遼の過去
家庭環境
相馬家は、外から見れば“完璧な家庭”だった。
それは遼が中学二年生の話
父は、兄を誇りにしていた。
父「健人(兄)はすごいぞ。
成績もトップ、サッカーでも全国だ。
遼、お前も見習え」
健斗は兄だ、東大を狙えるほどの進学校に在籍中でありなおかつサッカー部も全国に毎年コマを進めるほどの常連校もちろん健斗はスタメン
遼「……はい」
母は遼の気持ちを理解しようとするが、
父の前では強く言えない。
母「遼、自分のペースでいいのよ。
でも……テスト前は少し頑張ろうね?」
遼「……分かってるよ」
家の中には、
“兄と比べられる空気”が常にあった。
遼は勉強が嫌いではなかった。
ただ、父の期待が重すぎた。
父「なんだこの点数は。
健人は同じ歳の時もっと取っていたぞ」
遼「……ごめん」
父「謝るな。結果を出せ」
母「あなた、言い方……」
父「事実だろう」
遼は机に向かうたび、
胸が締め付けられるような感覚に襲われた。
(……俺、何やっても兄貴みたいにはなれねぇんだよ)
遼は運動神経が良く、
バスケ部ではスタメンだった。
だが――
チームメイトとは、あまり仲が良くなかった。
理由は単純。
遼は“本音を言わない”タイプだったから。
- 何を考えているか分からない
- いつも一歩引いている
- でもプレーは上手い
そんな距離感が、
チームの中で微妙な空気を生んでいた。
キャプテン「相馬、もっと声出せよ!」
遼「……うっす…」
同学年「…またかよ」
後輩「相馬先輩て、なんか怖いっすよね(笑)」
遼「……」
遼は孤立していたわけではないが、
“誰とも深く関わらない”タイプだった。
(……どうせ俺なんか、誰の期待にも応えられねぇし)
そんな諦めが、遼の心の奥にずっとあった。
ある日、兄の全国大会を家族で見に行った。
兄は輝いていた。
観客の歓声、仲間とのハイタッチ、
父の誇らしげな表情。
遼はその光景を見て、
胸の奥がズキッと痛んだ。
(……俺には、あんな場所ないんだろうな)
帰り道、父は上機嫌だった。
父「健人はすごいな。
遼、お前も努力すれば――」
遼「……無理だよ」
父「何?」
遼「俺には兄貴みたいなの、無理だって言ってんだよ」
父は一瞬黙り、
冷たい声で言った。
父「……逃げるのか」
遼「違う!」
父「違わない。
お前はいつもそうだ。
中途半端で、言い訳ばかりだ」
遼「……っ」
その夜、遼は眠れなかった。
(……俺は、何にならなきゃいけないんだよ)
よくわからない喪失感や嫉妬や悲しみがある中2だった。
またどうすればそんな日常から脱却できるかわからずモヤモヤする青春時代
喪失感




