6 名前のない隣のひと
魔女のお婆さんの家は、街なかにあった。
普通は、街外れとか、森の中でしょ?
でも、この物語のお婆さんは、街の中に普通に暮らしている。
あぁ、でも、これは物語らしいかも。
お婆さんが魔女だって知っているのは、動物たち、人外だけ。
人間たちは、すぐそばにいるのに、彼女が魔女だって知らないのよ。不思議だよね。
ある日。
私はこのお婆さんのところに出掛けていった。
――なぜかって?
そりゃあ、私も人間じゃないから。
猫なの。
私、好きな人間がいるの。
忘れようと思ったけど、やっぱり忘れられなくて。
だから、人間になることに決めた。
彼と恋をして、彼と結ばれるの。
絶対にそうする。
お婆さんに人間にしてもらうには、代金が必要。
お婆さんが欲しがるのは、宝石。
銀貨や銅貨じゃだめ。
宝石が欲しいんだって。
だから私は、猫の体で入り込める小さな洞窟に通った。
それで、手に入れた。深い青の石。
――でも、どうだろう?
大きいけれど、磨かれていない宝石は受け取ってもらえるのかな。
緊張しながら、赤煉瓦の家の扉を叩いた。
壁一面に蔦が這っている。
あれを登ったら、楽しそうだなぁ……。
――お婆さん、出てこないな……。
爪で扉を擦る。
扉が軋む音を立ててゆっくり開いた。
「これ。扉で爪を研ぐんじゃない」
――お婆さんがすぐ出てこないのが悪いんじゃないの。
黒いローブのお婆さんの足元をするりと抜けて、中に入った。
うわぁ……。散らかった部屋。
くしゃみが出そう。
大きな石を咥えたまま、テーブルに飛び乗る。
石を置くと、ゴトリと音がした。
「……よく見つけてきたね。そんな石」
『受け取ってくれる? 私、人になりたいの』
お婆さんは、しわしわの顔に手を添えて、何かを考えている。
「あんたの想い人……」
彼女は小さく息を吐くと、柔らかく笑った。
「……いや、自分で納得できるまで探してみな。
もし、やっぱり猫に戻りたいって思ったら、またここへおいで」
『探す? 彼の家は、知ってるんだけど……』
お婆さんは小さく頷いた。何か知ってそうだけど……。
まぁ、いいや。
『私を人間にして』
「いいだろう」
魔女のお婆さんは指先を軽く振った。
ふわっと、何かに包まれたような感覚。
次の瞬間――世界が、膜を一枚挟んだみたいに遠くなった。
私は自分の体を見下ろす。
テーブルに腰掛けたままの、淡い色のワンピースを纏った、女の子の体。足先は茶色の革のブーツをきちんと履いている。
テーブルから降りて、くるりと回る。
長い髪の毛が、背に触れた。少し癖のある胡桃色の髪。
思わず頬が緩む。
「ありがとう! お婆さん!」
お婆さんもにっこりと笑ってくれた。
「私……かわいい? 彼、わかってくれるかな」
お婆さんは笑んだまま、頷く。
「ありがとう! お婆さん! じゃあね!」
踵を返して、家を出ようとしたら、腕を掴まれる。
振り返ってお婆さんを見ると、少し困ったような顔をしていた。
「お前さん。
人間としてしばらく過ごすなら、寝る場所や食べ物が必要だ。困ったら、この近くの食堂を訪ねてみな。お前のような名前もないような奴も雇ってくれるし、部屋も与えてくれるだろう。
――そこへお行き」
そこまで必要かな?
「……わかった。ありがとう」
「幸せにおなり」
「うん!」
私は、魔女のお婆さんの家を飛び出した。
どこへ行くべきかは、もう分かってる。
彼のところへ。
私は、迷わず走り出した。
――でも、すぐにお婆さんの言う意味が分かった。
彼が住んでいた大きなお屋敷。
きれいだった庭は荒れて、もう人の気配のない建物。
その門には――“売家”の札。
「……嘘」
私は、そこに立ち尽くした。
仕方なく、お婆さんの言っていた食堂に行ってみた。
あれよあれよと食堂の店員として雇われて、部屋も与えてくれた。食事も三食付き。
もしかして、食堂の女将さんも、元人外だったりして……?
なんてね。
とにかく私は、街で暮らし、彼を探すことにした。
休憩時間、休みの日、仕事が終わった後。
私は街を歩いて探した。
この街で、彼の匂いはする。
でも、人間になったからか、前ほど鼻がきかない。
探しても、探しても、
――彼は見つからなかった。
そんなある日の夜。
石畳を歩いていると、ふと、彼の香りが強くなった気がした。街角へ駆けていく。
でも、人の姿はない。
ため息が溢れる。
視線を下げた、その先。
道の端に、
――犬?
近寄ってみると、脚を怪我してぐったりしている黒い毛並みの犬。
犬には昔追いかけられたことがあるから苦手。
――でも、脚が痛そう……。
馬車か何かに轢かれたのかな。
……どうしよう。
いや。
私は今は人の子。猫じゃないもの。きっと追いかけられたりしない……多分。
連れて帰ろう。
このままにしておいたら、この子……きっと死んじゃうもの。
犬を抱き上げる。
重っ……!
思ってたより大きい……。
もう諦めたい気がしてきた……。
いやいや、頑張れ! 私!
なんとか部屋に連れ帰り、取りあえず床に毛布を敷いてその上に犬を置いた。
黒毛の子は、眉を下げるような表情をして、私を見つめている。
――すごく情けない顔してる……。
よっぽど痛いのね。
しゃがみ込んで、目をのぞき込む。
艶々の黒い短毛の男の子の犬。
真っ黒な瞳には、部屋のオイルランプの明かりが差し込んでキラキラしていた。
「いーい?
私を噛んだり追いかけ回したりしたら、すぐ追い出すからね。でも、それをしないなら、ちゃんと面倒を見てあげる」
食堂の女将さんから、救急箱を借りてきた。犬を拾ったと言ったら、ものすごく呆れた顔をしてたけど、ゆでた鶏肉をいくらか分けてくれた。
いい人。女将さん、好き。
犬は手当てをしている間も大人しくしていた。
――この子……やっぱり、彼に似た匂いがする。
彼に飼われていた子なのかな。
こうして、犬との共同生活が始まった。
朝、仕事に出かけようとすると、犬は「くぅん」と情けない声を出す。
まだ脚が痛くてあまり動けないみたい。
なんとも情けない顔で見上げてくる。
――うぅ……。かわいい。仕事行きたくない。
「休憩時間になったら、戻ってくるからね! 待っててね!」
後ろ髪を引かれる思いで部屋を出た。
食堂はこの建物の一階。だから階段を駆け上れば数十秒で戻ってこれる。
私は小さくため息をつくと、駆け足で食堂に向かった。
私が戻ってくると、犬は顔を上げ、しっぽをブンブンと振って待っていた。
駆け寄り、抱き締める。
「くぅ! かわいいやつめ!」
犬が苦手? 誰がそんな事を言った?
「あぁ、かわいいかわいい」
水を取り替え、女将さんがくれたゆで鶏を与える。すごい早さで食べる。
食べ終えたら、傷の手当て。包帯を外して、傷を見る。初めの頃より、だいぶ良くなってる。良かった。
「犬くん。聞いてくれる? 私ね、実は猫なんだ」
犬はきょとんと私の顔を見上げる。
「だから、犬は苦手だったの。でも君のことは大好き」
頭を撫でてやると、気持ちよさそうに目を細めていた。
「前ね、あるお屋敷の庭の木に登ったの。
でも、降りられなくなっちゃって……。
それで助けてってたくさん鳴いたの。
そうしたら、背の高い若い男の人が見に来てくれたの」
犬はぴくりと耳を震わせた。
――目を閉じるだけで思い出せる。
「猫? もしかして、降りられないの?」
黒髪の青年は、樹上を見上げてそう言った。胡桃色の毛並みの猫は、ただ鳴くだけ。
青年は頭の後ろに手を当て、眉を下げた。
背の高い彼。細く見えるが、まくった袖口からは、鍛え上げられた腕が覗いている。
「弱ったな……。木登りは苦手なんだよな」
猫をしばらく見上げ、やがて意を決したように青年は木に足をかけた。
「お、いけるいける!」
苦手と言う割にはするすると木を登り、猫の近くへ。そして大きな手を伸ばす。
「おいで!」
差し出された手。
助けては欲しいが、人間に捕まえられるのは怖い。
猫は鳴くだけで、近づいては行かない。
「大丈夫だよ! ほら!」
ぐいと手を寄せられ、猫は毛を逆立てた。
『怖い! やだ! あっち行ってほしい!』
「まったくもう!」
青年は勢いをつけて身を乗り出すと、猫の首根っこを思い切り掴んで引き寄せた。
『力強すぎ! 怖いんだってば!』
そうして、無理やり胸のなかに閉じ込められる。
「あっはは! 暴れるなって。助けてあげるから」
力強い筋肉質な胸板。
初めて嗅ぐ男の人の匂い。
猫は暴れるのをやめて、彼の顔を見上げた。
黒い瞳が、柔らかく細められる。
陽の光が差し込んで、潤んでいるみたいにキラキラしていた。
青年は猫を抱いたまま、木から飛び降りる。そしてそのまま座り込んだ。
「猫って小さいな。……かわいい」
頭を撫で、顎をくすぐる。
猫が小さく鳴くと、青年は笑った。
「もうあまり高いところに行っちゃ駄目だよ。
次は、俺が助けてあげられるかは分からないんだから」
青年は最後にぎゅっと猫を抱きしめ、地面にそっとおろした。
青年が立ち上がると、猫はその足に背をこすりつける。
「……猫は飼ってあげられないんだ。ごめんな」
彼は、向こうに歩き去っていった。
大きな邸宅のある方向。
猫は、その背中を見つめた。
やがて、猫も背を向けて庭を去る。
「彼に……会いたいな」
私がそうつぶやくと、犬は私の手に頭を擦り付けてくる。求められるまま、頭を撫でてやった。
「彼に会いたくて、人間になったのに……」
犬が小さく鳴く。
「……慰めてくれるの? ありがとう」
壁の時計を見上げた。
「あ、もう、戻らなくちゃ」
慌てて立ち上がる。
「仕事に戻るね! 犬くん! いい子にしてるんだよ!」
犬が潤んだ瞳で見つめてくるけど、それを振り切って部屋を出た。
――やっぱり彼に会いたい!
仕事が終わったら、またあのお屋敷を見に行ってみよう……。
仕事終わり、私は石畳を歩いた。
街の中でもひときわ大きな邸宅。
その門には、何度見ても“売家”の札。
「どこに行っちゃったんだろう……」
たまたま通りを歩いていた夫婦が、ちらと私を見る。目が合って、なんとなく会釈をした。
「ここの家の人のことかい?」
「え? ……はい」
夫婦は目を見合わせる。
「お嬢様がご結婚されてね。
ここはそもそもお嬢様のために造られた邸宅だったようだから、ご当主はここを手放して領地内の別荘地に移られたそうだよ」
「街の人にも良くしてくださってたお貴族様だったからねぇ。
少し寂しいわよねぇ」
――お嬢様?
「ご令息……ではなくて?」
「いやいや。長男のご令息は王都に住んでいるはずだよ。ここにはほとんど来ないんじゃないかな。
わしらも見たことない」
「えぇ、そうね。なんでも宮廷でお仕事されている方だとか。
分家の伯爵家のお坊ちゃんは、この近くにいらっしゃるけど……。
ここに住んでらしたのは末のお嬢様と、ご当主様と奥様の三人だけだったはずよ」
――どういうこと? じゃあ、彼は?
「そうだったんですね……。
教えてくださってありがとうございます」
――彼は、使用人だったのかな……。
あの人は……この家の人じゃなかったんだ。
少なくとも、もうその貴族の一家はここにはいない。ご当主様について行っちゃったのかな……。
ため息をつく。
もう、どうしたらいいのか、分からないよ。
“別荘地”がどこにあるのかも分からない。
森の向こうには王族の住む王都もあるし、別の道をいけば他の貴族が治める街もある。
――猫に戻って探しに行く?
ここより、たくさん人もいるし、情報だけでも手に入るかも?
一人で森を越えて移動するのは大変。
森の狼は怖いし、山の方は盗賊も出る。
……きっと、森に入った途端に狼に噛まれておしまいだよ……。
石畳を歩く。少し遠くまで、今日は歩いてみる。
あ、食堂のミートボールの匂い。
顔を上げると、品のいい顔の青年とすれ違う。
――すごく整った顔をしてる。
歩き方もきれいだし。庶民の人じゃなさそう……。
「リオ!」
甘い女の子の声。呼ばれた青年が手を挙げた。
私も、好奇心に負けて振り返る。
小さなお家。
その門のところで大きく手を振っている女の子がいた。
――うわぁ、あの娘もきれい。
あの娘の髪……真っ白だ。
人間で、あそこまで真っ白な髪の人ってあまりいない。
――もしかして彼女、元人外かな?
青年が門を開けて中に入ると、白髪の少女が抱きつこうと腕を伸ばす。
だが、青年にするりと避けられていた。
「リオ! 抱っこしてくれ」
「嫌だ」
だけど、彼は笑ってる。
すごく優しい顔。
見つめ合って、楽しそうに笑い合ってる。
――あの二人、好き同士なんじゃないかな……。
人外の彼女と、人間の青年。
――いいな。
あの娘、願いが叶ったんだ……。
羨ましいな……。
私も、ああやって、彼と笑い合いたいな……。
喉の奥がぐっと締まって、視界が滲む。
会いたい。
彼に会いたいよ……。
――こんなに近くにいる気がするのに。
ねぇ、君は今、どこにいるの……?
部屋に戻ると、犬がびっこを引きながら寄ってきた。しゃがんで、そっと抱きしめる。
温かい。
「まだ無理しちゃだめだよ。せっかく治ってきたのに、また痛めちゃうからね」
犬が私の頬を舐めた。泣いたことが、バレてるのかな。
「あはは。やめてやめて」
犬の瞳。
真っ黒でいつも少し潤んでるみたいにキラキラしてる。
彼の瞳にそっくり。
また、ぐっと喉の奥が締まる。涙が目に溜まって、溢れてしまった。
「私……猫に戻っちゃおうかな……」
犬が眉を下げたみたいに情けない顔をする。
「……ちょっと、疲れちゃった。だって、全然会えないんだもん……」
鼻をすする。
頭の奥がずんと重くなった。
「あの娘の願いは叶ったのに、私の願いは叶わないの……」
羨ましくて、羨ましくて……。
「彼に会いたいよ……」
目を瞑ると、涙がいくつも落ちていった。
犬は悲しそうに鳴いた。黒い瞳が床を見つめる。
やがて、犬は扉に向かって、前足で扉を撫でるような仕草をした。
「……外に出たいの?」
扉を開けてやる。犬はゆっくりと外に出た。
「……帰るの?」
毛並みのきれいな犬だもの。
この子には、本当の飼い主がいるのかもしれない。
犬は振り返り、また小さく鳴いた。
「君も……私から離れていっちゃうんだ……」
犬は背を向けた。
びっこを引きながら歩き、やがて駆け出す。
「待っ……」
口を押さえる。
本当の飼い主がいるなら、「待って」なんて言っちゃいけない。飼い主はきっと、悲しい思いをしてるから。
――でも。
でも、さみしいよ。
「……待ってよ。行かないでよ……」
震えた声はもう、犬には届かない。
私の「会いたい」も「待って」も、きっと、誰にも届かないんだ。
部屋に入り、扉を閉めた。
膝を抱えて、私は泣いた。
次の日は、雨だった。
食堂はお休みの日。
いつもなら朝から街を探し回るけど、今日はそんな気分にはなれなかった。
窓を雨が打っている。
それをベッドに寝っ転がったまま、ぼんやりと眺めていた。
扉を叩く音。
――……女将さんかな?
ゆっくりと起き上がり、ベッドを降りる。手ぐしで簡単に髪を整えて、扉を開けた。
そして、思わず肩が震えた。
息を呑み、瞬きをする。
「……え?」
「……やぁ」
そこにいたのは、私が恋したあの青年。
背が高くて、細いけど、筋肉質な彼。
雨に濡れた黒髪が、艶々としている。
呆然と見つめていると、彼は黒い瞳をそっと細めた。
「俺の話、聞いてくれるかな」
私が頷くと、彼も小さく頷く。
「昔ね、ご主人様のお嬢さんと一緒に遊びたくて、一度人間になったんだ。
恋ではなかったと思うけど、人間になった方がたくさん遊べて喜んでくれるかな……って」
――“人間になった”?
頭が働かない。つまり……どういうこと?
「彼女はね、今は幸せな結婚をしたよ。好きな人と結婚できたみたい」
青年が柔らかく笑う。
状況は理解できないのに、その笑顔につい、胸がキュッと締め付けられる。
「でも、人間のままでは、結婚してしまった彼女の友達ではいられない。それで……もういいかなって、俺は犬に戻った」
「……犬って言った?」
「そう。犬だよ。
だけど俺、途中で怪我をしちゃってね。
――そんな時に君に拾われた」
あの、短毛の犬が……彼?
「……手当てしてくれてありがとう」
首を振る。
――じゃあ……ずっと、そばにいたの?
「……俺がこの姿でいたら、君も人のままでいてくれる?」
「え?」
「人間同士なら、俺たち……その……」
彼が、まっすぐに私を見る。
その瞳の奥が柔らかくほどけていく。
「……恋人になれるのかなって」
喉の奥が締まって、顔が熱くなる。
――……まったくもう!!
思い切り、抱きついた。
当たり前のように、彼は私を受け止めてくれる。
「……なんでもっと早く言わないの!」
「……犬だから話せなくて。
足も痛めてたから、魔女婆のところにも行けないし」
彼が、「あはは」って軽やかに笑う。
その声。
その笑い方。この香り。力強い腕。
――もう……大好き!
飛び跳ねて背の高い彼の首に腕を回す。
「いたたっ!」
「あ……そうか。足痛いのか……。ごめん」
彼がまた笑う。
「ねぇ……名前を教えて」
「犬」
「嘘でしょ」
「犬か番犬って呼ばれてた。……君は?」
「……名前なんてない」
青年は、目を細めて楽しそうに笑った。
「じゃあ、俺が君の名前を考える。君は俺の名前を考えて」
「うん」
「それから……その……えっと……」
視線が絡む。
互いに、ふっと笑い合う。
「私、君とキスがしたいの」
「そう、俺も君とキスがしたい」
彼が腰を屈めて、触れるだけの優しいキスをする。
「……俺の、恋人になって」
「……うん」
彼に抱きついて、また彼は「痛い」と言って笑っていた。
――ねぇ、私、願いが叶ったみたい。




