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星に抱かれし者A09

「第7話「主砲を撃て」! ヒナの戦死でグラディオスが全体的に最初の崩壊を始める。クランドやカイドウ、シドウまで精神的に参ってしまうけど、なによりパイロットが酷かった。ヒナの近くにいたソータが救えなかったと全体的に責められる。アイリも口を出せない。でも次の悲劇が訪れる。Eタイプに襲われたことでレイライトブラスターを使用するけど、発射シークエンスで整備士たちがあの区域に突入して決死の調整をする。発射と同時にレイライトブラスターの区域で爆発。大勢の整備科、砲雷科の犠牲を出す。そのなかにはな、アイリ。お前もいた。男たちはアイリに覆いかぶさることで肉の壁となって守ったけど、無傷じゃなかった。右腕が消し飛び、顔に大きな傷を負った。………エースはそれも防いだ! 記憶にないなんて言わせない。言ったらここでブチ殺す! エースはなにをした? グラディオスの内面的な崩壊を未然に防ぎ、主砲の暴発を知って、整備科と砲雷科を追い出して、自分ひとりで戦い続けた! 結果、あいつは………アイリが負うはずの怪我より酷い状態になった。右腕はもちろん、脳死した。みんなを助けるためになら命だってかけられるんだよ!」


 それをみんな忘れてるんだ。だから盲目的になる。


 この時点で、私を疑ったり拘束しようとする者はいなかった。全員、唖然としながら私の言葉に耳を傾けている。


「第8話「どうせみんな死ぬ」ではヒナショック、ユリンの狂愛、周囲の叱責、なにより幼馴染のアイリが重傷を追った事実に、ソータのメンタルがついに耐えられなくなって、ペンタリブルのコロニーに寄った際、高いビルの上から飛び降り自殺しようとする。でもエースがそのほとんどを引き受けたから、ソータがメンタルブレイクすることはなかったんだ! 唯一の誤算は、アリスランドが宇宙にいて、テンプスではなく原作に登場するはずのないビーツ・クノってクソが艦長をやっていたってことくらいか。第9話「撃てよクソ野郎」ではヒナショックのせいでバラバラになったチームが大きな喧嘩をして、もう一度まとまる話しだったけど、これもエースが全部引き受けたから実際無傷。あ、でもエースをめぐって喧嘩したんだっけ? お前ら。あの時、エースは嬉しかったって言ってたな。第10話「命の価値」はオードリアインジェクション社のスパイが潜入する話しだったけど、トーマスはその行為がバレて宇宙船で逃亡したけど、追いつかれて自爆した。でもエースはなにをした? そうだよ。トーマスなんてエージェントの注目を自分に集めるどころか、自爆もさせず、グラディオスとオードリアインジェクション社とのコネを作り、トーマスを窓口にした。本当は敵になる奴でもエースは助けたんだ! 最初こそ作為ありきの関係だっただろうが、あとになって命を救われたトーマスが恩返しをする機会があったよな。でも、そんなのは序の口だった。次はもっとヤベェ!」


 全員、私を直視できなくなった。


 身に覚えがありすぎて、反論できなくなっている。


「第11話「終焉の唄」と第12話「反撃のグラディオス」! 原作では特殊固体のEタイプ1体だったのが、今回は2体に増えやがった! 原作では才能を開花させたクスドがオペレーション・テンハを発動。辛勝したけど、代わりに新たな死者が出た。………コウ。お前だよ」


「なに? ………お、俺が?」


「ああ。お前はアイリに片思いすることになったんだ。ソータはアイリを守れなかったことを責め、アイリは話しすらまともにできないソータに悲しんでいたところに、コウがアイリを慰めたことで急接近した。私は複雑な心境だったけど。エースもそうだ。あいつ、ソータとアイリが相思相愛になって、結婚して、子供を作るのを見届けるのが最終的な目標だって言ってたし」


「俺は………エー先輩に、嫌われていたのか………」


「馬鹿。そうじゃない。エースはちゃんとコウも大好きだったよ。そうじゃなければ、誰がお前を助けた?」


 コウは数秒だけ黙った末、ゆっくりと語り出す。


「………身に覚えがない、わけではない。シーナの言う原作とやらや、第何話やタイトルとかいうのは知らないが、けど俺はあの時………Fタイプに殺されそうになったんだ。アイリが狙撃されそうになって、それで………死んでしまった兄貴のように、誰も死なせたくなくて必死に飛び出して………」


「そう。原作ではコウはグラディオスに乗っていたアイリを守るために単独で突撃して、殺された。じゃあ、今回は?」


「Fタイプにコクピットを狙われて………エー先輩が、助けてくれた」


「そういうこと。第11話と第12話は、エースがやってきたことの前半の締めくくりだ。死者を出さず、想定外の敵に囲まれても全員を守った。そのせいであいつ、かなり無茶したんじゃないのか? 自分を犠牲にまでしてさ」


「………ああ。ああ、そうだ。あのひとはいつも、ひとりだけ………命そのものを削るような戦い方をして………」


 コウを中心に、再認識が始まっていく。ヒナたちはずっと俯いていた。思うところがあればいいなと願う。


 それからまた、ストーリーを高速詠唱した。


「第13話「再起動」からは私も参加したからよく知ってる。原作ではドイツ支部を飛び立って中国支部に向かう。原作と違うのは中国支部の支部長がテンプスになってたところ。でも一番大きかったのは、ナンバーズが可変機になってたってことかな。エース考案の設計図は却下されたみたいだけど、画期的なプランで、さらにパイロットの生存率を底上げした。第14話「銀の髪の少女」はライラが参加する。原作と違うのは、ライラはソータにべったりだったのが、なぜか私に懐いたってことくらいか。中国支部ではテンプスの策をエースが看破したとか? あいつのカウンタースキルで助かったんじゃないのか?」


 特定の人物を名指ししてはいないが、この場合はアーレスしか対象者がいない。


 アーレスは無言になり、ギュッと目を硬くつむっていた。


「第15話「アリスランド」では日本支部跡地で初登場となるアリスランドと交戦したこと。でも知ってのとおりペンタリブルで会ってるし、艦長のビーツだ。エースもやりにくかったろうよ。なにせ、ビーツ・クノって奴も転生者だからな」


「なに!? お、おいシーナ! あいつまで転生者なのかよ!」


 カイドウが驚愕して、詰問する。アーレスが止めに入らなければ、掴みかかられていた。


「エースの前世は小此木(おこのぎ)瑛亮(えいすけ)。ビーツの前世は、確か楠木(くすのき)美壱(びいち)。ともに日本人。20歳。大学生。妙なことに同じサークルの同期だったとか。でもビーツは転生する前からクズだったらしい。私の前世の職場の後輩だった子が、ビーツに弄ばれて捨てられた。だから私は個人的にもビーツってクソ野郎が大嫌いだ。でもエースは違う。お互いを知っている。能力も。ビーツの方が優秀だったから、そりゃ裏の裏を読んで戦うしかない。敵対してたなら、ストレスは半端なかったでしょうね。というのが、エースのビーツアレルギー反応の真相」


「じゃ、じゃあなにか? エースは知り合いだったってわかってて………ビーツの野郎と殺し合ってたってことか!?」


 カイドウが再び問う。


「そうなりますね」


「イカれてやがる………」


「同感です。でも、エースに選択の余地はなかった。ビーツもまた「天破のグラディオス」の生粋のファン。製作陣による裏の情報も網羅して、しかも脳内チップを2枚も移植してた。どうやたって正攻法では勝てない相手なんですよ。しかも性格だってイカれていた。あいつ、グラディオスに勝ったら所有物にして、男は射殺して女をすべて手中に収める願望を持ってた。あいつに負けたら最後。若い女はみんなあいつの性奴隷だ。終わってるだろ、そんなの。エースはビーツの狙いを阻止するためにも、グラディオスを守ったんだ」


 いかにビーツが害悪だったのかを併せて語る。


 ここにはアークもいて、ビーツの正体が転生者だったと知ると衝撃を受けていたが、それでも少しだけ納得したような面持ちをしていた。思い当たる節があるのだろう。


ブクマ、たくさんのリアクションありがとうございます!

明日は日曜日なので、しかも筆が加速してかなり調子がよく、4話くらいぶち込んでみようと思います!

最初の更新は0時頃を予定しております。皆様の応援次第で増えるかもしれません! エースを救済、シーナを応援してやってください。


作者からのお願いです。

この作品は皆様の温かい応援で成り立っております。ブクマ、評価、感想、リアクションなどのありがたい応援を、ガソリンのごとく注入していただければ、作者は尻尾があれば全力でぶん回しつつ筆を加速させることでしょう。何卒よろしくお願いします!

誤字脱字報告、ご質問も大歓迎です!

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