31話
「てめぇ…」
俺は目の前の相手に激昂する。
それを宥めるようにラナとメタノイアが2人がかりで俺を押さえ込む。
目の前の相手、レックスのとこの副将であるアセシナート。
こいつの目前はよく見えなかったがこの目、スラムにいた頃よく見た目だ。
この世の全てを恨んでるそんな目だ。
「愚かだな。実力の差もわからず挑んでくるのか」
目力で一瞬怯みそうになる。
こいつには隙がない。
今俺を抑えているラナとメタノイアを振り切って攻撃を仕掛けたとしても軽く防がれるだろう。
そうだとしても俺はこいつをぶん殴る。
こいつは、こいつは…ルドムの仇だ…。
いったいなぜこんなことになっているかというと時間は少し遡る。
俺が強化系魔法を1分継続できるようになった直後の昼食の時のことだった。
レックスがこの食堂に入り込んできて俺たちに宣戦布告してきた。
メタノイアをこちらが引き抜いた、そういちゃもんをつけてきた。
だがそれは定のいい理由付けだろう。
実際は俺たちを潰すために都合のいい理由があったから攻め込んできた。
そんなとこだろう。
「レックス、品がなってないわよ。食事の場で騒がしくするのはやめてもらえるかしら?」
「それはすまなかった。まさか使用人と一緒に飯を食ってるとはおもわなくてな」
「みんなで食べたほうが楽しいじゃない。知らなかった?」
「確かにそうかもしれない。だが使用人たちと同じご飯を食べるなと言いたいかな。それは貴族の地位を甘く見過ぎじゃないか」
こいつらは毎回出会って即喧嘩だな。
昔はレックスのことお兄ちゃんと読んでいたようだし何か理由があるはずだよな。
流石に当主争いだけでこんな仲悪くなるとは思えないが。
いや俺は貴族社会を知らない、そういうことだってあるかもしれない。
そんなこんなで言い合いは終わったようで、試合会場に向かうことになった。
御前試合にメタノイアとの戦いだいぶ見慣れてきたが、なんかラナ口車に乗せられてないか。
この試合会場に入ったところで話は冒頭に戻る。
「てめぇ」
試合会場に仇、副将がいたのだ。
レックスに宣戦布告された時点で覚悟はしていた。
だが俺の怒りはやっぱり爆発した。
それを宥めるようにラナとメタノイアが2人がかりで俺を押さえ込む。
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