三人のライバル達
好敵手
颯斗は二人を見て、薄く笑う。
「おはよう。
相馬、高梨。
……今日も俺の後ろを走る準備はできてるか?」
高梨「朝からムカつくなこいつ……!」
遼「お前こそ、昨日の続きやる気満々だな。」
颯斗はヘルメットを被りながら言う。
「当然だろ。
昨日は“遊び”だったしな。」
遼と高梨の眉が同時に跳ね上がる。
(遊び……?)
颯斗は続ける。
「今日は本気で走る。
ついて来れたら褒めてやるよ。」
遼「……上等だ。」
榊教官が声を張る。
「今日は連続コーナーの走行だ。
ライン取りとアクセルワークを意識しろ。
無茶はするなよ!」
颯斗が遼にだけ聞こえる声で囁く。
「無茶しないと、お前は俺に追いつけないだろ?」
遼「……言ってろ。」
高梨は苦笑しながらも、
どこか楽しそうだった。
「ははっ……面白くなってきたじゃん。」
押しがけでエンジンがかかり、
三人はほぼ同時に飛び出した。
直線で颯斗が一気に前へ出る。
その加速は、昨日よりさらに鋭い。
高梨「うおっ……速っ!」
遼(心の中)
(くそ……昨日より速いじゃねぇか!)
だが遼もアクセルを開け、
颯斗の後輪に食らいつく。
最初のコーナー。
颯斗は新人とは思えない深い倒し込みで鋭く入る。
高梨「相馬、行くぞ!」
遼「おう!」
遼と高梨はほぼ同時に倒し込み、
颯斗のラインを追う。
二つ目のコーナー。
遼が颯斗のインに飛び込む。
颯斗「ほう……やるじゃん。」
遼「簡単に置いてかれねぇよ!」
颯斗はアクセルを開け、
遼を外側から抜き返す。
颯斗「でも……まだ甘い。」
遼「っ……!」
高梨「おい神谷! 相馬だけじゃねぇぞ!」
高梨が颯斗の後ろに張り付き、
プレッシャーをかける。
颯斗「……へぇ。
高梨、お前も悪くないな。」
高梨「当たり前だろ!」
三人は互いに譲らず、
直線でもコーナーでも火花を散らし続けた。
榊教官は腕を組みながら呟く。
「……あいつら、勝手に競争してやがる。
だが……悪くない。」
マシンを止めた三人は、
息を切らしながらも互いを見た。
颯斗「相馬……昨日より速いな。」
遼「お前こそ……調子乗んなよ。」
高梨「ははっ……お前ら、ほんと仲悪いな。」
颯斗は少しだけ笑った。
「次は……もっと本気で来いよ。」
遼「望むところだ。」
三人の間に、
昨日とは違う“ライバルとしての空気”が生まれていた。
絆




