44話
「本気で狙ってないところ見るとまだ余裕がありそうね」
ラナがレックスに向けてそう言い放つ。
俺がマナポーションを飲もうとした時に狙ってきたことだと思うがさっきまでは何もしてこなかったしだいぶ削れたと思ったんだが。
確かに本気でやられたら避けられない…。
こいつの本気をまだ見てないがそうなのだろう。
「そりゃあね。この程度、本気を出すほどじゃないよ」
「本気を出す前に負けたら元も子もないんじゃない?」
「だったら君だってそうじゃないか。僕に勝ちたいなら本気を出しなよ」
「ええ、いいでしょう。本気を出してあげる。下がってなさい、ヴィンス、メタノイア」
「死と隣り合わせの環境に身を置いたことがない君が僕に勝てるかな」
『プルガトリグングニル』
ラナが今まで見たことのない魔法を打つ。
ラナに下がってろと言われたからこの闘技場の入り口のところまで離れたが、ラナの打った炎の槍の熱波がここまで来る。
その槍の熱は闘技場の床を溶かすほどだ。
『◼️◼️ドレイン』
「はぁぁ!」
レックスはラナの打った炎の槍を吸収した。
俺たちは量に対応できないと結論づけたが、質には対応できると考えてもいいのかもしれない。
なんせ今までの比ではないほどの高威力の魔法だ。
吸収された今ですらその熱が収まらない。
汗がすごい垂れてくる。
それだけの魔法を吸収された。
つまりレックスもこの魔法をいつでも取り出せる状態になったと言うことだ。
「これも吸収できるの?やっぱ数で押すしかないようね」
「この魔法をさっきのムルトゥスファイヤくらい大量に出せば勝てるかもね。君の魔力量じゃ無理かもしれないけど」
「言ってくれるじゃない。確かにきついと思うけどそれ以外にも勝ち筋はあるでしょう?」
などと言っているがラナは吸収されたあの魔法を出されたらどうするのだろう?
少なくとも俺はラナが防ぐことに特化した魔法を打ってるところは見たことがない。
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