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誓い

 ほんの少し休んだあとは明け方から慌ただしかった。

 伯爵は僕らに危害を加えたということで滅魔会を取り締まったがすでに多くが逃げていた。

 残っていたのは滅魔会でも走れない老人や女性だけだった。


 彼らを一応捕まえて話を聞いたがそもそも僕を捕まえたことすら知らないような人たちだった。

 残った滅魔会の人たちはそのまま解放した。


 とにかく僕らは滅魔会への手配書を出すしかなった。

 スッキリしなかったがそれで話を終わらせるしかない。


 「これではまた危険があるかもしれないな…。」


 僕も不安だった。


 「お父様、また剣術を習いたいです。」


 ニーナだけは暗い顔をしていなかった。


 「…そうだな。」


 ニーナの言葉に伯爵は頷いた。


 「…励むように。」


 「はい!」


 どうやらニーナは僕を守ってくれるらしい。

 恥ずかしいという気持ちと嬉しいという気持ちがまぜこぜになった。


 「とりあえず警備も強化しておくが用心しなさい。」


 伯爵はそれだけ言って僕らを部屋に下がらせた。

 僕らは並んで部屋に帰る。

 このままどうしようかと思った。


 「あ、あの、僕の部屋に来る…?」


 「…うん。」


 ニーナはそのまま僕の部屋に一緒に入ってきた。


 「ノア、無事でよかった。」


 「ニーナも。」


 ベットに並んで腰掛けた。

 何か話したかったのにそのまま倒れ込んだ。


 「ふふ」


 目を合わせるとニーナが小さく笑った。

 あれだけかっこよかったニーナが女の子みたいになった。


 僕らは手を繋いでいたが気がついたらそのまま眠っていた。

 少し休んだとはいえ疲れ切っていた。


 目覚めた時、ニーナはもう隣にいなかった。

 身体中がベタベタしている。


 使用人に風呂の用意ができていると言われたので風呂に入った。

 僕も結構あちこち怪我をしているようで身体に染みた。

 昨日のニーナを思い出して僕はお湯に沈み込む。


 部屋に戻るとニーナがいた。

 なんだかいきなり僕は緊張した。


 「お父様が今日は一日何もしなくていいって。」


 ニーナはいつも僕らが話していた椅子に腰掛けていた。

 僕もその前に座った。


 僕はニーナへの告白を唐突に思い出していた。

 いろいろと起こり過ぎてもう訳がわからなかった。

 昨日僕を助けてくれたニーナも思い出して気持ちが溢れ出そうだった。


 「ノア、大丈夫?」


 そう言われて、ニーナを見つめた。

 ニーナも風呂に入ったのだろう。

 少し髪が濡れていた。


 ニーナも雰囲気が違うことに気づいたのだろうか。

 頬を少し赤く染めた。

 抱きしめたいと思ったが緊張して動けない。


 「あの、ノアこれ。」


 ニーナが部屋着のポケットから緑色の仮面を取り出した。

 昨日襲われた時に落としたのだろう。

 土に汚れて少し割れていた。


 「…昨日は助けてくれてありがとう。」


 僕は自分が情けなかった。

 子どもの頃のようにまたニーナに助けられてしまった。

 昨日は嬉しかったがよく考えれば恥ずかしい。


 「ノアが無事でよかった。」


 昨日も同じことを言われた気がする。

 ニーナはホッとした顔をしていた。

 側頭部にはガーゼが当てられている。

 ニーナに怪我をさせてしまったことを悔やんだ。


 「…ごめんね。

  僕が黒髪にしていたせいで…。」


 僕は自分が恥ずかしくなった。

 ニーナは困った顔をしていた。


 「気にしなくていいよ。」


 ニーナは僕を励ますように言った。


 「ニーナを守れなくてごめん。」


 ニーナが困っている。


 「ノア…」


 ニーナが僕の手をそっと握った。


 「私に一生守らせて。」


 ニーナの目が輝いてた。


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