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無力の俺による世界革命物語──早くて安くて美味い料理を知った。クソマズ飯しかない世界を変えようと思う。──  作者: 御魂海色
第三章 クエストを受けよう

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第18話 武器ゲット

「……って貴方、どこかで見たことあるわね」


 不思議そうに俺の顔を覗き込む女。


「急に何すんだテメェ!」


「いったぁ!?」


 そんな彼女に俺は頭突きをお見舞いしてやる。あまりに急に攻撃されてしまったことでムシャクシャしてついやり返してしまった。


「何すんのよ!」


「こっちのセリフだわ! 急に殴ってきやがって!」


 俺はただ通りすがっただけだというのに。金の無い俺とはいえ盗賊に加担したりはしない。これでも伯爵家の長男だぞ。


「盗賊なんだから殴られても文句言わないでよ!」


「盗賊じゃねえから文句言ってんだよ!」


「嘘吐かないで!」


「嘘じゃねえって!」


 俺はそう言って、ギルドカードを見せつけた。


「サントール・クロムス……Fランクの冒険者?」


「そうだよ。歩いてたら路地裏から声が聞こえてきて、気になったから見ただけなんだ」


 盗賊は基本的に冒険者登録をしていない者が多い。中には冒険者から盗賊に成り下がった者もいるが、稀である。


 なぜなら冒険者になったのなら人の物を盗む必要が無いからだ。そんなことをするならクエストを受けた方が良いからな。


 だからギルドカードがあるだけで盗賊でないことは殆ど証明出来るというわけだ。


「ってサントール! もしかして貴方、大通り沿いで飲食店を開こうとしているサントールね!?」


「ああ、そうだけど……」


 俺の事を知っているのだろうか。というか知っているならなぜ俺を盗賊と勘違いして殴り飛ばしたのか。


「おじいちゃんが楽しそうに話していたの。会えて嬉しいわ」


「おじいちゃん……?」


 はてさて、俺はコイツの祖父と会ったことがあっただろうか。


「私はレイチェル・バール。よろしくね」


「あぁ……よろしく」


 嬉しそうに手を差し出してきたので、俺はそれを恐る恐る掴む。するとブンブンと腕を振り回されてしまった。


 バール……どこかで聞いたことのある気がするファミリーネームだが、どこだっただろうか。


「私の祖父、トーレン・バールからお店を貰ったんだってね」


「あぁ! トーさんのお孫さんなのか」


 名前を出されたことで俺はようやく彼女との接点に気づくことができた。


 なるほど。コイツはトーさんの家族なのか。


 似ている点は全くと言っていいほど無いが、まあ孫だしそういうこともあるか。


「羨ましいわ。私が幾ら言ってもお店を継がせてくれなかったもの」


「そうなのか?」


 腹の痛みを感じながら立ち上がると、彼女は少し視線を落としながらそんなことを言った。


「小さい頃に何言っても修行させてくれなかったの。お店も継がせようとはしなかったな。私結局武器職人になっちゃったんだけどね」


 確かに子供は両親や祖父母の仕事に憧れを持つことが多い。


 ただそうか。彼女は料理人にはならず武器職人になったのか。


 確かに職人という点では通ずるものがある。そう考えると血が繋がっていると言われても納得できる。


「武器職人ってことは、弓とか売ってたりしないか?」


「弓?」


 そこで俺は本来の目的を思い出し、目の前の女に訊いた。


「そう弓矢。できれば丈夫なヤツがいいんだけど」


 そういえば今の俺はあのクランを待たせているんだった。トーさんの孫と戯れている時間は無い。


「丁度いいのがあるわよ」


 彼女はそう言って、路地裏から大きなカバンを持ってきた。


 中をごそごそしている過程でチラッと中身が見えたのだが、流石というべきか、カバンの中には多種多様な武器が入っていた。中には見たこともないような武器まである。


「これなんてどお?」


 彼女はウキウキと楽しそうな顔をしながらカバンから何かを取り出した。


「おぉ。いいかもしれない」


 手渡されたものは、金属製の弓だった。弦まで金属で作られているらしくずっしりしていて随分と丈夫そうだ。


「それ特殊な魔金属を使用しているの。金属なのにしなるから弓として使えるのよ」


 魔金属というのは、魔力を含んだ金属の総称である。


 既存の金属のようなものもあれば面白い特性を持ったものまで、様々なものがある。レイチェルはそこに目を付けたらしい。


「でも欠点があって没にしたんだけどね」


「欠点?」


「硬すぎるのよ、それ。しなる金属とはいえ金属だからね。人の力では扱えないの」


 それは本末転倒というものではないだろうか。とは思っても口にしない。


「それでいい。貸してくれ」


「使えないのよ?」


「俺、馬鹿力らしいから。問題ない」


 元々俺の力に耐えられるものを探していたので、これは丁度いいものだった。


 俺でも使えないほど硬かったのであればどうしようもないが、その時はその時だ。


「まあそこまで言うなら貸してあげるけど、文句は言わないでね」


「おう。任せろ」


 借りておいて文句なんて言うわけがないだろう。


 ニヤッと笑って、俺はレイチェルからその金属製の弓を受け取った。


「弓使うなら当然矢も必要でしょ。これもあげるわ」


 レイチェルはそう言ってカバンの中から皮で作られた矢筒を取り出して投げ渡してくれる。


「サンキュ、またなッ!」


 そのカバンの中身どうなってんだよ、と思いつつも矢筒をキャッチして、感謝の言葉を述べつつ走り出した。


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