52話
警戒をしているからか。
それとも吸収自体が難しいことなのかは知らないがレックスは一向に吸収をしてこない。
生命力を吸収して自身を回復というのはまず人間相手にできるのだろうか。
魔獣相手にしかやったことはないみたいだからその可能性はゼロじゃない。
吸収できないのなら嬉しい限りだが、吸収できるのであれば恐ろしい。
まず生命力を吸収されたらどうなる。
そんなん死へ一直線だろう。
それは避けなければならない。
警戒しているせいでジリ貧だ。
さっきみたくこれを警戒しなければまだこっちが押せると思うんだが。
「吸収してこないのか?」
俺は何かヒントを引き出せないかと思い少し煽る。
こんな技、流石に何かしらの制約はあるはずだ。
人間相手に吸収は使えないとでも言ってくれれば嬉しいんだが。
いやそれだと罠の可能性があるのか。
「そんな動き回られたら、そりゃあねぇ」
「使えないわけではないのか」
「やったことないんだ。全部を理解しているわけではない」
「試そうとは思わなかったのか」
「そこまで非人道的ではないよ。まあ使ってもいいような相手なんかいなかったし、あっ」
レックスが何かに気づいた。
レックスの目線の先を見ると入り口付近にいるメタノイアが見えた。
暑さにやられてそうだな。
いやまずいレックスに狙われている。
動けないわけではないはずだが流石に強化系魔法がかかっているレックスや俺に比べたら動きは鈍い。
「あっぶな」
俺は危機一髪、全速力で近づくレックスからメタノイアを守ることができた。
「大丈夫さ。魔獣の時だって一瞬で死ぬほどじゃなかった。そんな必死に守らなくても問題ないさ」
「お前に回復されるのがまずいんだ」
「もっと俺を心配しろよ」
メタノイアがなんか言っているが無視して会話を続ける。
「ならお前の仲間でやってくれないか。ほらそこに倒れてるだろ」
俺はアセシナートを指差しながら言う。
「流石にあの状態でやったら死んじゃうと思うな」
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