表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風を追う — オートレーサーを目指す少年  作者: sasaki


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/50

僅差

成長

昨日までの“勢い任せの勝負”とは違う。

今日は――

技術で決着をつける。

まどかとひかりは少し離れた場所で見守っていた。

榊が腕を上げる。

二人の視線が一点に集中する。

「現役オートレーサーに教えてもらった手前特別に許す…

無茶な走行はしないように…二週勝負だ……行け!」

クラッチが同時に離れ、

二台のマシンが地面を蹴った。

「ボォォォッ!!」

遼は玲奈に言われた通り、

“開ける瞬間”を待つ。

颯斗は黒瀬に言われた

**“倒し込みの準備”**をすでに始めていた。

直線の伸びは――

ほぼ互角。

まどか「す、すごい……!」

ひかり(……昨日より明らかに速い)

最初のコーナーが迫る。

颯斗は迷いなく、

黒瀬に教わった“決めた位置”で倒し込む。

遼(心の中)

(ここだ……!)

遼も同じタイミングで倒す。

昨日までの“力で倒す”倒し込みではない。

玲奈に教わった

“流れで倒す”倒し込みだ。

マシンがスッと傾き、

タイヤが路面を噛む。

颯斗(心の中)

(……相馬、倒し込みが安定してる)

ひかりは息を呑む。

「遼……倒し込みが綺麗……!」

二つ目のコーナー。

颯斗はアクセルを“残したまま”倒す。

黒瀬の教え通り、

マシンがブレない。

遼も負けていない。

遼(心の中)

(戻さない……1割だけ残す……!)

エンジン音が“落ちない”。

そのまま倒し込む。

まどか「……音が繋がってる……!」

ひかり(……昨日までの遼じゃない)

颯斗は後ろの気配で悟る。

(相馬……本当に速くなってる)

三つ目のコーナー。

颯斗は黒瀬の言葉を思い出す。

(倒し込みが正しければ、立ち上がりは自然に開けられる)

颯斗は迷わずアクセルを開ける。

遼も――

玲奈の言葉を思い出す。

(立ち上がりは“勇気”じゃなくて“準備”)

遼「……行けっ!」

アクセルを開ける。

マシンが前へ飛び出す。

颯斗「……っ!」

二台のマシンが、

ほぼ同時に立ち上がった。

最終コーナーも両者上手く捌ききり

最後の直線。

二人は全開に近いアクセルで並走する。

まどか「すごい……!

本当に並んでる……!」

ひかり(……どっちが勝つのよこれ)

颯斗は歯を食いしばる。

(相馬……ここまで来たか)

遼は前を見据える。

(負けねぇ……!)

二台はゴールラインを――

ほぼ同時に通過した。

「僅差でで0.4秒、颯斗の勝ちだ相馬は最終コーナーの

立ち上がりでタイヤが少し滑った事が敗れた原因だろ」

マシンを止めた二人は、

ヘルメットを外しながら息を切らしていた。

遼「……はぁ……はぁ……

くそ……負けた……!」

颯斗は息を整えながら言う。

「……僅差だ。

昨日なら、もっと差がついてた。」

遼は悔しそうに笑う。

「慰めはいらねぇよ……

でも……ありがとな。」

颯斗は少しだけ笑った。

「次は……もっと差をつける。」

遼「上等だよ……!」

まどかは胸を押さえながら駆け寄る。

「相馬くん……すごかったです!

ほんとに……昨日より速かった……!」

遼は照れくさそうに頭をかく。

「いや……負けたけどな。」

ひかりは腕を組んだまま、

颯斗を見て呟く。

「……あんた、やっぱり速いわね。」

颯斗は淡々と返す。

「まぁな」

ひかりは少しだけ目を見開いた。

(……この人、ほんとに言うことがストレート)


タイヤ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ