって」

「誰だよソイツ。チンパンジーか何か? 」

「貴様だよ、貴様。ふん、そんな目でツンデレアピールなんかしても無駄なんだからねっ!」

「キャラ統一しろ。何でお前がそっち行ってんだよ。あと、教えない」

「え、え? でも、一ミリくらい教えたくない? 教えたくない?」

「数値化しすぎだろ。気持ちミリで測れるとかお前の頭メジャーか何かなの? それと、教えない」


 頑なに拒絶すると、深沢は素に戻る。


「い、いやでもさぁ、あのぉさぁ、俺たち友達……じゃん……?」

「え、違くない?」

「え、え、え? 俺友達じゃないのー? ねぇ友達じゃないのー?」

「うぜぇ……。死んでも教えたくない」


 結論。深沢はやっぱうざい。

 深沢はそれが不服だったのか、いきなり吐き捨てるように言う。


「は、これだからガリ勉は。自分が頭良いとか思い込んでるから、こういうおごりが出るんだよねー。自分が教える立場にいる、みたいな想像、最初からしちゃってるんだよねー。わーヤダヤダ怖い怖い。ガリ勉マジ恐ろしいわー」


 うわぁ、うぜぇ……。勉強教えて欲しいとか言ったくせにこれって、やっぱクズだな。うんゴミクズ。


 僕が辟易して黙り込んでいると、深沢はそれについても発言する。


「え、何? ムカついちゃった? ってことはやっぱホントのことだったんだー。うんまぁしょうがないよね。頭良い奴ってさ、ついつい自分頭良いですよアピールしちゃうもんなー。どうでも良いことをいちいち英語使って言ったりとかさぁ」


 いやそれお前もだろ。ゴッドブレインとか言っちゃってるし。


「何だよブレーンストーミングって。ただの会議じゃねぇか。他にもさ、ドラマ見ててもさ『アレ、何でああいう気持ちになるんだか全然わかんねぇ』とか言って空気壊して、しかもそれに皆賛成だと思い込んじゃってるんだよねぇ。いやぁ頭良い奴とかマジで怖いわぁ。あ、俺の目の前の人もじゃん。あれぇ、すみませーん。別に悪口言ってる訳じゃないんすよ。俺たちとは違う場所(笑)にいるんだなぁって思ってただけっすから」


 うぜぇ…………。 マジでクズだなコイツ。もうどうでも良いわ。


 取り敢えず聞いてムカつきながら徐々に俯いて眠りに就くという高等テクを皆さんにお見せしよう。まぁ見えないけど。


 深沢は延々と喋り続け、異様なまでのうるささを誇っている。早く死なないかな……。


 しかしながら、勉強はしなければならない。深沢とは全く理由は違うが。

 二年になってから二回目、定期テストとしては一回目である今回の一学期中間テスト。前回の春休み明け課題テストではまぁまぁな結果で良かったのだが、これからはもうガチ勢がさらに勢いを増してくる。僕もこのビッグウェーブに乗らなければならないのだ。

 最大の目標は総合チャンピオンであるが、それは大川井さんとか、大川井さんとか、大川井さんとか、そこにいる鳥羽山とか、あと大川井さんとかの所為で不可能だ。前回もその二人でワンツーフィニッシュだった。その為総合は諦めざるを得ないが、理数科目のどれかだったら僕にだってドン勝の望みがある。殊に数学に関しては一年次、一度だけ一位を獲得した事がある。いやぁアレは大勝利だった。

 兎に角、今回もあの時のようにひっそりと王座を頂きたい。まぁその為には、勉強あるのみだ。

 僕は高校生になってからは真剣ゼミも投身ハイスクールも終A予備校も、その他諸々も、そういうヤツの授業は受けていない。


 リア充どもと予備校が跋扈(ばっこ)する世界(教室)は、独りという存在をこの世から抹消しようとしている。そんな中、どの集団にも属さないフリーランス、即ち一匹狼のスチューデントが現れた。群れ(パリピ·リア充)を嫌い、権威(カースト)を嫌い、束縛(ズッ友だよ)を嫌い、専門(の独りで居る為)のライセンスと叩き上げの(独り)スキルだけが彼の武器だ。高校二年生、水野(みずの)(りく)。またの名を、(ひと)リア充x!

 最後までお読み下さりありがとうございます。

 まーたテストが近付いてきてしまいました。まだ一ヶ月経ってないのに。やっぱ教師ってアホですね。

 ということでまた更新が止まります。

 もうつまんねぇよという方はジャンジャン、ブラウザバックして下さい。懸命な判断です。

 まだ読むよと言う方はドンドン読んで下さい。ありがたい事この上ないです。しかし、何も出ません。

 そういう訳で、気長にお待ち下さい。

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