えっ……!
なんで?
深夜の工業地帯で風見に運転を教わった翌週。
遼は学校でもどこか落ち着かず、
授業中も窓の外をぼんやり見てしまうことが増えていた。
そんな遼の様子を――
ほのかは見逃すはずがなかった。
ほのか「遼、ちょっといい?」
遼「ん? なんだよ」
ほのかは珍しく真剣な顔をしていた。
いつもの柔らかい雰囲気じゃない。
ほのか「……遼、最近夜遅くにどこ行ってるの?」
遼「えっ……!」
遼の心臓が跳ねた。
(なんで知ってんだよ……
誰にも言ってねぇのに……)
ほのかは遼の反応を見て、
確信したように言った。
ほのか「やっぱり。
何か隠してるよね?」
遼「……別に」
ほのか「“別に”って言う時は絶対何かある時だよ」
遼「……うるせぇよ」
ほのかは一歩近づいて、
遼の目をまっすぐ見た。
ほのか「遼。
深夜にバイク乗ってるって聞いた」
遼「……誰からだよ」
ほのか「昨日、近所の人が言ってた。
“夜中にバイクの音がしてた”って。
遼が最近バイク屋に通ってるの知ってるから……
すぐ分かった」
遼「……っ」
ほのか「遼……
無免許で運転してるの?」
遼「……ちょっとだけだよ」
ほのか「ちょっとだけでもダメだよ!!」
遼「……風見さんが教えてくれてるだけだし」
ほのか「それでもダメ!!
危ないし……捕まるし……
何より……遼が怪我したら……」
ほのかの声が震えた。
ほのか「……遼が怪我したら……
私、どうしたらいいの……」
遼は言葉を失った。
ほのか「遼、最近すごく楽しそうだった。
バイクの話するとき、目がキラキラしてた。
それは嬉しいよ。
遼が何かに夢中になってるの、嬉しい」
遼「……」
ほのか「でもね……
無免許で深夜に練習するのは違うよ。
そんな危ないことしてほしくない」
遼「……ほのか」
ほのか「遼が倒れたりしたら……
私、絶対に許さないから」
遼「……怒ってんのか?」
ほのか「怒ってるよ。
心配で怒ってるんだよ」
遼は胸がぎゅっと締め付けられた。
ほのか「遼。
お願いだから……
ちゃんと免許取ってから走って」
遼「……取るよ…まぁとりあえずあの一回だけのお試しで乗っただけだし」
ほのか「ほんとに?」
遼「ほんとに取る。
風見さんにも言われたし……
俺もちゃんと走りたいから」
ほのかは少し安心したように微笑んだ。
ほのか「……よかった」
遼「……心配してくれてんだな」
ほのか「当たり前だよ。
遼のこと……ずっと見てきたんだから」
遼は顔が熱くなるのを感じた。
ばれた




