少年と少女
僕は学校に行きたくなかった。昨日の今日で、どんな顔して彼女に会えばいいのか、わからない。僕は臆病者だ。取り敢えず、今日は休もう・・・そう、思う僕にインターホンの音・・・。開けるとそこに
彼女が居た。
僕はカイザリオンに乗って逃げたくなった。
何故かこうなった。正座して向かい合う僕とナツキ。座っていても、若干彼女の方が背が高い。男として、この身長はどうなのか、と思う。しかし、そんなことはどうでもいい。
「・・・学校は」
「ああ、今日は休むわ」
・・・。
「聞かせてもらうわよ。今日こそは、ね」
「関係ない」
「なくなんて、ないっ!!」
バンッ。
彼女の手が床を叩く音。しかし、僕には彼女がその目から、泪を零していたことに驚いた。
「いっつも、昔っから、そうやって・・・誤魔化して・・・私がどんな思いをしてきたのか、わかる!?」
若干ヒステリックに言う彼女。そんな彼女は愛おしい。自分にこの感情は似つかわしくないと、僕は思った。できれば、気づきたくはなかった。いや、ずっと昔から知っていた。
僕は彼女が好きで、彼女も僕を好きで。そう、それは定められた宿命のように、絡み、結びつく。
「落ち着いて聞いてくれ」
前置き。頷く彼女。
「僕は、君が好きだ」
突然の告白。ずるいようだが、これで誤魔化したい。でも、好きだという感情が、歯止めが利かなくなっただけで。そう、自分で自分を弁解して。
「だから、さ。巻きこみたくは、ないんだ」
口を紡ぐ僕。沈黙。数秒か、数分か、その時間はゆっくりと過ぎていく。永く、そうひどく永く。
やがて口を開く彼女。
「私は廻を、愛している」
けどね、と。
「守ってくれる、んでしょ?」
笑って、僕を見る。そして、あぁ、
僕は彼女には敵わないな。
彼女は言う。
「昔っからね」
ホントに。
僕は今までのことを全て話した。幼いころの遭遇した記憶以外全てを。嘘のようなことも、彼女は信じてくれた。日も沈みかけたころ、帰ろうとした彼女は、僕を見る。
「忘れないで、あなたにはいつも、私がいることを」
目を閉じる、彼女。
「あの時のこと、覚えてる?キスした時の・・・」
一瞬、びくっとする僕。
「・・・うん」
なんとかそう返す。そうして、彼女が望む行為がわかったから。
その唇にキスをする。
少し、背伸びしたことは僕だけの秘密だ。
こうして僕たちはその日、幼馴染を超えて恋人となった。
けれど。
待ち受ける運命は残酷だった。




