表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風を追う — オートレーサーを目指す少年  作者: sasaki


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/50

まどかと遼

青春

午前の肉体錬成の後は午後に柔軟ストレッチの時間。

走行訓練で怪我をしないための必須メニューだ。

榊教官が腕を組んで言う。

「お前ら、身体が硬いと転倒した時に大怪我する。

今日はペアになってストレッチをやるぞ。

硬い者同士で組め。」

その瞬間、全員の視線が自然と二人に向いた。

高梨がニヤニヤしながら言う。

「相馬、お前前屈マイナス10cmだろ? 硬すぎ。」

遼「うるせぇ……! 昨日よりはマシになってんだよ!」

まどかはまどかで、ひかりに指摘されていた。

ひかり「桐生……あなた、前屈で膝曲がってるわよ。」

まどか「ひ、膝は……曲がっちゃうんです……!」

成瀬が笑いながら言う。

「よし、硬い者同士で組めってことは……相馬と桐生だな。」

遼「えっ、俺と……?」

まどか「えっ、わ、私と……?」

二人は顔を見合わせ、同時に赤くなる。

榊「さっさと組め! 時間がない!」

体育館の隅で、二人は向かい合って座った。

遼「じゃ、じゃあ……前屈から……」

まどか「は、はい……!」

二人は足を伸ばし、手をつなぐ形で前屈ストレッチを始める。

遼「……うっ……いててて……!」

まどか「ひゃっ……! 背中が……!」

遼「お前も硬いな……!」

まどか「相馬くんこそ……!」

二人は痛みに耐えながら、必死に伸ばす。

周りからは笑い声が聞こえる。

高梨「おいおい、二人とも顔真っ赤だぞ!」

三浦「ぼ、僕より硬いかも……!」

ひかりは腕を組んで見ていた。

ひかり「……まあ、怪我しないためには必要よ。」

成瀬「若いっていいなぁ……」

遼「桐生、もうちょい引っ張るぞ。」

まどか「は、はい……っ!」

遼がゆっくり引くと、まどかの身体が前に倒れる。

まどか「……あ、さっきよりいけてる……!」

遼「お、ほんとだ。柔らかくなってきたじゃん。」

まどかは嬉しそうに笑う。

「相馬くんの引っ張り方、優しいから……やりやすいです。」

遼は照れくさそうにそっぽを向く。

「べ、別に普通だろ……」

今度は遼が前屈する番。

まどか「じゃあ……いきますね……!」

遼「お、おう……」

まどかは遼の背中に手を当て、ゆっくり押す。

遼「うおおおおおおおおおお!!」

まどか「ご、ごめんなさい! 痛いですか!?」

遼「い、いや……大丈夫……! これくらい……!」

まどか「すごい……相馬くん、頑張ってる……!」

遼「お前の方が頑張ってたろ……」

二人は痛みに耐えながらも、どこか楽しそうだった。

ストレッチが終わり、二人は息をつきながら立ち上がる。

まどか「相馬くんとやると……なんか頑張れます。」

遼「……俺も。お前が相手だと……手抜けねぇし。」

まどかは嬉しそうに微笑む。

「また一緒にストレッチしましょうね。」

遼は照れ隠しのようにそっぽを向く。

「……まあ、いいけど。」

そのやり取りを遠くから見ていたひかりは、ほんの少しだけ眉をひそめた。

(……仲良いわね、あの二人)



ペア

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ