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勇者裁判  作者: ワンワールド
名誉裁判序曲2
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38/49

提出物

 名誉裁判開始まで残り一カ月。

 

 「わははは」

 「わぐ~」小さな男の子と猿轡さるぐつわをした包帯でぐるぐる巻きの犬が遊そぶ。

 「元気があっていいのう」

 「そうですねえ~」老人と老婆が小さな男の子とミイラ犬を暖かな目で見る。こんな日常が流れる集落。小さな小さな集落。この集落唯一の医者の家に勇者と賢者はいた。


 「例の薬のサンプルは取っているだろうな。しっかり」

 「指示通り保管している」と医者は台所がある部屋を出った。


 勇者と賢者は裁判で訴える提出物を獲得する旅に出ていた。


 数分後医者は例の薬を小瓶に蓋をし密閉状態で持って来た。医者は例の薬を勇者に渡した。勇者は受け取ると左手の上に乗せ小瓶を親指と人差し指で軽く弾いた。


 「ぴっん」


 「ありがとな。お前のおかげで魔王を倒せたんだ。今度も力を貸してくれよ」愛玩動物のように勇者は薬に愛着を持って接した。

 

 よっぽど魔王を倒すのに貢献したので、かわいいのだろうな。賢者はくっすと笑った。もののこれは英雄としてどうだろ他人には見せられない。


 「そのへんでやめましょう。小瓶が割れたら困ります」賢者は例の薬を勇者より取り上げた。


 ぱっと取られたので勇者は、

 「おい。雑に扱うな。きっちり保管しろよ。無くしたら許さないぞ」


 「分かってます。充分に分かっています」薬を布が敷しかれた木の小箱に賢者が入れた。


 薬が入るのを見て、よし。まず一つ手に入ったなと勇者は喜び小箱を叩いた。


 「叩かないでください。衝撃で壊れるかもしれませんよと」賢者が勇者を牽制。こんなことで壊れたら自分の責任にされかねないと賢者は危険回避する。勇者は賢者に注意され薬に関わるのをやめ、医者に関わることにした。


 「例の紹介状も書いてくれたか」

 「出来てますよ」と医者はポケットより手紙を勇者に渡した。


 「これが冒険者協会の知り合いの医者の紹介状なんだな」医者は頷き黒縁眼鏡をくいっと右人差し指で縁を上げ言った。


 「言っておきますが、分析のプロではないですよ魔急は。ここよりは真面ましな施設があるだけです。過剰に期待はしないでください」


 勇者と賢者は理解した旨を伝え、冒険者協会に向かった。




 冒険者協会に着くと早速小さな小さな集落の医者の知り合い“魔法医者”緊急対応職員、略して魔急の元へ行った。魔急に紹介状と小瓶を見せると、

 

 「薬の分析?私の専門外だよ。緊急の患者の対応処理は得意だけど、分析は人など見ないで論文を書くような専門の人の所へ行ったらどう。そうだ君たちも知っているじゃないか一人」


 勇者と賢者は顔合わせ考えた。専門家の知り合いを浮かべると、冒険者カウンセラーしか浮かばなかった。数秒待っても勇者たちが答えを出さないので、魔急は自ら答えた。


 「冒険者協会薬学部門主任がいるじゃないか。汚れた水を調べてもらったのでは」勇者と賢者は目を合わせ、居たなそういう人位に思い出す程度だった。しかし、薬を薬学部門主任に持ってくのに躊躇する、二人は戦略について練り返した。


 「このまま言われた通り専門家に持って行きます」

 「待ってくれ。あの主任のことを思い出している所だ」勇者が集中しているので、賢者は魔急に主任の話を聞くことにした。


 「主任は信頼できる人ですか」

 「信頼ねえ~主任がかあ~」


 頭を掻きながら苦い顔で魔急は答えた。


 「専門が違うと会う時間が少なく、詳しいことは知らないが薬学の世界ではすごく有名人だよ。だから分析は信頼に値する人だけど、悪い噂も聞くがね」


 「悪い噂ですか。どういう類の」賢者の表情が曇った。


 「自尊心が高く。人を見下すらしい。かっとしたら暴力を振るうらしい。あと二年前ぐらいに結婚したけど。相手は既婚者で略奪愛の末に主任と結ばれたらしい。その結婚相手が今の薬学部門副主任でまた評判が悪いのなんの。金のために結婚したて言われてる」


 悪い噂がバンバン出るので賢者はダメだ、信頼できない相手と判断した。


 「ろくでもないな。主任には頼めない」と集中したはずの勇者も密かに魔球の話を聞いていた。


 「魔急に分析してもらおうぜ」

 「確かにその方が正解のような気がしますね」二人は改めて魔急に分析を頼んだ。


 返事は帰ってこなかった。魔急は悩む顔を浮かべこう切り出した。


 「すまないが正確な分析をするには設備がいる。ここにはないんだ。あるのは薬学部門だけだ。どっちみち主任に設備を使う許可を頂かないといけない。君たちが調べたい薬は主任にも知られるけど、大丈夫なら動こう。どうする」


 難しい決断に追い込まれ二人は魔急に聞こえない小声で相談した。魔急に背を向けて。


 「王が何をしてくるか分からないが、頼むか。俺は前にしか進まいないが。お前はどうするつもりだ」

 「勇者にその気があるなら薬の分析を頼みましょう」勇者は薬の分析を魔急に頼んだ。


 小瓶が魔急に渡ろうとしら、

 「保険に頂きますよ」と薬の一部を別の試験管に賢者が移した。この行動に勇者は、心配性だが今回は用心にこしたことないと試験管を見ていた。


 「確かに受け取った。主任に薬のことが分かるけど私が責任を持って、裁判までに分析結果と薬を送るから任せなさい」魔急の言葉に安心し二人は次の裁判提出物を獲得しに行った。


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