廃鉱山のボス戦
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トーナメント前日。
今日は妖精魔銀の慣らしついでに廃鉱山のボスを倒そうと思う。
本当はもっと時間があったら魔銀を強化するために三番目の街のエリアのボスを目指そうと思っていたのだが、流石に一日では絶対にできない。
廃鉱山にはボスが二体いて、アンデッドのボスが最下層に、バジリスクのボスが最上層にいる。
廃鉱山が廃鉱山となった理由はバジリスクが湧いて出てきたから。という理由なので、メインボスは多分バジリスクだ。
アンデッドは放棄された廃鉱山で勝手に生まれた奴らだしね。
ということで最初はバジリスクの親玉を倒そうと思う。
その為にバジリスクを倒しながらアリの巣よりも複雑な廃鉱山を登っているんだけど、黒華の液体呪炎銀が強いこと強いこと。
かなりの速度で伸縮し、エンカウント直後にバジリスクに突き刺さる。
そして、エンカウント一発目のデバフはレジスト確率が低くなる仕様のため、液体呪炎銀に設定されている複数のデバフが一気に全てかかる。
物理も魔法も火もデバフにも弱くなったバジリスクはブレスを吐く間もなく撃破される。
複数体いる場合でも薙ぎ払うように全てのバジリスクを攻撃し、デバフをかけるのでとても楽に倒せている。
この段階でただの物理(?)攻撃で複数のデバフを与えられるのはとても強い。
しかも物理魔法耐性とレジスト確率低下が入っているのはもはやインチキだ。
決戦兵器クラスと言ってもいいだろう。
やはり黒華はただの【使い魔】ではないなと再認識することになった。
そしてボスエリアへとやってきた。
ここはのボス、《レッサー・バジリスク・クイーン》は一般バジリスクとは比べ物にならないほど強い。
石化の魔眼からビームは出るし、尻尾は太く長く薙ぎ払いを行うことが出来、毒のブレスは据え置きだが炎のブレスを吐くこともある。
ついでとばかりに一定時間が経過すると配下の《レッサー・ロー・バジリスク》を三体になるように呼び出す。
そのためバジリスクの毒に対する対策は必須となっている。
こっちには黒華が作った秘薬ともいえるバジリスク対策のポーションがあるので問題は無い。
ボスエリアに入った直後、魔眼ビームがとんできた。
それを妖精魔銀を操作して防御する。
妖精魔銀は魔法生物ではあるがプレイヤーや【使い魔】のようなステータスを持つ訳では無いためバッドステータスである石化は受けず、魔眼ビームを受け切る。
ビームを放っていたクイーンに黒華の液体呪炎銀が伸び、胸を突き刺す。
ファーストアタックであるためにデバフがかかり、(【呪炎】とは違いモヤのようなものが発生する)一気に戦いやすくなった。
黒華が【呪炎】でさらにクイーンを弱体化しようとした瞬間、取り巻きのバジリスクが召喚される。
それを液体呪炎銀が三条に別れて突き刺し、デバフを与える。
黒華は未だ【呪炎】を使っているままだ。
魔法を使っていても液体呪炎銀は使えるのでやはり強い。
取り巻きたちに耐性が低下している火で攻撃し、三体ともまとめて撃破する。
取り巻きがポップするのは部屋の一番奥なので遠距離攻撃手段があれば簡単に倒すことが可能だ。
その間に何本かの【呪炎】がクイーンに巻き付き、さらに弱体化を施す。
あとは定期的に耐毒ポーションを服用して石化の魔眼を警戒していれば何やかんやで倒すことが出来るだろう。
黒華の【黒炎】がクイーンを焼き、液体呪炎銀が突き刺し、切り裂き、尻尾のなぎ払いを固体化して防ぎ固体化している時に自動的に放出する【黒炎】が尻尾を燃やす。
風と火でクイーンを攻撃し、魔眼のビームは妖精魔銀でせき止めて、尻尾のなぎ払いは体が小さく飛べるのを利用してひょいっと回避する。
本当は固体化している時にハリネズミのようにトゲを発生させる機能を付けたかったのだが、時間が足りずに素材を取りに行くことが出来なかったのでトーナメント後のお楽しみだ。
【シンクロ】の進化によって黒華と視界すら共有できるようになったため新たに召喚されたバジリスクがどちらかの視界に入っていれば黒華の液体呪炎銀が伸び、それを追って魔法を当ててポップ直後に倒し切る。
暫くしてクイーンが崩れ落ち、初回撃破報酬として石化の魔眼を入手した。
武器に使えば石化付与、防具に使えば石化耐性がつくアイテムだ。
といっても一個では使えないけどね。
【調薬】やらで薬にする場合は石化解除のポーションが複数本作れる。
さて、消耗もほとんどなく倒せたし、このまま一番下まで降りてアンデッドを倒すとしようか。
◇
やって来ました最下層。
道中のアンデッドはエリミネイトの効果で即死するか、即死しなくても液体呪炎銀での攻撃と【黒炎】で危なげなく撃破できていた。
黒華の【黒炎】にはMPドレイン的な効果もあるため二人ともMPは満タンである。
さて、廃鉱山のアンデッドボスの説明するとしよう。
こいつには決まった姿というものがない。
最下層には怨念の塊のようなものがあり、それに引き寄せられたり、上層から落ちてきたアンデッドが吸収されることでボスが形成されるからだ。
大雑把に分類分けすることは出来るが、その時々で微妙な差異が生まれるボスである。
そして、今回のボスは――
積み重なった死体、何本も伸びる腕、頂点に置かれた頭蓋。それは――成れの果てと呼ばれる最強形態であった。
成れの果てから怨念の玉が放たれ、黒華がそれを焼く。
一般的な火では焼くことは出来ないが、呪いの力も混じっている【黒炎】は焼くことができるようだった。
お返しとばかりに液体呪炎銀が成れの果てに突き刺さる。
一応デバフがかかったが、ダメージはかなり低そうだ。
あいつは物理耐性も魔法耐性もかなり高かったはずだから。
液体呪炎銀が突き刺さったまま黒華は【黒炎】を使い、成れの果てを内側から燃やす。
これは効いているように見える。
見ていないで戦えって?
ええ、こっちはこっちで部屋中飛び回ってエリミネイトの効果で雑魚アンデッドを倒しておりますとも。
まあ倒せば倒すだけ成れの果てが少しずつ強化されるんだけど、肉壁として利用されるよりは良いので早いうちに倒し尽くしたい。
暫くして部屋の約半分を埋めていたアンデッド達を倒し終わった。
雑魚たちのヘイトはエリミネイトを持っているからか全部こちらへ向かっていたので意外と倒すのは楽だった。
そのぶん成れの果てが一回りほど大きくなってアンデッドの部品を飛ばしてくるようになったけど回避は容易だし、怨念の玉の発射レートや威力が上昇したため相殺してくれる黒華のMPがちょっと辛い程度だ。
まずは成れの果てを小さくすることから始めよう。
◇
やっぱり雑魚アンデッドは残しておいた方が良かったのかもしれない。
黒華は【黒炎】で敵を倒せばMPを回復できるから外付けの魔力タンクのような扱いができたからだ。
今は黒華には攻撃をさせずにマジックポーションを飲みながら防御に専念してもらっているが、ダメージソースが不足しているのだ。
成れの果ては火水風土の四属性に高い耐性を持つ。
【黒炎】がダメージを与えられているのは呪いの力も含んでいるからだろう。
そして、火耐性が下がっているとはいえ元々の耐性が高いため火で攻撃してもなかなかダメージが通らない。
光魔法でも使うことが出来ればいいのだが、【妖精魔法】に吸収した【魔力変質】は【精霊魔法】を変換することが苦手なのか光魔法に変換することが出来ないのだ。
もし、妖精魔銀が魔銀ではなく聖銀であればアンデッドへの攻撃性能を持つことが出来たのだが、聖銀は魔銀とは違い簡単には作ることが出来ないのでいくら頑張っても用意はできなかっただろう。
二十分ほど耐久戦をして成れの果ての体を小さくしていくと、どんどん攻撃の密度が下がっていき、ついに黒華も攻撃に参加できるようになった。
途中でMPが尽きかけて黒華に守ってもらいながらマジックポーションを飲んだが、妖精の性質として効果が数倍になっているため一本でMPを全快できたのがよかった。
普通なら何本も使う必要があるため、回復に時間がかかるが、一本で済むのは長期戦ではかなりの差だ。
黒華が攻撃に参加したことでダメージレートは加速し、すぐに撃破できた。
【精霊魔法】が進化していなかったり四属性しか使えなかったりで相性が悪い敵は辛いな。
一属性魔法使いでも【魔力変質】により弱点をつくことが可能なので羨ましいことこの上ない。
光と闇が欲しいな。妥協して耐性持ちが少ない雷でもいいけど素の威力が低いので好みじゃない。
【精霊魔法】は開拓が殆どされていないスキルなためどんな進化をするのが楽しみだ。
成れの果て――正式な名前は死霊の塊の初回撃破報酬は怨念結晶。呪いの武器を作るのに使うアイテムだ。
他には骨やら腐肉やらが多いが、アンデッドの核なんかも何個か入手していたので悪くは無いだろう。
今日はもう少し時間があるけど残りは【錬金術】――派生進化して【錬生術】となっているが――をすることにしよう。
いろいろ作るものはあるからな。
某王族ゾンビものを読んだんですが、基礎設定がかなり似てますね。
意図せず設定がかぶってしまった……。




