第六話 むかしむかーしの話
_幼い頃はとても愛されていたと思う。
一人娘だったし、何より、色通力が黒と、他の色と違ったから。
天才だとか、神の子なんだとか、祭り上げられてた。
オレは悪い気はしなかった。
だって。だって、それだけ見てもらえたから。普通なら人間として扱ってほしいとか言うかもだが、見てくれるんだ。オレを、オレだけを。それだけで十分だったのに…
「今日から新しく家族になった白玖だ。仲良くしろよ?」
冗談めかしながら笑って、父はそう言った。
「白玖です!よろしくお願いします!お義父様には、母さんが亡くなって拾ってもらいました!」
明るく笑って礼儀も何もないお辞儀をする。
_お義父様?オレの大事な大事な愛してる父親を?今日あったばかりのやつが?
「よろしくね」
_それだけが、精一杯だった。
日常が変わる。
黒を祀ってた人は次第に白を祀り。
黒を拝んでた人は次第に白を拝み。
黒を妬んでた人は次第に黒は白に勝てないと同情し
李仁は白玖で塗りつぶされた。
「なんで……なんで…!!!!」
_父さんが褒めなくなった。オレを
【なんであいつだけ】
_母さんが白玖のためにってよく服を作るようになった
「オレは!」
_皆が見てくれない。オレを。認めてくれない。
【もっとすごいのに】
_本当に?
「……はは。ははははは!!」
そうだよ、簡単な話だ。殺せばいい、白玖を。黒で塗りつぶしてやればいい。白を。
「白玖、ちょっといいかい?」
_地獄の蓋が開いた音がした。




