↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
33/61

第34話 週末の順番

――その夜。

 私は熱を出した。

 思ったより高い熱が続いて、寝込むことになった。

 ぼんやりした意識の中で、廊下から声が聞こえていた気がする。


「フリーが寝込んだ?! 大丈夫なのか?!」


 聞き慣れた、大きな声。


「俺が帰ってきた日に限って……くそー! 会えないなんて!」


「アスター様、どうかお静かに! フリージア様がお休みです!」


「風邪なんだろ? だったら俺が看病してやる!」


「アスター様! おやめください! アスター様にうつってしまったら、私たちが殿下に怒られてしまいます!」


「俺はそんな簡単にうつらない!」


「そういう問題ではございません!」


「ちょっと顔見るだけだ!」


「なりません!」


「なんでだよ!」


『……うるさい……』

 熱でぼーっとする頭の中で、そんなことを思った気がする。

 そのあとも何やら言い合っていたけれど、私は再び眠りに落ちた。

 私はそのまま熱が下がらず、結局、次の週末近くまで寝込んだ。


 ようやく起き上がれるようになった朝。

 久しぶりに食堂へ向かって廊下を歩いていると、外から朝っぱらとは思えないほど騒がしい声が聞こえてきた。


『……なんだろ?』


 窓の外を覗いてみる。

 そこには、シルヴァンお兄様とアスターお兄様がいた。


『え? 二人とも帰ってきてる?』


 珍しい。

 いつもなら、誰か一人しか帰ってこないのに。

 しかも――揉めている。

 声が大きすぎて、窓越しでも丸聞こえだった。


「シルヴァン! 今日は俺がフリーと遊ぶ! この前はフリーが寝込んでて会えなかったんだぞ! かわいそうだろ、フリーが!」


「フリージアは確かにかわいそうだけど、アスター兄様はかわいそうじゃない! 今日は僕の順番なんだから関係ないね!」


「俺はフリーのために甘い菓子まで持ってきたんだ! これ食べれば元気になる! だから今日は俺が会う!」


「僕だって、身体にいいお茶を持ってきたんだから! フリージアは治ったばかりなんだから、僕とゆっくり過ごすの!」


「お前、俺は兄だぞ! 少しくらい譲れ!」


「僕の兄なら弟に優しくしてよ!」


「それとこれとは別だ!」


「別じゃない!」


『…………』


 朝から元気だなぁ。


 でも、聞いているうちに、なんとなく分かってきた。


『……あれ? 順番?』


 そういえば、毎週のように誰かが帰ってきていたのに、二人一緒になることはほとんどなかった。

 てっきり学校の都合か何かだと思っていたけど――。


『もしかして、お兄様たち……私に会うために帰ってくる日をずらしてたの?』


 一人ずつなら喧嘩にならないからなのか。

 それとも、私を独り占めしたいだけなのか。

 理由はよく分からないけど、どうやら帰ってくる順番まで決めていたらしい。

『そんな決まりあったんだ……』

 私は初めて知った。

 隣にいるランたちを見ると、みんな揃って呆れた顔をしていた。


『これは放っておいたら、ずっと終わらなそう……』


 仕方ない。

 私から声をかけよう。

 窓を開けて、二人に向かって大きな声を出す。


「アスターお兄様〜! シルヴァンお兄様〜!」


 二人が同時にこちらを見上げた。


「今日はお兄様二人で来られたんですかー?」


「私とこれから朝食、食べましょ〜!」


 その声に、二人はすぐ反応した。

 さっきまで言い合っていたはずなのに、アスターお兄様はシルヴァンお兄様の肩をぐっと抱き寄せ、二人そろってこちらに手を振ってくる。


「フリー! 大丈夫なのかー?! 体調は?!」


 そう叫んだあと、アスターお兄様はさらに声を張り上げた。


「今日は、お! れ! と! この菓子食べないかー?!」


「フリージアー! アスター兄様は放っておいて! フリージアのために持ってきたお茶、一緒に飲もー!」


 二人ともものすごくいい笑顔だ。

 でも、言ってることを聞けば、まだ張り合ってるのはよく分かる。


「お兄様たち〜! まず私と朝食食べましょー!」


 少し間を置いて、私は続けた。


「そのあと、三人で一緒にお茶しましょ〜!」


「…………」


 二人が一瞬だけ黙った。

 そして――。


「……まあ、それならいい」


「僕もそれでいい!」


『よし、まとまった!』


ランたちも、この光景を見て少し笑っている。

 二人がこちらへ歩き出したのを確認して、私も食堂へ向かった。

 久しぶりに、少し賑やかな朝食になった。


お兄様たちとの約束どおり、今日はみんなでお茶をすることになった。


 場所は庭園の中でも、特に花がきれいに咲いている一角だ。


 色とりどりの花に囲まれながら、焼き菓子をつまみ、お兄様たちと他愛のない話をする。


 こうして兄妹そろってゆっくり過ごすのも、なんだか久しぶりな気がする。


「フリー、これも食べるか?」


「食べます!」


 アスターお兄様が差し出してくれた焼き菓子に手を伸ばした、そのときだった。


 お兄様たちの少し離れた後ろ――花壇の向こうから、青くて透明な何かが、ひょこっと姿を現した。


「……ん?」


 ぷるん。


 それは一度体を揺らすと、また花の陰に半分ほど隠れる。


 でも。


 私は遠目でも、それが何なのか一瞬で分かった。


『あ、あれは……!』


 目を見開く。


『あれは――スライム様!!』


 前世で寝る時間を削ってまで遊んだ、天下のドラクエ様。


 その中でも、もはや知らない人はいないと言ってもいいレジェンド級モンスター!


 スライム!


『ファンタジーといえばスライム! スライムといえばファンタジー!』


 ドラゴンもいい。


 魔法もいい。


 エルフだって最高だ。


 でも!


『スライムは別格なの!』


 青く透き通った丸い体が、ぷるん、ぷるんと揺れている。


 なにあれ。


 可愛い。


 ものすごく可愛い。


『どうしよう……もっと見たい!』


 じーっと見つめる。


『近くで見たい!』


 さらに見つめる。


『触りたい!!』


 気づけば私は椅子から少し腰を浮かせていた。


「フリー?」


 ロータスお兄様が不思議そうに私を見る。


 けれど今の私に、お兄様を見る余裕などない。


 視線は完全にスライムへ釘付けだ。


『ぷるぷるしてる! 本物がぷるぷるしてる!』


 ゲームの画面越しじゃない。


 絵でもない。


 目の前に、本物のスライムがいるのだ。


 この目でもっと近くから見たい。


 できることなら両手で持ち上げて、ぷにぷにしてみたい。


『ああああ、近くに行きたい! 触りたい! 一回だけでいいから触らせてぇぇぇ!』


 そんな私の願いなど知るはずもなく、青いスライムは花の陰から再びひょこっと顔を出し――


 ぷるん。


「……かわいい」


 思わず声が漏れた。

 

「お兄様! あれは何ですか!? あの奥にいる青いのです!」


 私が勢いよく立ち上がりながら指さすと、アスターお兄様、それにシルヴァンお兄様がそろって振り返った。


「あー。あれね。スライムだよ」


 シルヴァンお兄様が、なんでもないことのように答える。


「ただの魔獣だ。しかも弱い。無害といってもいい。わざわざ倒すこともしないやつだな」


 アスターお兄様も、特に警戒する様子もなく言った。


「スライムはね、何でも食べるけど、別に畑を荒らしたり人を襲ったりはしないんだよ。だから、そのままにしてあるの。唯一、この国の結界を通れる魔獣でもあるね」


 シルヴァンお兄様の説明に、私はますます目を輝かせた。


『やっぱりスライム様……!』


 この世界にもいた!


 しかも本当に青くて、透き通っていて、ぷるぷるしている!


『かわいい……! 本物のスライム様だ……!』


 胸がどきどきする。


 こんなもの、近くで見ないわけにはいかない。


「お兄様! あれ! 触っていいですか!?」


「えっ?」


 シルヴァンお兄様がぱちぱちと目を瞬かせる。


「触りたいの? いいけど……スライムなんてそこらじゅうにいるよ?」


 許可が下りた。


 ――その瞬間だった。


 私は椅子から飛び降り、そのまま一目散にスライムへ向かって駆け出した。


「フリー!?」


「おい、待て!」


 後ろでアスターお兄様の声がしたけれど、今の私の耳にはほとんど入ってこない。


 だって、目の前にはスライム様がいるのだ。


 しかも逃げるでもなく、花壇のそばでぷるぷると揺れている。


『近い……! 本当に近い!』


 あと少し。


 あと数歩。


 私はスライムの前でぴたりと止まった。


 近くで見ると、ますます可愛い。


 まるくて、青くて、光を受けてつやっとしていて、体の中が少し透けて見える。


 ぷるん、と体を揺らすたびに、表面が水のようにきらきらした。


『うわぁぁぁ……! 本物! 本物のスライム様だぁ……!』


 私が勢いよく近づいたせいか、スライムは少しだけびくっと体を揺らした。


 けれど、逃げる様子はない。


 私はその場にしゃがみ込み、目の前のスライムをじーっと観察した。


『近くで見ると、本当にぷるぷるしてる……』


 青く透き通った体。


 そして、よく見ると――


『あ。お豆みたいな目がある』


 ちょこんとついた、小さな目。


 かわいい。


 あまりにもかわいすぎる。


 我慢できず、私はそっと指先を伸ばした。


 ちょん。


 ぷるるんっ。


「……っ!」


 触れたところから波が広がるように、スライムの体がぷるぷると揺れた。


「スライムだぁ……!」


 思わず感動の声が漏れる。


『本物だ……本当にスライムだ……!』


 私はまた、飽きもせずじーっと見つめた。


 すると――


 ちょん、ちょん。


「ん?」


 スライムが何かに触れている。


 視線を落とすと、いつの間にか手に持ったままだったクッキーを、スライムが体の端でちょんちょんとつついていた。


「えっ? ほしいの?」


 そう聞くと、スライムがわずかに上下に揺れた。


 ……頷いた?


『今、頷いたよね?』


「どうぞ」


 私はクッキーを差し出した。


 するとスライムは、クッキーをぱくっと食べる――のではなく、そのまま体の中へ取り込んだ。


「わぁ……」


 透明な体の中に入ったクッキーが、少しずつ溶けていくのが見える。


『食べた……!』


「美味しい?」


 そう尋ねると、スライムは体の一部をぴょこんと持ち上げた。


 まるで小さな手を挙げたように見える。


「ふふっ」


『今の絶対、美味しいって言った!』


 そんなことをしているうちに、後ろからお兄様たちがようやく追いついてきた。


 もっとも、私とは違って急ぐ気はなかったらしく、二人とも普通に歩いてくる。


「スライムなんて珍しくないぞ、フリー」


「そんなに見なくても、どこにでもいるよ。ほら、そろそろあっちに戻ろう」


 私はぱっと振り返った。


「お兄様! 今、スライムが反応しました!」


「反応?」


「はい! お菓子がほしいって言ったんです! それに、美味しい?って聞いたらちゃんと答えてくれました!」


 私はもう一度スライムを見て、頬を緩める。


「しかも、ぷるぷるです……ふふ」


 アスターお兄様が眉をひそめた。


「……スライムが反応?」


 シルヴァンお兄様も、少し不思議そうに首を傾げる。


「そんなことはないだろう」


「え?」


「スライムは食べ物に寄ってくることはあるけど、人の言葉を理解して返事をするような魔獣じゃないよ」


「でも、今ちゃんと――」


 私はスライムを見る。


「ね?」


 そう声をかけると、


 ぷるん。


 スライムは私のほうへ体を傾けた。


「ほら!」


「…………」


 お兄様たちが黙る。


 そしてスライムは、さらに私の足元へ近づいてきた。


 ぴたり。


 靴の先にくっつく。


「ふふ。かわいい」


 私は嬉しくなって、またそっと頭らしき場所を撫でた。


 ぷるるん。


 するとシルヴァンお兄様が、さっきより少し真剣な顔でスライムを見つめた。


「……本当に、反応してる?」


 アスターお兄様も腕を組む。


「偶然じゃないのか?」


「じゃあ、試してみます!」


 私はもう一度スライムに向き直った。


「スライムさん。クッキー、もう一枚ほしいですか?」


 スライムは――


 ぴょこんっ。


 今度はさっきよりもはっきりと、嬉しそうに跳ねた。


「ほらぁ!」


 私が得意げに振り返ると、お兄様たちはそろって言葉を失っていた。

 私はもう一度目を合わせた。


「君、すごいスライムなんですか?」


 ぷるん。


「ふふっ」


 私は嬉しくなって、スライムに向かってひょいっと手を上げた。


「よっ!」


 すると――。


 ぷるん。


 スライムの体の一部が、まるで触覚のようににゅっと伸びた。


 そして私の真似をするように、ぴょこっと持ち上がる。


「……!」


『今、挨拶した!』


「お兄様! 見ました!? 今、よってしてくれました!」


 興奮して振り返ると、シルヴァンお兄様が少し目を細めてスライムを見つめた。


「……その子、特殊個体かもね」


「特殊個体?」


 聞き慣れない言葉に首を傾げる。


「うん。魔獣ってね、基本的には同じ種類なら姿や色もほとんど同じなんだよ」


「そうなんですか?」


「そう。でも、ごく稀に普通とは違う個体が生まれることがあるんだ」


 シルヴァンお兄様はスライムを指さした。


「色が違ったり、体が大きかったり、普通より強かったり。それだけじゃなくて、魔法を使えたり、知能が高かったりすることもある」


 アスターお兄様も腕を組みながら続ける。


「要するに、同じ魔獣でも何かしら普通にはない能力を持ってるやつだな」


「へぇ……」


「そういうのを特殊個体って呼ぶんだよ」


 私は改めて目の前のスライムを見る。


 青くて透明で、ぷるぷる。


「でも、この子……見た目は普通のスライムですよね?」


「そこなんだよね」


 シルヴァンお兄様が少し考えるように顎へ手を当てた。


「見た目は普通だけど……人の言葉に反応して、動きを真似するスライムなんて僕は見たことないよ」


「俺もないな」


 アスターお兄様も頷く。


「じゃあ、この子は知能が高い特殊個体ってことですか?」


「可能性はあるね」


「……!」


『特殊個体のスライム様……!』


 ただでさえ憧れのスライムなのに。


 しかも特殊個体かもしれないなんて。


『なんか、すごい子に出会っちゃったんじゃない!?』


 私はもう一度スライムを見る。


「よっ!」


 手を上げる。


 するとスライムも――。


 ぴょこっ。


 さっきと同じように体の一部を持ち上げた。


「ほらぁ!」


「……本当に真似してるな」


 アスターお兄様が少し驚いた顔をする。


 私は嬉しくなって、スライムの頭らしきところをそっと撫でた。


 ぷるるん。


「ふふっ」


『かわいい……』


 そこで、ふとあることを思い出した。


『よくファンタジーだと、魔獣契約とかあるよね』


 精霊とは契約できる。


 だったら、魔獣と契約する方法があってもおかしくない気がする。


『精霊契約があるなら、魔獣契約だってありそうだけど……』


「お兄様、魔獣契約ってないのですか?」


「魔獣契約!?」


 アスターお兄様が、何を言っているんだという顔で私を見る。


「そんなの聞いたことないぞ」


「本当ですか?」


「僕も聞いたことないね」


 シルヴァンお兄様も首を横に振った。


「でも、誰か鳥とか……そういう魔獣を連れて歩いている人はいないんですか?」


「いないなぁ」


 アスターお兄様が即答する。


 しかしシルヴァンお兄様は、少し考え込んだあと「あ」と声を上げた。


「いや、いたよ」


「えっ!」


「鳥を連れている人。あれが魔獣なのかは、僕もよく分からないけど」


「誰だ?」


「ロータス兄さんの婚約者の国にいたじゃない。いつも鳥と一緒にいる人」


「あー!」


 アスターお兄様も思い出したらしい。


「カトレアの従兄弟にあたるやつか」


「そうそう」


「でも、もういい年だろ?」


「お父様たちより年上の方だった気がします」


「へぇ……」


『いるじゃん!』


 私は期待を込めて二人を見る。


「じゃあ、その方は魔獣と契約しているんですか?」


「いや、契約しているかどうかまでは知らないよ」


「ただ懐いてるだけかもしれないしな」


「むぅ……」


 すると今度はアスターお兄様が何かを思い出したように顔を上げた。

「あっ。そういえば、鬼人族の長老もルシェルと一緒にいたな」


「ルシェル?」


「ほら、でかいやつ」


「「前にサネカゲさんがまだ生きていた頃、鬼人族の里へ遊びに行ったことがあっただろ?」


「あったね。僕、まだフリージアくらいの歳だったよ」


「そのとき、長老にも挨拶したよな。サネカゲさんが言ってたじゃないか。長老が若い頃に出会ったルシェルで、それからずっと一緒にいるって」


「あー……言ってたかな」


 シルヴァンお兄様は少し考えるように腕を組んだ。


「僕、小さかったから、そこまで詳しい話は覚えてないよ」

 シルヴァンお兄様は少し考えるように腕を組んだ。


「でも、契約してるとは言ってなかったぞ」


「そうなんだ……」


 私は少しだけ肩を落とした。


 けれど、シルヴァンお兄様はそのまま続ける。


「それにしても、長老って相当長生きだよね」


「そうそう。鬼人族の寿命って、確か千年くらいだろ?」


「そう。だけど長老は父上たちより少し年上だから……たしか千三百年くらい生きてるはずだよ」


「千三百年!?」


 思わず声が裏返った。


『三百年も寿命を超えてる!?』


「まあ、鬼人族でも長生きする人はいるけど、それでもかなり珍しいよ」


「そうなんだ……一度、会ってみたいな」


 長老と、若い頃からずっと一緒にいるルシェル。

 契約ではないと言うけれど、本当にただ懐いているだけなのだろうか。

 お兄様たちの話を聞いているうちに、どんどん興味が湧いてきた。


『いつか鬼人族の里にも行ってみたいな』


 そんなことを考えながら、私は足元のスライムへ視線を戻した。


 ぷるん。

 相変わらず、私のそばを離れる気配はない。


「……さて」


 私はスライムの前にしゃがみ込む。


『この子、どうしよう』


 連れて帰っていいのか。


 このまま庭園で自由にさせておくのか。


 それとも――。


 じーっと見つめていると、スライムもこちらを見返すように、ぷるんと揺れた。


『……やっぱり、このまま置いていくのは嫌だな』


 私は早くも、この小さなスライムとこれからどう過ごそうか考え始めていた。


部屋に戻ってからも、私はずっとスライムの名前を考えていた。


『うーん……せっかくだし、可愛い名前がいいよね』


 ベッドのそばでは、当のスライムが何も知らない顔でぷるぷると揺れている。


 その姿を眺めながらあれこれ考えていると――。


 コンコン。


 扉が鳴ったかと思えば、返事をするより先にお父様が入ってきた。


 そしてスライムを見るなり、案の定、表情を険しくした。


「フリー。魔獣をそんな近くに置いてはいけない」


 その後ろから、アスターお兄様とシルヴァンお兄様も入ってくる。

 二人とも妙に静かだ。


『……たぶん、先に怒られたな』


 なんとなく分かった。

 お父様は私の前まで来ると、改めてスライムを指さした。


「いいか。いくら弱いとはいえ魔獣なんだ。一緒にいては危ない。何かあってからでは遅い」


「……」


「倒せとは言わない。だから今すぐ城内から出しなさい」


 お父様は完全に興奮している。


 でも、私は逆に冷静だった。


「お父様、聞いてもいいですか?」


「なんだ?」


「お父様がスライムに出会ったとき、スライムを見て怖いと思いますか?」


「いや、思わない。だからそうじゃなくて――」


「じゃあ、スライムは襲ってきますか?」


 少し食い気味に尋ねる。


「……襲ってくることはある」


「襲ってきたとして、強いですか?」


「いや。怖くはないし、強くもない」


「では、お父様はスライムを触ったことがありますか?」


「ある」


「痛かったですか?」


「いや……」


 お父様は一瞬だけ言葉に詰まった。


「ぷるぷるしていた」


「…………」


 私は黙った。


 お父様も黙る。


 私はにっこり笑った。


「じゃあ、大丈夫ということですね♡」

 そう言うと同時に、こてんと首を横に傾ける。


「…………」


 お父様の口がわずかに開いた。


「いや、だからそういう話では――」


 ぷるん。

 ちょうどそのとき、スライムが私の足元で小さく揺れた。

 私はますます笑顔になる。


「ほら。こんなに大人しいですよ?」


「フリー……」


「怖くない。強くない。触っても痛くない。しかもぷるぷる」


 私は指を一本ずつ折りながら数える。


「どこが危ないんですか?」


「…………」


 お父様は完全に言葉を失った。

 その後ろで、アスターお兄様が小さく肩を震わせる。


「……笑うな、アスター」


「笑ってないです」


「兄上、顔がもう笑ってるよ」

 シルヴァンお兄様まで口元を押さえ始めた。

 私はそんな三人を見ながら、そっとスライムを撫でる。


 ぷるるん。


『よし。この勝負、私の勝ちかも』

 お父様はしばらく黙っていた。


 それから何も言わず、くるりと背を向けて扉のほうへ歩き出す。


『……あれ?』


 もしかして、諦めた?


 そう思った瞬間、お父様は扉の前でぴたりと足を止めた。


「ダリアン! ラン!」


「はい!」


 二人がすぐに返事をする。


「よく見張れ!寝るときは、スライムを囲うように結界を張れ。勝手に部屋を出ないようにな!」


 お父様は振り返り、念を押すように言った。


「分かったな!」


「はい。かしこまりました」


「かしこまりました!」


 ダリアンとランが揃って頭を下げる。


 つまり。


『一緒にいていいってことだよね?』


 思わず頬が緩む。


 そんな私の横で、アスターお兄様はますます笑いをこらえていた。


「アスター!こい!」


「はいはい」


「返事が軽い!」


 お父様はアスターお兄様を睨みつけると、今度こそ部屋を出ていった。


 アスターお兄様は肩を揺らしながら、こちらへ手を振った。

「じゃあな、フリー」


続いてシルヴァンお兄様も「またね」


「はい! またね、お兄様!」


 扉が閉まる。

 部屋の中が静かになると、私はゆっくりスライムへ視線を落とした。


 ぷるん。


「ふふ」


 私はソファに倒れ込む。


「よかったね。追い出されなくて」


 スライムは返事をするように、ぷるぷると揺れた。


『さて……』


 私は頬杖をつきながら、その青く透き通った体をじっと見つめる。


『次は名前だよね』


 せっかく一緒にいられることになったのだ。


 いつまでも「スライム」では少し寂しい。


「どんな名前がいいかなぁ……」


 ぷるん。


『この子にぴったりの名前、つけてあげたいな』

 

「決めた!」


 私はぱっと顔を上げた。

「君の名前は――ラムネ!」


 ぷるん。


「ラムネ色だから、ラムネね!」

 青く透き通った体を見ながら、我ながらぴったりだと思う。


『うん。絶対これ!』


 スライムは嬉しそうにぴょこんと跳ねた。


「ふふっ。気に入った?」


 ぷるるん。


「よし! 今日から君はラムネです!」

 私は満足げに頷いた。

 ラムネは、本当に人の言葉が分かるようだった。


 私と簡単な遊びをしたり、剣術の練習をしているときには、近くで細い木の枝を持って私の真似をしたりする。


「えいっ!」


 私が木剣を振れば、


 ぴょこっ。


 ラムネも枝を持ち上げる。


「ふふっ。上手、上手!」


 そんなラムネだけれど、一番上手に扱っているのは私ではなく、ランだった。


「ラムネ、これをフリージア様のお部屋へお願いします」


 ぷるん。


 ランがお願いすると、ラムネは素直に従う。


 着替えを運んでくれたり、お茶の用意を手伝ったり、ときには小物を私のところまで届けてくれたり。


 最初こそ大丈夫なのかと思ったけれど、これが意外なほどスムーズだった。


『……私よりランの言うこと聞いてない?』


 少しだけ複雑だ。


 とはいえ、今ではラムネもすっかりランと一緒に私のお世話をしている。


『なんだか、私のメイドが一人増えたみたい』


 もちろん、スライムだけど。


 そんなラムネを連れて城内を歩いていたものだから、最初の頃はかなり噂になった。


「フリージア様が魔獣を連れて歩いているらしい」


「危険ではないのか?」


「突然襲われたりしないのか?」


 中には、


「近づいたら呪われるらしい」


 なんて、とんでもない話まで出ていた。


『いやいや、スライムですよ?』


 しかもラムネは、そんな噂など知る由もなく、私の後ろをぷるぷるついて歩くだけ。


 相手はスライム。


 しばらく見ていれば、危険ではないことくらいすぐに分かる。


 噂もあっという間に落ち着いていった。


 それどころか、今度は別の噂が広まり始めた。


「フリージア様のスライムは、人の言葉が分かるらしい」


「頼まれたことまでできるそうだ」


「やっぱり普通のスライムじゃないんじゃないか?」


「フリージア様の力なのでは?」


 いつの間にか、危険な魔獣という話よりも、知能の高い不思議なスライムとして有名になっていた。


『いや、それ私の能力なのかな……?』


 私にも分からない。


 でも――。


「ラムネ、おいで!」


 ぷるんっ。


 名前を呼べば、今日もラムネは嬉しそうに私のところへやってくる。


『まあ、いっか』


 ラムネが楽しそうなら、それでいい。


ラムネが間違って退治されてしまわないように、目印をつけることにした。


「これなら分かりやすいよね」


 私は愛用しているリボンのひとつを取り出し、ラムネのてっぺんにちょこんとつけた。


 青く透き通った体の上で、リボンがふわりと揺れる。


「うん。かわいい!」


 ぷるん。


『これで一応、ラムネだって認識してくれるはず』


 それに、ラムネは私と一緒にいるせいか、人と同じ食べ物を好むようになっていた。


『知能があると、舌まで肥えるのかな?』


 少し不思議に思う。


『スライムって、何でも食べるんじゃなかったっけ?』


 そんなことを考えていたある日。


 ラムネと一緒に庭園を散歩していると――。


「あっ!」


 少し先に、青くてぷるぷるしたものが見えた。


「またスライム!」


 しかも一匹ではない。


「三匹もいる!」


 私はすぐにラムネへ顔を向ける。


「ラムネ、あれ仲間?」


 ぷるん、ぷるん。


 ラムネが体を揺らした。


『そうだよって言ってるみたい』


「行ってみよう!」


 私はラムネと一緒に、三匹のスライムへ近づいた。


 けれど、近くまで行ってみると――。


「……あれ?」


 なんとなくだけど、分かった。


『ラムネとは違う』


 見た目はよく似ている。


 同じ青い体で、同じようにぷるぷるしている。


 でも、雰囲気がまるで違った。


「こんにちは」


 声をかけてみる。


 三匹のスライムは、こちらを向いたような気はするけれど、それだけだった。


 私は試しに片手を上げる。


「よっ!」


 ラムネなら、いつものように体の一部を伸ばして真似をする。


 けれど三匹は、ぷるぷると揺れるだけ。


「……」


 私はもう一度手を上げた。


「よっ!」


 やっぱり、反応はない。


『なるほど……』


 私は隣にいるラムネを見る。


「ラムネ、よっ!」


 するとラムネはすぐに、体の一部をにゅっと伸ばした。


 ぴょこっ。


「ふふっ。やっぱり」


 こうして比べてみると、よく分かる。


 三匹のほうが、きっと普通のスライムなんだ。


 そしてラムネは――。


『やっぱり、ちょっと特別なんだね』


 私はラムネを見ながら、ふと思った。


「ラムネ、スライムたちとお話しはできる?」


 そう聞くと、ラムネは体の一部をぴょこんと持ち上げた。


『できるってことかな?』


 するとラムネは、ぴゃっと一歩だけ三匹のスライムへ近づいた。


 ぷるん。


 ぷるぷる。


 何を話しているのかは分からない。


 けれど、ラムネが体を揺らすと、三匹のスライムもそれに反応するように揺れている。


『……挨拶してる?』


 しばらく見ていると、なんとなくだけど分かってきた。


 ラムネは私たちの言葉が分かるだけじゃない。


 普通のスライムとも、ちゃんと意思疎通ができるらしい。


「へぇ……」


 私は少し考えてから、ラムネにお願いしてみることにした。


「ねぇ、ラムネ」


 ぷるん。


「そのスライムさんたちに、私についてきてって言える?」


 ラムネは一度こちらを見たあと、再び三匹のスライムのほうへ向き直った。

 たぶん、ちゃんと伝えてくれている。


 しばらくすると、ラムネが私のほうを向いて、体の一部を丸くするように動かした。


『……今の、○ってこと?』


「OKなんだね。ありがとう」


 そう言いながら、私は三匹のスライムを見る。


『ほんとに伝わったんだ……しかも、ついてきてくれるんだ』


 そこまではよかった。


 でも――。


『……で、どうしよう』


 ラムネみたいにお手伝いができるわけじゃない。


 それに、この三匹まで城内に置いておくわけにもいかない。


 私と意思疎通ができるのは、あくまでラムネだけだ。


 そんなことを考えながら、とぼとぼと歩いていると、隣にいたランが口を開いた。


「お嬢様、そのスライムたちはどうするおつもりですか?」


「んー……」


 私は三匹を見る。


「どうしよっか!」


 自分で連れてきておいて、完全にノープランである。


 そのとき、ふわっと鼻先にいい匂いが漂ってきた。


「……いい匂い」


 気づけば私は、スライムたちを連れたまま調理場まで来ていた。


 中へ入ると、料理長がこちらを見て目を丸くする。


「フリージア様! スライム、増えてますよ!」


「う、うん……」


 私は苦笑いを浮かべた。


『ここに来ても、やることは……ない』


 なんとなく来てしまっただけだ。


 どうしようかとぼーっとしていると――。


 ぴょんっ、ぴょんっ。


「ん?」


 ラムネが何度も跳ねて、何かを訴えている。


 そして体の一部を伸ばして、調理場の外を指すような仕草をした。


「……あっち?」


 ぷるん。


「行くの?」


 もう一度聞くと、ラムネはまた反応した。


 私はランと顔を見合わせてから、ラムネたちと一緒に調理場を出た。


 向かった先は、城の外に設けられている生ゴミ置き場だった。


「うっ……」


 近づいた瞬間、思わず鼻を押さえる。


『くさい……』


 当然だけど、生ゴミの臭いがすごい。


 ここには調理場から出た生ゴミが集められていて、定期的に火魔法でまとめて燃やすことになっている。


 周囲には火に強い結界が張られていて、臭いが外へ漏れたり、火魔法が周囲へ飛んだりしないようになっていた。


『でも、なんでここに?』


 ラムネを見る。


 するとラムネは、三匹のスライムに向かって何かを伝えるように体を揺らした。


 ぷるん。


 ぷるぷるっ。


 その直後――。


 三匹のスライムが嬉しそうにぴょんぴょん跳ね、そのまま生ゴミ置き場の中へ入っていった。


「え?」


 私は目を丸くする。


 三匹は生ゴミの中へ近づくと、そのまま次々と体の中へ取り込み始めた。


『……食べてる?』


 ラムネが私の隣で体の一部を伸ばす。


 まるで、


『あれ!』


 と教えてくれているようだ。


 視線の先を見る。


「……うわ」


 たぶん、動物の内臓だ。


 見た目はかなりエグい。


 けれど三匹のスライムは気にする様子もなく、むしろそれを好んで食べているようだった。


『なるほど……』


 私はようやく分かってきた。


 ラムネは、この子たちをここへ連れてきたかったんだ。


「ラムネ、あのスライムたち、これを食べてくれるの?!」


 私が尋ねると、ラムネはぴょんぴょんと跳ねた。


 まるで、「そうだよー」と答えているみたいだった。


 その様子を見ていた料理長も、気になったのか一緒についてきていた。


 三匹のスライムが生ゴミを取り込んでいく様子を眺めながら、料理長がぽつりと呟く。


「これ、意外とありがたいですね」


「そうなの?」


 私が聞き返すと、料理長は生ゴミ置き場へ視線を向けたまま頷いた。


「はい。やっぱり生ゴミは臭いますからね。火魔法で処理してくれる兵士たちの負担も減りますし」


『そっか……』


 私は改めて、三匹のスライムを見る。


 さっきまでどうしようかと思っていたけれど、もしかしたら、この子たちにもちゃんと役割があるのかもしれない。

「料理長。じゃあ、このスライムたち、試しにここに置いてもいい? 次に火魔法で処理するまで」


 私が尋ねると、料理長は少し考えてから生ゴミ置き場を見回した。


「おっ、いいですよ」


「ほんと?」


「ええ。ここなら、まあ多少荒らされたところで、どのみち最後は燃やしますからね」


 料理長は入口の扉を指さす。


「扉もありますし、閉めておけば脱走することもないでしょう」


「そっか!」


 それなら、しばらく様子を見るにはちょうどいい。


 私は生ゴミを食べ続けている三匹のスライムを見る。


「じゃあ、次の火魔法までここにいてもらおう!」


 そしてラムネに顔を向けた。


「ラムネ、この子たちに伝えてくれる?」


 ぷるんっ。


 ラムネは元気よく体を揺らすと、三匹のスライムのほうへぴゃっと近づいていった。


スライムたちを生ゴミ置き場に置いてから、しばらくが経った。


 そして今日は、ちょうど火魔法で生ゴミを処理する日だ。


『ちゃんと大人しくしてるかな』


 少し気になって、私も様子を見に行くことにした。


 料理長と、今日のゴミ燃やし当番の兵士も一緒だ。


「じゃあ、開けますね」


 料理長が扉を開ける。


「……え?」


 思わず声が出た。


 中には――何もなかった。


 あれだけ積まれていた生ゴミが、一つもない。


「……全部、食べたの?」


 しかも、それだけではない。


『臭くない……』


 あの強烈だった生ゴミの臭いが、ほとんど残っていなかった。


 私は中へ入って、さらに目を丸くする。


「……あれ?」


 よく見ると、床も壁も妙にきれいだ。


 というより――。


『光ってない?』


 汚れまできれいに消えて、壁も床もつるつると光っているように見える。


 料理長も呆然と周囲を見回した。


「いやぁ……驚きました。スライムにこんな力があったとは」


 兵士も何度も頷く。


「はい。僕も初めて見ました」


 そして、何も残っていない生ゴミ置き場を見る。


「どうやら、今日の僕の仕事はなさそうです」


「すごいね……」


 私は三匹のスライムを見る。


「思った以上に、すごい働きだ」


 ぷるぷる。


 三匹は何事もなかったように揺れている。


 私は料理長へ振り返った。


「料理長、このスライムたち、ここにいてもいいかな?」


「えっ?」


 料理長は一瞬だけ驚いた顔をした。


「え、あ……ええ! もちろんです!」


 今度はすぐに頷く。


「これだけきれいにしてくれるなら、むしろ大歓迎ですよ。清潔も保てますし」


「よかった!」


 私はラムネを見る。


「ラムネ、このスライムたちに、ここにいてもいいか聞いてくれる?」


 ぷるん。


 ラムネは三匹のところまで歩み寄ると、何やら体を揺らし始めた。


 ぷるぷる。


 ぴょこん。


 しばらくして、ラムネがこちらへ振り返る。


 そして体の一部で、大きな○を作った。


「いいって!」


「おお、それは助かります!」


 料理長は嬉しそうに手を叩いた。


「では、さっそく昨日の分を持ってきますね」


「えっ、もう?」


「ええ。こういうのは早いほうがいいですから!」


 料理長はすっかり乗り気だった。


 私は三匹のスライムを見る。


『まさか、生ゴミ処理係になるとは……』


 でもスライムたちが嫌がっていないなら、これが一番いいのかもしれない。

 

 ぷるん。


「料理長、もしスライムたちに何か伝えたいことがあったら、ランに声をかけてラムネを呼んでね」


「分かりました」


「ダリアン殿ではだめなのですか?」


 料理長に聞かれて、私は少し考える。


「うん。何故か私とランの言うことは聞くんだけど、ダリアンはだめなの」


「そうなのですか?」


「うん。でも、ガルド、フジとリンドールは平気だったなぁ」


 指折り数えながら、今までのことを思い出す。


「お兄様たちだと、ロータスお兄様だけはちゃんと反応したよ」


「では、アスター様やリリィ様、シルヴァン様には?」


「だめだった」


 私は首を横に振った。


「お父様もだめ。でも、お母様には反応したの」


「……随分と好みがありますね」


「ね。不思議でしょ?」


 私はラムネを見る。


「ラムネ、何が違うの?」


 ぷるん。


「……それじゃ分からないよ」


 思わず苦笑する。


 誰にでも言うことを聞くわけではない。


 けれど、特定の人にはちゃんと反応する。


『ラムネなりに、何か基準があるのかな?』


 今のところ、その違いが何なのかは私にも分からなかった。

 

 今日から三匹のスライムには、城の中で立派な仕事ができた。

 

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。