試験本番
絶対に落ちねぇ
中間試験本番(整備・体力・座学)
試験当日の朝。
養成所の空気は、いつもより重く、静かだった。
遼は風見の工具袋を握りしめ、
深く息を吸った。
(……絶対に落ちねぇ)
同期たちもそれぞれの想いを胸に、
試験会場へ向かう。
整備場に候補生たちが並ぶ。
黒川が腕を組んで言う。
黒川「整備は嘘つけねぇ。
手が正直に動くかどうかだ。
誤魔化しは効かんぞ」
エンジン分解・組み立て。
黒川の地獄メニューを耐えた成果が出る。
遼
黒川は遼の手元を見て、
わずかに頷く。
黒川「……悪くねぇ」
遼の胸が熱くなる。
あかり
苦手な整備。
でも、負けず嫌いの火が消えていない。
あかり「……落ち着いて……触って……感じて……」
黒川は横から言う。
黒川「佐伯。
昨日より“手が嘘ついてねぇ”」
あかりは小さく笑った。
まどか
細かい作業は得意。
震える手を押さえながら、丁寧に進める。
黒川「桐生。
お前は伸びる。
その手はいい手だ」
まどかは涙をこらえながら頷く。
三浦
ネジを落とすたびに黒川の視線が刺さる。
三浦「ひぃぃぃ……!」
黒川「三浦。
落ち着け。
焦る手は嘘をつく」
三浦「はいぃぃぃ!!」
高梨
走行は得意だが整備は苦手。
でも意地で食らいつく。
高梨「くそ……ここで遼に負けるわけには……」
黒川「高梨。
雑だ。
丁寧にやれ」
高梨「ちっ……!」
無駄のない動き。
兄の影を背負いながらも冷静。
ひかり
黒川「白石。
お前は“怖さ”を知ってる手だな」
ひかりは静かに頷く。
成瀬
社会人らしい段取りの良さで乗り切る。
黒川「成瀬。
悪くねぇ。
丁寧だ」
成瀬「ありがとうございます」
颯斗
才能型。
整備もそつなくこなす。
黒川「……神谷。
器用だな」
颯斗「別に。
落ちるわけにいかないだけです」
遼
必死に食らいつく。
風見の言葉が背中を押す。
(……風を掴むために……絶対に落ちねぇ)
高梨
圧倒的なスピード。
遼にとって“越えるべき壁”。
高梨「遼、遅ぇぞ!」
遼「うるせぇ……!」
ひかり
無駄のないフォーム。
兄の影を背負いながら走る。
ひかり(……兄が見ていた景色……私も見る)
三浦
叫びながら走る。
三浦「死ぬぅぅぅ!!」
榊「死なねぇよ。走れ」
まどか
転びそうになりながらも諦めない。
まどか「はぁ……はぁ……まだ……走れる……」
成瀬「まどか、ペース落とせ!倒れるぞ!」
成瀬
体力は弱いが、精神力で食らいつく。
成瀬(……家族のために……絶対に落ちない)
あかり
社会人根性で最後まで走る。
あかり「……はぁ……絶対に……負けない……」
颯斗
誰よりも速い。
才能の塊。
榊「神谷……速いだけじゃダメだぞ」
颯斗「分かってます」
遼
必死に覚えた内容を思い出しながら書く。
(……絶対に落ちねぇ……)
ひかり
冷静に解く。
兄の事故を思い出しながら、安全項目に力が入る。
成瀬
社会人経験で座学は強い。
成瀬(……ここは落とせない)
あかり
整備理論は苦手だが、努力で食らいつく。
あかり「……えっと……このトルク値の意味は……」
まどか
整備理論は得意。
静かに集中して解く。
三浦
焦りながらも必死。
三浦「うわぁぁぁ……!」
高梨
走行理論は強いが整備理論は苦手。
高梨「くそ……ここで遼に負けたら……」
颯斗
淡々と解く。
才能と努力の両方。
颯斗「……ふん」
榊「……よし。
全員、よくやった」
黒川「走行テストは午後だ。」
候補生たちは疲れ切った顔で整備場を出ていく。
それぞれの思いをかけて午後のテストに臨む
午後のテストに臨む




