第十話 姉弟喧嘩の幕開けだ
建物も人も血も全て白に染まっていく。
「うっそだろ!!?ここまでかよ!?桁違いの化け物め!」
黒で相殺しようとしているが、 白の方が圧倒的に強く、一人では勝てない。
「壊れろ!壊れろ!僕を嫌うねーさんなんて壊れてしまえ!!」
白を使って暴れ狂う。
_その時、渦を巻いて全てを巻き込むがごとく白くなったものたちが一塊になり、翼が生えた。
「オォォォォォォォォ」
それは真っ白で綺麗な鳥だった。神様のように綺麗で一直線に白玖のもとへと向かう。
「え?嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!やめてぇ!!!」
その白い鳥のような化け物に飲み込まれていく。ゆっくりと侵食するように、咀嚼するように。
「チッ、誰かのせいで死ぬんじゃねぇよ!オレのせいで死ねってんだ!」
近付いて鳥に触れる。一瞬だけ、本当に一瞬だけしか触れられなかったがそれで十分。
「色染めー!!!」
腹の底から思い切り声を出して叫ぶ。
「ヴギャァァァァァァァァ!!!!!」
つんざくような悲鳴を上げ、なりふり構わず何かを払うように暴れ出す。ガシャンガシャンと周りが壊れていく。崩れていく。
鳥のような化け物の端っこから徐々に徐々に黒に染まっていくが、これを待つより街が全壊するほうが早い。
(どうする!?てか、琳はどこ行きやがった!!)
あたりを見回すと遠くから走ってきた琳が手を振っている。
「李仁!無事か!?一般人誘導してきた!有能だろう!褒めろ!」
一般人たちを安全な場所へ誘導した琳が戻ってきた。
「よくやった!ついでに助けろ!オレだけじゃ無理だ!」
本当に初めて琳を見て、助けてくれと言った瞬間だった。
「っ〜!おう!」
頼ってくれたと喜びのあまりガッツポーズする。
「なぁにガッツポーズしてんだ!さっさと助けろ!こちとら腹減ってんだよ!驚きのあまり忘れてたけど!」
白の中で藻掻く白玖そっちのけで地団駄を踏む李仁とそれを呆れた目で見る琳。
「分かってるよ!さっさと終わらすぞ!李仁!」
ニヒルに笑ってパンッと手のひらに拳を合わせる
「勿論だよ、琳!」
琳と同じくニヒルな笑いを浮かべ応える。
「黒操術!応用で!拳銃!」
狼ではなく、ピストルを作る。徐々に徐々に作り上げられていく銃身。弾は墨汁ビームで代用するとしよう。
「さ、始まりと行こうか!」




