35話
水をまとった剣。
水属性の魔法と強化系魔法の応用。
水の斬撃を飛ばしてくるのが厄介だ。
魔法は至近距離で打たないとほとんど防がれる。
魔法以外の遠距離攻撃はない。
物理も魔法も近距離じゃないと。
それにしたって
「斬撃が厄介すぎる…」
「強化系魔法を使って近づく」
「それじゃ魔力切れが…」
「マナポーションを飲んでたろ」
「お前は飲んでないだろ」
「1本もらっておく」
俺はメタノイアに向けてマナポーションを投げた。
斬撃を飛ばせるのだから投げたマナポーションを切ればいいものを…。
アセシナート、こいつはマナポーションを飲まれても大丈夫だと思ってやがる。
「いくぞ!ヴィンス」
マナポーションを受け取るとメタノイアは俺に声をかけ走り出した。
飛ぶ斬撃は連続では出せないようで俺とメタノイアは2人バラバラで近づいていくことである程度対策できた。
一発当たるとアウトだ。
致命傷にはならないが今のこの形は間違いなく崩れる。
そうなったら負けは濃厚だ。
「ちょこまかと動きやがって」
相手はイラついてる。
いい調子だ。
メタノイアと俺はちょうどアセシナートを挟んで対角にいる。
今なら腹と背の両方から攻撃できる。
『ファイヤ』『ファイヤボール』
俺とメタノイアはアセシナートに近づき同時に魔法を打った。
この至近距離なら剣で防がれることもない。
「ぐはっ」
アセシナートは吐血し剣を振り回した。
俺たちはそれを避けるため後方へ飛び退く。
振り回している剣から斬撃が飛んでくる。
クールタイムがあるのだろう。
降るたびに出てくるわけじゃない。
厄介なことに変わりはないが。
「暴走してるな」
アセシナートはまるで魔獣のように吠えている。
あれだけ剣を振り回されるとさっきのようにあれだけ近づいて魔法を打つことができない。
打ったとしても水をまとった剣で防がれる。
物理で行こうにも普通に剣で切られて終わりだ。
炎属性の魔法しか俺たちは使えない。
飛んでくる斬撃をかわしながらじゃろくに回復することもできない。
これはピンチってやつだ。
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