↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

614/651

天を破りて・前B09

 Xタイプとは、まぁなんというか、そんな感じで呼ばれているだけだ。それを発見したクランドが、あまりの異様さに戦き、他のアンノウンを従えていることから「あれを討てばこの戦いも終わる。全機、Xタイプを討伐せよ!」といきなり指示を出すのだ。


 それに倣って俺もXタイプと呼んでいるけど、多分………あれがKタイプだったのではないかなと思う。だっていきなりKからWまで飛ばしてXだもんな。


 考察では製作陣が、ラスボスなのだしという理由で呼称の差別化を行い、インパクトを持たせたかったのだと思う。


 ただ、名称による差別化をしなくても、とにかく強かったことだけは覚えている。ソータのイレイザーとアークのタキオンによるタッグであっても、そう簡単に追いつけなかったし、追いついたとしても寄せ付けなかったのだ。周囲のアンノウンを利用し、戦術を使う稀有なアンノウンに苦戦する一方だった。


 だが今は違う。ソータのイレイザーとアークのタキオンは、所詮ガリウスの域を出ていなかった。比較してグラディランドであれば敏捷性は劣るが、火力と射程では圧倒的に秀でている。


 加えて、俺とビーツはXタイプの具体を知っている。攻略法とも呼ぶべきそれを熟知し、戦術を展開されても突破できる自信があった。


『10時の方向、Dタイプ接近!』


「ここで面倒くせぇやつが来たか!」


『いや待て。その後方、さらにDタイプ6体が接近! 波状攻撃だ!』


「前は2体出現して翻弄されたけど、波状攻撃なんて使うとは………いや、これまでそのくらいアンノウンはやったよな。驚くべきことでもない。けど、やっぱ背後にXタイプがいるって計算するべきか。………ビームシールド、出力最大!」


 Dタイプはアンノウンのなかでも特に因縁がある。第6話のヒナショック以降、今回はそれを防ぐと原作とは異なり、度々出現する機会があった。


 そのDタイプの攻略法は、奇しくも、現在グラディランドが近接戦において要としているビームシールドにあった。あの時はプロトタイプガリウスGでパワー負けしてしまったけど、今さらDタイプごときにパワーで劣るはずがない。


 回転するビームシールドでDタイプを迎撃する。いや、消滅させる必要などない。その軌道を変えてやればいい。


 先頭のDタイプから後続まで、左腕のみで弾き飛ばした。すると勢いを殺せずに、後方にいたEタイプの口のなかに突入。同じアンノウンでもDタイプの貫通力は凄まじく、Eタイプをズタズタにして、また肉厚なEタイプの体内で圧縮され、お互いに殺し合うこととなった。


『遊んでいても埒が明かん!』


「わかってるって。Kタイプもぞろぞろと雁首揃えて接近してきやがったしな。ここらで邪魔な雑魚を一掃する!」


『外すなよ?』


「こんだけ密集してて、外す方が難しいだろ」


 グラディランドの全身に搭載された、グラディオス改とアリスランドの武装を連射していたビーツが、ビーム系の武装を一旦休ませる。実弾兵器に切り替えて、背後などの雑兵を迎撃し始めた。


『腹部の単体のレイライトリアクター2基、主砲に接続。チャージ完了まであと30』


 ケイスマンの意志は俺が指示する前に意図を理解した。


「右辺の敵陣を一掃する!」


「おぉもかぁあああじっ!!」


 操縦桿を切るトーマス。グラディランドが右側に転進。


『二連主砲、エネルギー臨界!』


「っしゃあ! レイライトブラスター、発射ぁああああッ!!」


 グラディランドが方向転換を完了させると同時に、腹部に展開した主砲を放つ。


 腹部といえばグラディオス改とアリスランドが接続した場所である。


 艦首には主砲があり、合体後は装甲で覆っていたが、展開すれば二連の主砲として用いることができるのだ。


 これまでグラディオスとアリスランドが同時にレイライトブラスターを放つ時があったが、こうして物理的に連結させて放つのは初となる。


 巨大なビーム砲が宇宙空間を横断する勢いで走り抜ける。


 射線軸にいたアンノウンは無差別で焼き殺され、さらにグラディランドを右へと回転させることでレイライトブラスターの射角を広める。


『───照射終了。次のチャージまで1分』


「遅ぇ! 他の4基からもエネルギーを供給させろ! ビームシールドの範囲を2割ほど縮小。ビーム兵器も一旦オミット」


『危険を伴うが、それなら30秒で済むだろう』


「続けて左側も焼き払う! アンノウンは何割減った?」


『4割は消滅しただろう。しかし、依然としてXタイプとやらはレーダーに反応が無い』


「チッ。それならドローンカメラ、ガンビット射出! レーダーの捜索範囲を拡大!」


 ここまでやってもXタイプが出現しないとなると、Xタイプがなにもしないことが気がかりとなる。


 原作ではグラディオスとアリスランドが協力することで戦局が傾き、群れの数を減らすことでやっと現れたというのに。


 いや、確かあれは群れの数が半減したからだ。


 100体いたEタイプが50体まで減ったから。


 だが今回は? 仮に4割減したといっても、まだ600体はいるという計算だ。ならば、まだ焦る時ではないということか。


 それに新種が2体確認したという報告があったのに、まだLタイプが姿を見せないのも気になる。原作には登場していないタイプだ。いったい、どんな姿や能力を持っているというのか。


『焦るなエース。まだ趨勢が傾く時ではない。むしろ動きがない今だからこそ、どれだけこちらが数を減らすことができるのかという───むっ!』


「チッ!!」


 議論する余地などなかった。


 残存しているEタイプが、一斉に反撃を開始した。電流を発生させグラディランドの頭上から降らせた。


 即座に対応。ビームシールドではエネルギー消耗が大きい。肩からパラボラを射出し避雷針とする。Eタイプなら何度も見てきた。対策はすでに完了している。さらにパラボラで受けた電流はエネルギー変換して、ビームとしてグラディランドに送信。


 ただし、パラボラは一度限りの消耗品だ。耐久値は高めたのだが、数百はいるEタイプから一斉に放たれて、無事であるはずがない。今ので3割を失った。


『今の変換で必要とされていたエネルギーを充填完了!』


「左側のアンノウンを撃つ! これで数をもっと減らして、Xタイプを引き摺り出せ!」


 アンノウンもまだ戦術らしい行動を取っていないことから、このレイライトブラスターのあとに激化することが予想されていた。


 ゆえに、勝つために残り50体と言わず全滅させる勢いでレイライトブラスターを発射する。


 連射でかかる負荷を鑑みて、これでしばらくは使えない。だが全滅さえやり遂げれば、残るはXタイプのみだ。対抗策はある。


 巨大なビーム砲が炸裂し、アンノウンをタイプを問わず滅ぼしていく。レーダーからも消滅を確認した。


 主砲の連射で大凡の数を減らす。原作の10倍はいた群れが、照射が終了すると周囲がスッキリするほど銀色の光が消えていた。


『大型はすべて滅ぼしたか』


「良い的だったからな。むしろあの巨体だ。図体ばかりのウスノロに、逃げる手段なんて無いだろ」


 グラディランドは停止せず、常に動き回っている状態だ。重いギアに入れた状態なら、急停止さえしなければ速度を出せるように。


『残りの敵は俺が撃っておいてやる。お前はXタイプを探せ』


「言われずともやってやるよ」


 ビーツと仕事を分担する。


 この大戦もついに終盤だ。ラスボスさえ討てば終わる。


 今はそれを目前とし、手を伸ばせば届く場所にいた。


 長く激しかった旅も、これで終わる───


「え?」


 その時だ。


 俺とトーマスは、同じものを見た。


 それはなぜか、宇宙空間に、グラディランドの前方に半透明のカーテンが現れたからだ。


 揺れながら引かれる。


 息を呑む。


 絶望は、なにひとつとして終わってはいなかった。


たくさんのリアクションありがとうございます!


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、リアクションなどのありがたい応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

誤字脱字報告、ご質問も大歓迎です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。