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とある女の劣等感を埋める方法  作者: 凜架 りすみ


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第五話 李仁ねーさん

「李仁、ねーさん。ねーさんだよね!?僕だよ!嵐神白玖だよ!ねーさんの2つ下の義弟!」

 整えられた短い綺麗な綺麗な白い髪、薄い黄色の瞳は爛々と輝き、勇気と優しさに溢れている。

「…」

 対する李仁はと言うと、全ての感情を抜け落としたように能面だった。

「や、やぁ、白玖。元気そうで何よりだよ」

 いつもならうざ絡みするだろうにと琳は思っていた。だって、おかしい。感動の再会のシーンのはずだろう。死んだと思った弟が生きてただなんて。これ以上ない美談だ。

「あ!君は誰!?」

 悪気はないんだろうが、ズカズカ来る人。世界一苦手なタイプだと琳は思う。

「琳だ。琳。オレが拾った子だよ」

 そーなんだ!ねーさんが!と騒がしい。

「なんだこいつ。李仁。すまん、口に出てしまった。が、なんだこいつ。誰だ?」

 当たり前の疑問である。

「僕は嵐神白玖!年齢は16歳!ねーさんの2つ下で、ねーさんに崖から突き落とされてたけど、生きてたんだ!あ!大丈夫、分かってるよ!ねーさんは誰かにそーしろって言われたんだよね!ね!?」


_明るい太陽みたいな人。自分の信じたいことしか信じない史上最悪の善意でできた人間。オレは?オレはどうなんだ?


「っ…違うんだ…!オレがオレの意思で突き落としたんだよ、お前を!!憎たらしくて仕方がないお前を!!!」

 琳もいるのに。最悪な罪を告白してしまった。やってしまったと顔が青白く染まる。

「…うっ」

 白が泣き出した。突然。


(やっぱり、実の姉ではないとは言っても誰かに悪意を持って突き落とされた事実は明るく明るい世界しか知らない太陽には暗すぎたのか…)


 ガシッと泣いたまま手を掴まれた。

「可哀想に…!誰かに脅されたんだね!?そうやって言えと!なんて…!なんて極悪非道なんだ!!」

 話が通じん。本当に人間か、こいつと現実逃避。琳は黙ったままだ。それが怖かった。()()見捨てられるのではと。

「…」

 無言を貫く琳と

「大丈夫!もう怖くないよ!僕がいるからね!虫は苦手だけど…強いし!なんて言ったって、僕の色通力は白だから!」 

 白。そーなのだ、白なのだ。白だから憎くてたまらない。黒にはない物を持っている白が。 

ちらりと琳を見る。また見捨てられたりしないだろうかと、こいつならオレを見捨てないだろうと、不安と期待をこめて見る。

「…まぁ、そーだろうな。知ってた」  

 予想の斜め上を行く発想だった

「は…?」

 琳はあっさりしたものであった。割り切れるのが得意だからだろうか。

「李仁の本気のは…?なんて珍しいもん見たな」

 けらけらと笑ってる。

「本人は気にしてねぇし。いいんじゃねぇの?なァ、李仁」

 悪い顔。極上に悪い顔でニヒルに笑った。李仁がそうしたように。

「は、ははははは!そうだな!いいか!生きてたんだし!」

 人一人、殺そうとしてその倫理観は狂っているとしか思えない。が、李仁はこう言う人間だった。

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