自由を求めるデモ
訴えを認めさせる計画初日。
「人集めを頼みたい。報酬払うぞ」勇者は宿屋で一人魔法連絡をし、賢者は黒の森の近くの町にある全国に新聞を出している世界新聞社と言う新聞社に行っていた。
デモを開催に対して、人を集める主催者になってくれる人を探した。
「無理。・・ああ・・じゃあな」勇者は魔法連絡を切り、紙に線を引く。知り合いの誰かれ構わずデモ主催者になるよう頼んだ。しかし、デモの主催者と聞くと誰しも一線を引き断られた。
勇者は、デモって聞くと確かに物騒な感じがするな。関わったら面倒だ。俺だって他人の主張のために動かない。間違ったら治安を乱した者。捕まる可能性だってあるはずだ。半ばデモが出来るのか疑心暗鬼になりつつあった。
「ダメ。・・ふん。いい」紙に線を引く勇者、紙に書かれた名前は消えていく。希望が消えていくようだと勇者には見えた。
普通に頼んでも無理だ。勇者は魔法連絡を掛ける手が止んだ。引き受けてもらう策を巡らす。
五分ほど考え、バカだ。物事を深く考えないバカだ。
勇者は安易にデモと聞いておもしろがってくれる人物。前向きで明るい。そんな人物に絞ることにした。デモさえ開催できれば良かった。運営など考えもしなかった。紙の線が引かれてない名前を見る。
「こいつらなら。おもしろい」魔法連絡を飛ばす。
相手の名前を呼ぶが反応がなかった。
忙しのかと勇者は思った。そうは言っても、魔法連絡は脳に直接訴える魔法。留守などありえなかった。勇者は五分待って連絡しようとした・・そこへ、掛けた相手から連絡。
「自由弟。元気か。頼みごとがある」と自由人の兄弟、片割れの弟にデモ主催者を頼んだ。
「引き受けてくれ。報酬は出す」
勇者は頷きながら相手の話を聞く。
「・・やれない・・・怖い・・」自由弟に断られた。のは、勇者にとって想定内だった。
「・・・兄に相談して後で連絡してくれ」頼みごとを自由兄に一任させた。
勇者は鼻から自由兄がデモの主催者に向くと思っていた。明るくバカ。元詐欺師。口も達者。人集めに向いていると分析。自由兄弟の回答を勇者は待った。
六分後。
自由兄弟はデモ主催者を承諾する魔法連絡を入れてきた。しかし、自由兄弟は報酬を釣り上げてきた。
「報酬を上げろ。・・・分かった上げる」他の人に主催者を今から頼んでも大変だ。ここは請求通り答えてやるかと勇者は条件を飲んだ。たぶん自由兄の悪知恵だろうと勘ぐった。
自由兄弟とは後日、魔法連絡を取り合い、最終的には会って計画を練ることで収まった。
「バンバン金使ったら、賢者怒るだろうな」と勇者は呟いた。
訴えを認めさせる計画二日目。
「湯水のようにお金使わないでください。予算があるのですよ。予算が」
「うるさいな。ガミガミ言うな。金使わないと自由兄弟引き受けないんだ。しょうがないだろがあ」
勇者と賢者は揉めた。昨日の自由兄弟の報酬を巡って。賢者は金の大切さを勇者に解き続けた。その行為を勇者は聞き逃がす。ことで喧嘩は発展していった。
「私は新聞社に行って記事が載るよう計らった。勇者も役割を果たして欲しいです」強く賢者は勇者に当たった。
「俺だって役割を果たしている。お前にそこまで言われる筋合いはない」勇者は部屋の扉を蹴って開け、出て行った。
「・・ああ待ってください」引き止めようと賢者はしたが行動が遅くできなかった。
やってしまった。金が駆らむと自分を制御できない賢者は後悔で頭を抱えた。
宿屋を出た勇者は黒い森の近くの町を歩くのだった。
「賢者のバカヤロウ。怒らなくてもいいだろう。金がちょっと増えたぐらい。せこいんだよな」
勇者は賢者の不満を漏らした。
「勇者~」
子供たちが勇者に駆け寄ってきた。
「サイン!」「サインしてよ」「あくしゅいいですか」勇者は魔王を倒し今は英雄だ。どこに行っても子供の憧れとなる。
「並べ。並べ。サインしてやる」落ち込んでいた勇者も気分が上がった。子供の服や手にサインや握手をした。
「ありがとう勇者」感謝を述べ子供は去った。
魔王倒してよかったと勇者が実感する場面。両手を広げ深呼吸し・・・思った。賢者がいなかったら、ちやほやされることもなかったんだよな。
宿屋に戻ろうと勇者はする。宿屋の方角に振り向いた。一歩足を出そうとするが、待てよと躊躇。
俺は勇者。魔王を倒した英雄。勇者の自尊心が許すはずがなかった。
「やめた。暇だから散歩するか」ぶつくさと言って歩いた。
賢者は宿屋で勇者に魔法連絡しようか迷っていた。
喧嘩別れ後一時間。勇者は協会にいた。更生プログラムに参加した侍に連絡するためだ。
会う理由はなかった。暇を持て余し侍が会いたがっているのを思い出しからだ。協会内には冒険者同士の仲間を斡旋する交流場があった。交流場は受付のおじさんが椅子に座って机の上に分厚い冒険者名簿があった。名簿には名と冒険者官員番号が振られていた。
「冒険者番号千百十に連絡を頼む」
「はいはい。待ってください」冒険者名簿をおじさんが捲る。指には捲りやすいよう指当てを使う。
「ぺらぺら」
十秒でおじさんは侍の名簿を見つけた。
「侍さんだね」名簿に掛れた侍の似顔絵を勇者に提示した。勇者は名簿の顔を見、
「そうだ」と返事する。
「伝言は何」
勇者は事情を話した。会う約束の日時(一週間後)と場所(黒い森の近くの町)を指定。おじさんは魔法連絡を侍に飛ばした。
「侍。冒険者交流場所の受付ですけど・・・・はい。勇者さんが侍さんに会いたい」約束の日時と場所をおじさんが伝えた。礼を伝え勇者が帰ろうとしたが、
「勇者さん。交流場に登録しません」おじさんは勇者に登録を進めた。
「面倒はごめんだ」一切悩まず勇者は断った。
普通の冒険者なら交流場を冒険者の認定が下ると登録するもの。勇者は交流する面倒を避けた。弱い冒険者と仲間になり時間を食うのを嫌がった。
その頃、賢者は宿主に勇者のことで相談した。
「やっていけるか不安です」など言って宿主を困らせた。
喧嘩別れ三時間。勇者は黒の森の近くの町の外にいた。考え事がしたくて。町に居たらサインを求める人や目線が気になった。
町外に出て十分ぐらいの道端に勇者は座った。
賢者怒っているだろうな。機嫌が直る手を持って宿屋に戻らないと、かっこが付かん。自尊心が勇者を邪魔した。勇者は帰る切っ掛けを探った。
胡坐・・・のまま横に倒れ・・・足を手で押さえ転がる体の向きを表・裏・表と焼き鳥を焼くように。
足を押えていた手を解き両手を伸ばす。胡坐が崩れ足がだっらと垂れ大の字に。
目を瞑り・・・・・勇者は寝てしまった。
三十分後。
「いかん」勇者は起き上った。
本格的に寝る所だった。なんでもいいんだ話す切っ掛けなら。俺と賢者の話題は・・・・・裁判だな。
訴えを認められたら賢者も喜ぶよな。よし、自由兄弟に連絡だ。勇者は魔法連絡する。
「自由弟。デモの件。進展どうだ」座った体性で勇者は話した。
「知り合いに声を掛けてる。・・・うん・・・日にち・・・待ってくれ・・考えてなかった。賢者と相談しとく。・・・後会えるか・・・冒険者の町・・・うんダメ。なら王都はどうだ。会った後デモが実行できる・・・」
自由弟の魔法連絡が切れた。勇者と会う日を自由兄弟は話し合うので。
二分ほどで返信が自由兄弟より入る。答えは一週間後王都の宿屋で再会することに。自由兄弟と話し終え勇者は立、賢者が待つ宿屋に向かった。
話す切っ掛けができた。デモの日取りを決める話で誤魔化せる。謝らなくて済みそうだと考えながら。
喧嘩別れして五時間。勇者が宿屋に戻った。勇者は表口をタックルして開け宿屋の中へ。
「ばっん」扉が両手を広げ全開に。
「あっ勇者さん。お帰りなさ」宿主が勇者に声を掛ける。
「おう」宿屋のロビーを勇者が走って突っ切った。
「い。ああ~」勇者の速さに驚いた宿主が呟いた。
「賢者さん元気ないですよっていいたかったのに」
「だっだっ」二階まで一気に階段を勇者を上がった。
「ばっん」足で自分が泊まっている部屋を蹴って扉を開ける。
「どん」勢いが良すぎて扉が閉まる。ムカッと勇者が来て、
「ばっん」また蹴って扉を開け、勢いが付いた扉を手で押さえ勇者は部屋の中に入る。
怒っている。勇者の様子にどう謝ろうかと賢者は模索した。
「デモの日取り決めようぜ」部屋に入ってきた勇者の第一声だった。
「えっ。急な」戸惑いを賢者が見せた。勇者は立て続けに宿屋を出て行った後の事情を話した。
「ですか」
「デモの日取り何時がいい。俺は早ければ早いほどいいぞ」
「自由兄弟と会うのが一週間後。会って実行するのに一週間ぐらいは準備期間が要りますね」文句一つ言わず勇者は頷いた。賢者に気を使って。勇者と賢者の喧嘩はあやふやなまま終結。お互いに謝らず仕舞いだ。




