決勝トーナメント 2
最近序盤と比べてグダグダな感じで(だいたい戦闘描写のせい)感想が書かれました!って通知を見ると酷評されてないか?ってビクビクしながら開いてます。
優しい方ばかりなので開いたあとは嬉しいんですけどね。
魔銀を作った時に購入した錬金術セットを使ってバジリスクの素材を加工しながらモニターを見る。
参加者三十二人中二十人以上が物理系のキャラクターだった。
残り十人ほどは、魔法キャラと、暗殺者みたいな人達だった。
そして、十六人まで篩にかけられた生き残りは、剣や槍、斧を持った近距離ファイターが十名、弓などの遠距離手段を主としつつも、最低限露払いとして近接戦闘ができる物理キャラが二名、純魔が二名。残り一名はほとんどのバグな人だった。
そのバグな人の種族は機人族と呼ばれるメカニカルな種族だった。
機人族は不遇すぎる種族だ。
まず、ロボ娘的なジャンルでは自律人形という種族がある。
そのため、性能がダメでも愛でって考える人はオートマトンを使う。
機人族の種族特性は、機械感応と呼ばれるもので、魔法系のスキルが一切使えない代わりに機械を魔法のように使えるというものだった。
しかし、FOEの世界に機械はなかった。
ファンタジー世界に機人族のような種族がいる場合、テンプレとしてロストテクノロジー的な古代都市は必須だろう。
それが無かったのだ。
機人族は機械感応以外のステータスはほとんどヒューマンと同じ為、魔法が使えないだけの劣化ヒューマンとして不遇であった。
しかし、決勝トーナメント一回戦を突破した機人族は銃を持っていた。
てっぽう、ガン、ピストル。
多分機械である。
電気を使ってはいないが、少なくともFOEの世界には存在しなかったアイテムだ。
入手手段は知らないが、一丁の自動拳銃を持ち、リロードすらせずに敵の頭を執拗に狙っていたのである。
あとは、右手に拳銃を持っていて、左に何も持っていないと思ったら左腕が変形して剣になったりもしていた。
一人だけ世界観が違う人であった。
実況や観客も大盛り上がりだったので、客受けはかなりよかったのだろうと思う。
正直、あの人のせいでほかのプレイヤーの戦闘スタイルが大まかにしか分からない。
驚きが大きすぎて詳しく戦闘を見る暇がなかったのだ。
出来れば機人族はほかの人に倒されてほしいな。
そう思って対戦表が公開されるのを待った。
だって相性が悪すぎるもん。
弓を使う人とも相性は悪いけど、銃はそれより苦手だと思う。
予備動作が見えないし、弾速は速い。
妖精魔銀の防御が間に合わないし、遠距離攻撃だから移動停止のデバフがかかっても攻撃されるしね。
最悪決勝で当たるのなら切り札をすべて切って戦えるけど、そうでないと後半戦での情報アドバンテージがなくなってしまう。
そして、公開された対戦表を見て安心し、機人族の対戦相手を見て落胆する。
この人じゃ機人族を倒せなさそうだな……と。
◇
第二回戦は一回戦と同じような勝利となった。
そして、予想通り機人族は生きている。
八人まで減った参加者は、誰も彼もが強者だろう。
開始前に思い出したマジックロストアバターの二人、勇者様、弓使いの四人は当たり前のようにいるし、二人しかいなかった純魔も生き残っている。
それに加えて機人族とウチで八人だ。
さて、対戦表はどうなっているかな?
《††》vs《固定砲台》
《†x†》vs 《マキナ》
《卍魔王卍》vs 《ルフレ》
《弓使い》vs 《アルフレッド》
対戦表を見て思う。
ウチの対戦カードだけなんかしょぼくない?
他のカードは全部有名人が入っている。
卍の魔王様なんて初めて見る名前だし――乱戦を勝ち抜いて決勝トーナメントでも勝ってるから強いとは思うけど――黒華、もとい《ルフレ》なんて掲示板には多分一回も名前が出てないと思う。
もし全試合同時で行われたら観客席にはZ級映画の会場くらいの人数しか来ないだろうなって思うほどだ。
考え方を変えれば有名強者ではない人と当たってラッキーなんだけどね。
それじゃあ試合は三番目だし観戦させてもらおうか。
◇
最初に行われるのは二刀流の剣士ととてもゴテゴテしたローブに身長の1.5倍ほどはありそうな巨大な木の杖を持ったいかにもといった感じの魔法使いの試合だ。
『第一回タイマン最強決定戦、ベストフォーをかけた第一試合はこの二人! 圧倒的な戦闘センスで対戦相手を切り刻む《††》! そして、名は体を表すとばかりに動かない不動の魔法使い《固定砲台》! 果たしてどちらが勝つのか? それは今から分かる! カウントダウン開始!』
…………一、零。
カウント零と共に双剣士が駆ける。
彼は遠距離攻撃手段を持たないために開始位置である十メートルほどの距離を詰めなければいけないのだ。
逆に、魔法使いは詠唱時間の非常に短い初期魔法を乱射する。
ベータテスト時代のままならば《††》は初期魔法のカス当たりでも大ダメージだ。
しかし、双剣士は決して後には下がらず弾幕の隙間を縫って確実に近づいていく。
残り五メートルとなった時、魔法使いがリズムを変えた。
初期魔法の詠唱短め威力も低め、弾速はそこそこの魔法に、詠唱ちょっと短め威力は低め、弾速は高速の魔法を組み込んだのだ。
弾幕の厚みは落ちるが、回避が難しくなった双剣士はやむなく後に下がる。
流石に魔法防御力がないとはいえ、体力は多い。
初期魔法の一発や二発ほどは受けられるだろうが、強引に突破しようとしたら二桁単位の追撃をもらうだろう。
そのため距離を詰めたり離したりしながら弾速に慣れていくつもりなのだ。
五メートルまで縮まっていた距離が六メートルとなり、七メートルとなった時、双剣士がギアを上げて距離を詰め直す。
速度に慣れたのだろう。
しかし、それと同時に魔法使いは新しい魔法を使用していた。
詠唱ちょっと長め、持続あり、範囲攻撃。
横幅一メートル強の壁が次々と生み出されていく。
それは双剣士の視界を塞ぎ、逃げ道を塞ぐものだった。
壁の対処に手間どれば新たな壁が次々と生えていく。
これがタイマンに強い魔法使いの強さ。
相手に行動を強制させ、作った時間で強力な魔法を放つ。
その対処に時間が取られているところにさらに強力なものをと流れに乗った彼らは生半可な手じゃ止められない。
双剣士はこのままだとジリ貧だと判断したのか強引に、最短距離で突っ込むことにしたようだった。
基本アーツである«ステップ»は双剣士も所持しているようだった。
範囲魔法の効果範囲内に入る直前に«ステップ»を使用した双剣士は、その無敵時間をもってノーダメージで範囲魔法をひとつ突破した。
しかし、«ステップ»は直線の動き。
魔法使いはすぐさま反応し、その軌道に速度重視の魔法を置くように使用する。
その魔法は直撃すると思われたが、魔法と双剣士が重なった瞬間、双剣士の体の中心あたりが一瞬光り、それと同時に展開されていたすべての魔法が消失した。
ざわざわとしていた観客席すらも一瞬で静まり返り、設置されていた範囲魔法が無くなり、双剣士が自由に動けるようになったフィールドで最後の距離を詰める。
すべての魔法を消された魔法使いは唖然としていて、双剣士が剣を振りかぶったのにも気がつかず体力を全損させた。
…………なんだろう。あの魔法をすべて消したものは。
カウンター系統のアーツ?
それならば最初から狙って言っても良かったはず。
使用条件が厳しいとかか?
しかしどんな条件なんだろう。
戦闘開始から何分みたいな条件のものは今まで確認されていないし、ターゲットの概念が曖昧なFOEで魔法を躱した回数やら撃たれた回数っていうのは条件として成り立たない。
あと何回か見ればわかるかもしれないけどトーナメントの生き残りで魔法を使うのは卍の魔王様とウチの二人だけだ。
つまり、アレを見ることがあるとすれば、卍の魔王様が勝ち進み、《††》と戦った時か、対戦相手として《††》に使われる時かの二択だ。
魔法キャラの天敵級のアーツのようなものを殆ど情報なしで攻略しないといけないのはきついな。
出来れば決勝進出を決める試合で他の誰かに負けてほしい。
さて、気を取り直して次の試合が始まる。
《††》と同じ種族の《†x†》と機人族の《マキナ》の試合だ。
《†x†》は十字の大盾を持っているから《マキナ》の銃の攻撃もなんとか出来ると思う。
どっちが勝つかは全くわからないが、お互いに手札はできるだけ公開してほしいところだ。
種族専用スキルを持っているのは妖精だけではないのさ!
機人族とマジックロストアバターのスキルのようなものが出てぎした。
機械がない世界の機人族は辛そうですね。
ヒント;本当に機械はないの?




