表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者裁判  作者: ワンワールド
魔王への道
PR
26/49

魔王への道1

滝の洞窟の主を倒し地下湖の水を入手した。勇者と賢者と盗賊じいさんは滝の洞窟をから出ると目の前に王の憲兵隊が待ち受けていた。父のように捕まって処刑されるイメージが勇者の頭で浮かぶ。状況を打開しようと考えている時、滝の洞窟が崩壊する。洞窟の主戦で賢者が使った土系魔法が原因で。勇者たちは滝の洞窟の崩壊に巻き込まれ大量の水に流されてしまった。

 「ごごぼ~」


 爆発する大量の水。

 

 「勇者~」


 手を伸ばす賢者が一気に水に捕まり流されていく。


 「賢者~」


 勇者も手を伸ばし叫んだ。賢者を呼ぶ声は水音にかき消され、過去受けたこともない攻撃(水の流れ)を受けた。

 

 「勇者ごぼ・どの・ごぼごぼ」と勇者に担がれていた盗賊が水の勢いに負け、引きはがされた。


 水の中で勇者は無重力を十秒体験・・・・気を失なった。




 「ざ~ざ~」


 耳元で音が聞こえ勇者は意識が甦ってくる。


 目に砂と石の映像を受信した。


 初め映像はアナログで砂と石の輪郭はぼやけた。目をぱちくりすると時代が変わっていった。


 ある瞬間映像はデジタルに移行。目の前の砂と石の輪郭がはっきり見えた。


 全身に電気が流れた。電気は上半身を流れ、下半身に伝わった。電気の流れに従い、勇者は体を起こした。


 眼前に三次元の汚い海が映った。


 「緑錆の海」勇者は呟いた。


 勇者は海岸に流れ着いていた。


 三分間佇んだ・・・・賢者?


 周りを見るが誰もいなかった。勇者は口を押える。連絡を取ろうと、魔法を発動した。


 うっ・・・勇者は全身の力が抜け、後ろに仰向けで倒れた。


 砂に埋まる。


 体を動かそうとするが、動かない。蟻地獄に入ったように、勇者は悶えた。滝の洞窟の主戦、洞窟の崩壊に巻き込まれ体力が底を尽きかけた。


 「回復を待つか」諦めた勇者はしばらく休んだ。



 半日、時間が流れた。回復に専念したつもりが勇者の体力は落ちるのだった。砂が太陽エネルギーを吸収し、勇者を焼いた。干物のように水が抜けた。


 喉が渇く、水が飲みたい。水。みず。ああ何でもいい、みずが飲みたい。そんなことを考えている所に、

 「お~い。勇者いねえか~」


 「勇者~悪い勇者」と多彩な声が遠く響いてきた。


 俺を探しているのか?


 「海を汚した賠償王」


 俺の名呼んでるよな。


 その後も呼ぶ声は鳴りやまない。


 それにしてもとげがある呼びかけと勇者は思った。とはいえ、このまま野垂れ死には困る。勇者は精一杯、うめいた。


 「こっこだ~」


 喉がカラカラで声が飛ばない。喉を潤すのにたんを出そうと努めた。勇者の体には水がなく、痰の形成に失敗した。

 

 「勇者~」声は大きく響いて来た。


 近くに人が来ている。今を逃したら死ぬ。残っている力を声に使い続けた。


 「ここだ」


 「ゆうしゃ~」


 熱中症で意識が遠のくが声は近くから聞こえる。


 「何かいる」と声がした。勇者は人の気配を感じた。


 「おい。あんた大丈夫け」中年男の顔が勇者の目にぼやけて見えた。


 弱弱しく勇者は手を伸ばし呻いた。


 「あ・・あ。み・・ず」


 「おおそうか。水か」


 中年男は腰につけていた、瓢箪の水筒の口を開け勇者に差し出した。ただ勇者は上半身を起こせず手を震えながら伸ばす。それを見て、

 「すまない」中年男は勇者の上半身を起こした。


 支えながら中年男は水筒を勇者の口に運んだ。水が勇者の体に流れた。


 ああ~。・水・・水・・・水。勇者は恵みを実感。


 「げっ、ごっほ、ごっほ」と急に水が大量に入り咳き込んだ。


 「そう焦らなくても、取らないけ」中年男が勇者の背中をさする。


 二回ほど咳き込んだ後、水を飲み続けた。


 こんなに水はおいしいかったのか。勇者は自然のありがたみを体で感じ水を飲み干した。水筒を中年男に返した。


 「助かった」感謝の言葉を述べ、立ち上がろうと試みた。


 下半身に力を入れたがまだ体力は戻らず。その場に座ったままだ。


 勇者はこの場にいたらまた熱中症になるのはごめんと、中年男に言った。

 

 「頼む、そこの砂地でない木陰まで連れって言ってくれ」砂地の向こうのヤシの木を指さした。


 「木陰まで。分かったけ」


 勇者は中年男の肩を借り木陰の下まで行った。木陰の下は涼しい風が通った。勇者は横になる。

 

 「ああ~気持ちい」中年男の顔を見て、勇者は礼を言った。


 「いやいや。人間助け合いは大事け」

 

 A四判ぐらいの大きさの紙を服のポケットから中年男は取り出した。


 中年男は紙を見、勇者の顔を繰り返し見た。


 勇者は目を瞑って風を満喫。


 「腹減ったか?食べ物持ってこようけ」


 「悪いな。何でもいいからな」目を瞑りながら勇者は多くを望まなかった。


 紙を見ながら笑みを浮かべ中年男は食べ物を取りにどこかへ行った。


 いい奴にあった。ついてるな。・・・・・賢者たち生きてるいだろうか?


 食事が済んで体力を回復したら魔法連絡でも取るかと勇者は皮算用をした。



 「お~い。勇者がいたけ~」中年男は大声で勇者を呼んでいた者たちを掻き集めた。


 「いたか」


 「あの犯罪者が」


 中年男が沢山の人を引き連れ勇者の元へ行く。手にはもりを持つ者、網と縄を持つ者などが沢山の人の中にいた。いかにも漁に行く格好に見えた。


 中年男が食べ物を取りに行ってる間、勇者は疲れて寝た。立て続けの試練は勇者を深い眠りにつけた。


 勇者の元へ中年男が戻ってきた。沢山の人を引き連れ。


 「ここで待つけ」沢山の人を勇者から離れた位置に留めた。


 中年男は一人勇者の様子を窺がう。

 

 「ぐ~が~」疲れで勇者はいびきを立てる。


 中年男はその様子から沢山の人を手招きした。ぞろぞろと足音を響かせ、沢山の人が勇者の傍に来た。

勇者を虜囲む。


 「これが勇者か」


 「そうけ。手配書見ろ」沢山の人たちがまじまじと勇者を見た。動物園の中に居る動物のように。


 勇者と判明すると縄を持った人が前に出てきた。沢山の人たちは勇者の傍を離れた。ただ例外で数人残った。寝ている勇者を残った数人が抑え体を起こした。


 痛いぞ・・・何か締め付けられるな・・・うん・・うん・・・・体が動かない。



 「うん。何だこれは」


 目を開けると勇者はヤシの木に縛られていた。座った状態で、上半身ぐるぐる巻きだった。


 「くそ」体を揺すって縄抜けをしようとした。しかし、縄は体に巻きつき、蛇が絡むように抜け出せなかった。


 「なあ~くそお」苛立つ勇者。ヤシの木を囲むように沢山の人が立っていた。


 「縄の味はおいしいけ」人の群れから中年男が勇者の前に出て話す。

 

 「おまえ~。どういことだ」勇者は説明を求め中年男に聞こうとしたが、周りを見て驚いた。


 「何だ?こいつらは」突然沢山の人が現れたからだ。


 不気味な笑顔を浮かべ中年男は言った。


 「貴様の捜索隊だ」


 「捜索隊?」疑問の顔で勇者は沢山の人を見た。

 

 「捜索隊なのになぜ俺を縄で縛る。助けに来たのではないのか」怒る勇者は口より炎が出るんじゃないかと思えるほど吠えた。


 「けっけっけ」勇者の様子に沢山の人が変な笑い声を上げた。声が鳴りやむと、沢山の人の顔が冷酷な顔に変わった。


 「あの方たちを呼ぶけ」中年男は指示を出す。


 若く足が速そうな人物が誰かを呼びに行った。沢山の人は勇者との距離を空け、警護するように周りを警戒した。勇者は完全に沢山の人に無視された。


 「おい。質問に答えろ。おい!」

 「うるさいけ」寂しがり屋の勇者が俺の話を聞けと吠え続けた。


 

 数十分勇者はほっとかれた。


 そこに西洋式甲冑を着た男が現れた。

 

 「勇者はどこだ」


 「へい。こっちけ」甲冑男が見物人を退け、勇者の元へ。

 

 勇者の顔を望みこんだ。


 「勇者」手配書と勇者の顔を見比べ甲冑男は本人とほぼ確信する。


 「ジロジロ見るな」無視されたうえ、品定めする目線に勇者はふて腐れる。


 「う~ん勇者だ」と手配書と同じと判断した。手配書に勇者の性格も書いていた。


 いったて凶暴。口が悪い。


 甲冑男は腰の金が詰まった小袋に手を掛けた。


 「よし。報酬だ。受け取れ」甲冑男は小袋を中年男に贈呈する。


 「みんな金け」小袋掲げ中年男は沢山の人に見せた。


 「お~」


 歓喜する沢山の人は互いに抱き付いた。感情を消化すると、潮が引くごとく沢山の人が消える。


 その後ろ姿を見、勇者は理解した。ああこいつら金目当てで俺を探したのか?


 勇者は甲冑男を見る。こいつも王側の人間だろうと推測。勇者は静かに成り行きを見守ることにした。


 甲冑男はどこかに魔法連絡を取った。


 数十分後、六人の男が来て、勇者を誘拐した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ