第74話 教国の絶対防壁、最強令嬢のデコピン(極大魔法)で粉砕
神聖教国の本拠地にして総本山――聖都ラグナディアは、たいそう立派で傲慢な顔をしていた。
眩しいほど真っ白な白亜の城壁。
空へ突き刺さるように威圧的な無数の尖塔群。
街の中央にそびえ立つ巨大な大聖堂は、遠目に見るだけなら荘厳そのものだ。
朝日を受けて屋根の金の装飾がギラギラときらめき、街全体が“我らこそ神に選ばれし絶対の国である”とでも言いたげに、不遜な輝きを放っている。
だが。
「……成金趣味で、悪趣味ですわね」
私は馬車の窓からその景色を見下ろしながら、前世の成金社長の豪邸を見た時のような、率直な感想を漏らした。
隣でクライス様が、腕を組んで低く問う。
「どこがだ」
「全体的に、でございます」
私は真顔で、辛辣に答えた。
「白くて高くて大きくてピカピカさせておけば、民衆から清らかで神聖に見えるとでも思っているのでしょうけれど」
「……」
「私から見れば、信者から巻き上げた裏金の『やましさ(不正)』を、ただ高い建材で分厚く塗り固めているようにしか見えませんわ」
「そうか」
「そうですわ。中身スッカスカの張りボテです」
クライス様は小さく、呆れたように息を吐いた。
でも、否定はしない。
つまり、全くの同感なのでしょう。
私たちが乗るフェルド家の馬車は、聖都の城門を見下ろす手前の小高い丘で止めてあった。
もちろん、真正面から堂々と「こんにちは」と正門へ乗りつけるつもりはない。
今回の私たちの目的は、友好的な“訪問”ではなく、完全な“カチコミ(物理的破壊活動)”である。
貴族の淑女としては言葉が少々物騒なのは認めるが、やることが事実なのだから仕方がない。
「子どもたちの防護結界は」
クライス様が、父親の顔で最終確認をする。
「致死量トラップ付きの、五重ですわ」
私は即答した。
「屋敷全域に感知と遮断と絶対防護を隙間なく重ねてあります。ハエ一匹入れません」
「留守の領兵の配置は」
「ハインツさんが指揮を執り、三交代で厳重に配置済みです」
「……」
「さらに、万が一に備えて、私が開拓した北西海路の自由港側からも、傭兵の応援を回す手はずを整えております」
「完璧だな。十分すぎる」
「当然ですわ」
私は窓の外から、真っ直ぐに夫へ視線を戻した。
「愛する我が子の絶対の安全を確保せずに、親が敵の本拠地へ殴り込みなどいたしませんもの」
そう。
あの子たち(宝物)は、安全な領地へ置いてきた。
もちろん、親として後ろ髪を引かれないと言えば嘘になる。
けれど、だからこそ、こちらは一秒でも早くこの面倒な宗教国家の息の根を止めて、夕飯までに帰らなければならない。
「ルシア」
「何ですの」
「顔が、魔王のように怖いぞ」
「そうでしょうとも」
私はニッコリともせずに、氷点下の声で答えた。
「今の私、人生で一番と言っていいほど、だいぶ本気で機嫌が悪いですもの」
「知っている。昨日からずっとだ」
「でしょう?」
「だが」
クライス様が、ほんの少しだけ好戦的に目を細めた。
「そういう『静かにブチギレている時』のお前は、だいたい敵に対してえげつなくひどい(可哀想な)ことをする」
「ひどいだなんて」
私は心外そうにパチパチと瞬いた。
「今回は、あの街の壁(結界)を『たった一つ』壊すだけですのに」
「その規模感がすでにひどい」
「神の名を使ってうちの可愛い子たちを誘拐しようとした、万死に値するクズ相手ですわよ?」
「……」
「壁一枚パリンと割るだけで済むなら、むしろ私の海より深い温情(慈悲)ですわ」
「そうか」
「そうです」
クライス様はそれ以上はツッコまなかった。
止める気がないのだろう。
それもそうだ。
向こうだって、教国そのものへ“俺の家族を舐めるな”と、だいぶ本気で腹の底から怒っているのだから。
馬車を降りる。
朝の空気は冷たく澄んでいた。
丘の上から見下ろす聖都は、相変わらず立派で傲慢な顔をしている。
だが、その広大な街全体をスッポリと覆うように、薄い金色の魔力の膜が、ドーム状に張っているのがハッキリと見えた。
「あれですわね。噂の」
「ああ」
クライス様も鋭い視線を上げる。
「教国の誇る、『絶対不可侵の神の結界』とやらだ」
「随分と、魔力の無駄遣いで派手ですわね」
「相当、防御力に自信があるんだろう」
「ええ」
私は扇を広げ、唇の端をほんの少しだけ三日月型に上げた。
「絶望でへし折り(壊し)がいが、大変ございますわね」
◇ ◇ ◇
聖都ラグナディアを覆う“神の結界”は、なるほど、確かに大した代物だった。
正門だけではない。
城壁の上、塔の間、地面の下まで、全部を巨大な一続きの術式で球体のように繋いでいる。
表向きは“神の偉大なる加護による絶対防壁”。
実態は、街の中にある複数の神殿から信者の魔力(生命力)を強制的に吸い上げ、巨大な魔力膜として都市全体へ張り巡らせた、非常に悪趣味な『広域防御結界』だ。
「あれを、俺の剣や魔法で力任せに外から殴るのは」
私は少しだけ目を細め、チート魔眼で結界のエネルギーの流れを読む。
「効率の悪い、脳筋の三流ですわね」
「お前が言うと、異常に説得力があるな」
クライス様がボソリと言った。
ええ。
そこは限界オタクとして認めますわよ。
私も、規格外の魔法で上から強引にメテオで押し潰すやり方は嫌いではない。
嫌いではないが、今回はもっと効率的に、もっと“あちらのちっぽけな自信を完膚なきまでにへし折る”絶望的な形で壊したい。
だって、この結界は、連中のカルト宗教としての『誇り(権威)』そのものだ。
“神の都は絶対に侵されない”
“教皇の張る神の加護は絶対無敵である”
その信者を洗脳するための、都合のいい幻想を支える巨大な看板。
ならば、その看板を『最も惨めな形』で正面から粉砕するのが、一番効くに決まっている。
「まず、吸いますわ」
「吸う?」
「ええ」
私は扇を閉じ、素手で指先を空へ向けた。
「この結界、外側の表面は分厚く強固に見えますけれど、実際には内側にある『複数の魔力供給線』に依存して支えられております」
「……」
「つまり、外から力任せに殴るより、先に結界の根元の魔力を『私が外から全部吸い上げて薄めた』方が、圧倒的に早くて確実ですわ」
「なるほど。えげつないな」
「それに」
私はニッコリと、悪女のように笑う。
「外から攻撃されていないのに、“絶対のはずの神の加護が、勝手にどんどん痩せ細っていく”方が、中にいる連中も不気味で怖いでしょう?」
クライス様の端正な口元が、わずかに獰猛に動く。
ああ、妻の悪巧みを少し面白がっていらっしゃいますわね。
「ルシア」
「何ですの」
「あまり、やりすぎるなよ」
「どこからどこまでを“やりすぎ”と判断するかによりますわね」
「結界ごと、街の建造物を物理的に吹き飛ばすのは却下だ。後処理が面倒だ」
「さすがにそこまではいたしませんわ。私は慈悲深いので」
「お前の場合、その“さすがに”が1ミクロンも信用ならん」
「ひどい言いがかりですこと」
でも、その辺りの線引きは、私もオタクの美学として分かっている。
今、私たちが教国に必要なのは、物理的な『殲滅(虐殺)』ではない。
彼らの『権威の完全なる失墜(社会的な死)』だ。
だったら、壊すべきは“街そのもの”ではなく、“彼らのプライドの看板(結界)”である。
私は一歩前へ出た。
丘の上。
朝の清々しい光を背負って立つ。
その視線の先には、傲慢な聖都と、神の結界。
「では」
私はそっと、冷たい息を吸った。
「お掃除を始めますわね」
両手を胸の前で、祈るように軽く合わせる。
規格外の魔力を、深く静かに沈める。
遠く離れた結界の魔力回路の流れへ、自分のチート感覚を強制的にハッキングして重ねる。
見える。
太い魔力の供給線(血管)が。
中央大聖堂の巨大な尖塔。
東西の鐘楼。
地下神殿の三点。
そこを大きな軸にして、この結界が心臓のように呼吸している。
「《脈流可視》《供給把握》」
淡い銀の線が、私の視界の中だけで、レントゲンのようにクッキリと浮かび上がる。
隣のクライス様には見えないだろう。
でも、私にはハッキリと可視化して見えた。
分厚い金色の膜を内側から支える、巨大な魔力の川が。
「……本当に、お前の目にはすべて丸裸で見えてるんだな」
「ええ」
「お前のその悪い顔が、そう言っている」
「便利でしょう?」
「絶対に、敵にはしたくないな」
「今さらですわね。愛する夫で大正解でしたわね」
私は、合わせた両手から、右手をスッと持ち上げた。
「《魔力吸収》」
音はなかった。
ただ、丘の上の空気が、フッ、と不自然に重く沈んだ。
遠く、聖都をすっぽりと覆う巨大な結界が、水面のようにわずかに揺らぐ。
分厚かった金色の膜が、かすかに曇り、光を失う。
「……ッ」
「効いたな。結界が揺れた」
クライス様が、視力の良さでそれに気づいて低く言う。
「ええ」
私は目を細めたまま、嘲笑うように頷く。
「想像以上に、内部からの絶え間ない魔力供給へ依存している『燃費の悪い欠陥術式』ですわ」
もう一度。
今度はもっと深く、根こそぎ吸い上げる。
「《広域魔力吸収》!!」
今度は、空間そのものが軋むような、確かな音がした。
ゴォォォォッ……!! と。
見えない巨大なエネルギーが、滝を逆流するような鈍い唸り。
魔力を吸い上げられた聖都側の尖塔のひとつで、異常を知らせる鐘が不自然にガランッ! と鳴る。
風もないのに、城壁の教国旗がバタバタと悲鳴のように揺れた。
眩しかった金の膜が、今度はハッキリと、誰の目にも分かるほど色が薄くなる。
「あら」
私は少しだけ、可哀想なものを見るように笑った。
「教国の絶対防壁さん、もう魔力がカスカスで顔色(光)が悪いですわね」
「お前の方が、魔王のようにだいぶ悪い顔をしているぞ」
「最高の光栄です」
結界は、依然として都市全体を覆ってはいる。
だが、さっきまでの“絶対に破れないという威圧感(絶対感)”は完全に消え失せた。
薄い。
ペラペラに脆い。
指で少し強めに押せばパリンと割れそうな、安物の薄いガラスめいた質感へ変わっている。
「次は」
私は右手の指先を、軽く自分の額の前へ上げた。
「いよいよ、メインイベントの仕上げですわ」
「……デコピンか」
クライス様が、私の構えを見てボソリと呆れたように言う。
「ええ」
私は大真面目に、真顔で頷いた。
「こういう相手の心をへし折る作業は、最後のアクション(演出)が大事ですもの」
「たかがデコピンの、どこに意味があるのか全く分からん」
「圧倒的強者の『象徴性(舐めプ)』ですわ。木剣一本で夜襲を全滅させたクライス様と同じです」
「……そうか」
「そうです」
私は、右の中指を親指へピンッと引っかけた。
狙うのは、中央大聖堂の真上に重なる『結界の最弱の中枢点』。
魔力を吸い尽くされた今、そこだけが薄く限界を迎えてプルプルと振動している。
そこへ、極限まで圧縮した私のチート魔力の弾丸を、ピンポイントの一点で撃ち(叩き)込む。
「《圧縮爆破》!!」
パチンッ。
本当に、ただ軽く指を弾く、小さな音だった。
だが次の瞬間。
聖都の空が、完全に割れた。
ビキィィッ!! と。
巨大な分厚いガラス板へ、ハンマーを叩き込んで致命的なヒビが走るみたいに。
薄くなった金色の結界全体へ、真っ白な亀裂が稲妻のように走る。
一点から。
放射状に。
一気に、限界を超えて。
「――ッ!」
「……割れたな」
クライス様の低い確認の声と同時に。
パァァァンッッ!!!!
聖都ラグナディアを覆っていた、絶対に破れないはずの“神の結界”が。
朝日の光をキラキラと反射しながら、見事に木端微塵に砕け散った。
金の破片めいた魔力の残滓が、空いっぱいへ雪のように舞う。
キラキラと光って落ちていくそれは、一瞬だけ、本当に幻想的で綺麗だった。
オタクとして、作画の良さに感動するくらい綺麗だったけれど。
中にいる教国側の人間からすれば、この世の終わり(悪夢)以外の何物でもないだろう。
なぜなら。
数百年、いかなる大軍の攻撃にも耐え、絶対に破れないはずだった『神の絶対防壁』が。
たかが辺境伯夫人の、遠距離からの『デコピン一発(魔法)』で。
まるで安い飴細工みたいに、呆気なく粉々に砕け散ったのだから。
◇ ◇ ◇
「な……ッ!?」
「何だ、あれは!? 空が!」
「神の結界が!! 割れた!?」
「う、嘘だろう!? 敵襲か!?」
城壁の上。
見張りの鐘楼の周辺。
聖都のあちこちから、絶望とパニックの悲鳴が上がった。
偉そうにふんぞり返っていた白い法衣の神官たちが、頭上の空を見上げて「神よ!」と右往左往して逃げ惑っている。
武装した僧兵たちも、見えない敵の攻撃に完全に混乱していた。
中には、世界の終わりだと勘違いして、その場へ祈るようにへたり込んで膝をつく者までいる。
ああ。
はい。
お気持ちは痛いほど分かりますわよ。
自分たちが“神の絶対的な力の証”として何より頼りにし、崇めていた巨大な看板が、たった数秒で理不尽に砕け散ったのですものね。
私は丘の上から、その見事な蟻の巣をつついたような光景を見下ろしながら、小さくスッキリとした息を吐いた。
「思ったより、あっさりと綺麗に割れましたわね」
「この状況での感想が、たったそれだけか」
「だって」
私は肩をすくめた。
「もっと無駄に、私の魔力に逆らって粘るかと思っておりましたのに」
「……」
「案外、魔力スッカスカの張りボテでしたわ。教国の権威も大したことありませんわね」
「今のその傲慢な台詞、相手の教皇に直接聞かせてやりたいな」
「ええ、本当に。今から直接言いに行きますわ」
その時。
遠くの大聖堂の上空で、いくつもの非常事態を告げる警鐘が、けたたましく鳴り始めた。
ガンッ、ガンッ、ガンッ!! と。
平和な朝の静寂をぶち壊すような、焦燥感に満ちた音。
ああ、ようやく事態のヤバさ(自分たちの命の危機)だと理解なさったのですね。
チート夫婦を敵に回した代償に気づくのが、少々遅すぎる気もいたしますけれど。
「クライス様」
「何だ」
「結界の中、だいぶパニックになって慌てておりますわよ」
「当然だろうな。自慢の防壁が消えたんだ」
「教皇や、裏帳簿に名前のあった枢機卿たち。今ごろ自分たちの悪事がバレて殺されると思って、泣き叫んで大変でしょうね」
「容易に想像がつく」
私はニッコリと、大変性格の悪い笑みを浮かべた。
その『絶望の想像』は、実に容易だった。
中央大聖堂の最上階。
金と白で無駄に豪華に飾られた、教皇の謁見の間。
そこで優雅に“我々の神託は絶対だ”だの“辺境伯など恐るるに足らず”だのと語っていた腐った老人たちが、今まさに、窓の向こうで自分たちの命を守る絶対防壁が、原因不明で一瞬で砕け散る瞬間を見たのだ。
そりゃあ、チビってパニックにもなりますわよね。
「か、神の結界が!? なぜだ!」
「ば、馬鹿な! 魔力の供給塔は無事のはずだ!」
「誰だ! 誰がこんな神をも恐れぬマネを何をした!?」
「そ、外です! 外より、規格外の巨大な術式反応が――」
「外だと!? 大軍か!? いったいどこの何者だ!!」
「そ、それが……大軍ではなく……」
「何だ、早く言え!」
「た、たった二人……噂の『フェルド辺境伯夫妻』が丘の上に……!」
……ええ。
多分、今ごろそんな感じで絶望のどん底ですわね。美味しいですわ。
私は空へ残るキラキラした金の魔力の欠片を見上げ、それから聖都の正門へ、真っ直ぐに氷の視線を移した。
結界は砕けた。
なら、あとは堂々と正面から中へ入るだけ。
「行きますわよ、クライス様」
私はドレスの裾を翻して言った。
「教国への、命がけの観光か」
クライス様が、愛剣の柄に手をかけて淡々と返す。
「いいえ」
私は真顔で、限界オタク母の顔で答えた。
「愛する子どもを狙われた『親』としての、正当なクレーム(苦情申し立て)ですわ」
「……だろうな」
「しかも、命で払ってもらうレベルの、かなり強めのクレームです」
「分かっている。俺も同意見だ」
クライス様が、静かに凄絶な殺気を放ちながら一歩前へ出る。
その最高に格好いい仕草に合わせるように、私は外套の裾を整え、姿勢を正した。
眼下の聖都の正門では、慌てふためいた僧兵たちが、必死に盾を並べて防衛の隊列を作ろうとしている。
けれど遅い。
遅すぎるし、無駄だ。
心の支えだった絶対結界が砕けた時点で、彼らの戦意(心)はすでにだいぶ折れている。
「ルシア」
「何ですの」
「さっきから、顔が楽しそうだな」
「ええ」
私は素直に、邪悪に頷いた。
「だって、私たちの反撃は、ここからが本番ですもの」
「そうか」
「そうですわ」
それに。
まだ、これはほんの入口(挨拶代わり)にすぎない。
教国の自慢の“絶対防壁”は、デコピンで砕いた。
でも、これから物理的・社会的に砕くべきものはまだたくさんある。
教皇の絶対的な権威。
枢機卿どもの腐りきった特権意識。
信者から巻き上げた裏金で築いた、清廉潔白の仮面。
その全部を、まとめて容赦なくひっぺがして差し上げなくては。
だって。
あの子たち(私の命より大切な推し)を狙ったのだ。
我が家の尊い平和を、壊そうとしたのだ。
結界を一つ壊した程度で許してもらえると思われては、モンペの親として大変困る。
私はゆっくりと、冷酷な笑みを深めた。
「さて」
朝日に照らされた、パニックに陥る聖都を真っ直ぐに見据える。
「教皇様と枢機卿様には」
「……」
「少々、命がけの『現実』を見ていただきましょうか」
神の結界は砕けた。
聖都はもう、絶対でも無敵でも、安全でもない。
そして、その絶望的な事実を突きつけた『この世で一番怒らせてはいけない最強夫婦』が。
今、正面から、堂々とその中心へ向かって、処刑人のように歩き出そうとしていた。




