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朱夏  作者: NiaN


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3話

修行も終わり今日からいよいよ護衛任務が始まる。

その前にどのくらい実力を上げたのかの模擬戦をやるらしい。

相手は騎士団長デア•ムート

これで認められなくては護衛任務の開始も延期されるとのこと。

刃のない剣を使って戦うそうだ。(修行で剣使わなかったんだが)



さすがは騎士団長と言ったところだ。

模擬戦が始まってから一撃も与えられてない。

全ていなされている。

修行で騎士団と相手した時の奴らとは格が違う。


「はっはっは!そんなんじゃ合格とはいえないぞ」

「ぬかせ。ぜってぇ勝つ」


その時俺は火事場の馬鹿力か、普段じゃできない動きをしていた。

一瞬で騎士団長の後ろに回り込んでいた。

俺はそのまま剣を騎士団長に振るった。

騎士団長は驚きつつも俺が全力で振るった剣を軽く弾いてきた。


「お前…まあいい合格だ認めよう。」

「負けは負けだ。」

「俺相手にここまでやれるなら大丈夫だ。」



そして、今度こそ護衛の任務が始まる。

最初の任務は領地の視察について行き護衛することだ。

いく領地はこの屋敷から車で十分ほどのとこらしい。

行くメンバーはラナ、運転手、執事長そして俺の4人で向かう。


「なあ、今から行くのはどんなとこなんだ?」


「ついてからのお楽しみということで」


ラナにはぐらかされてしまった。

護衛するんだからある程度そこのことを知っていた方がいいと思ったんだが。

屋敷があんなにすごいんだから、そりゃあ領地もすごいだろうと思うことにした。



初めて乗った時はあまり周りを見れなかったが、二度目となれば速さにもなれ外の景色を楽しむことができた。

まあ、後ろに屋敷が見えたくらいであとは一面草原だ。

しばらくは同じ風景だったがやっと街のようなものが見えてきた。

街に近づく速度を見るとやはり車というのはすごい早い。


「ヴィンス、見える?あれが視察に行く領地よ」

「ああ、見えてる。すごいな。めっちゃでかい」


元いたスラムのデカさを把握しているわけじゃないがこの街の方がでかいことはわかる。


「そう?うちじゃ一番小さい街よ」

「えぇ」


他のところはどんだけでかいんだと俺は困惑した。



街に着いて早々に街の長のとこへ向かうそうだ。街の長はラナの部下らしい。

名はアルカルデというらしい。

派手な金色の髪をしている割には地味なやつだ。


「こんにちは、アルカルデ」

「ルナ様におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます」

「そんなかしこまる必要はないわよ」

「そういうわけにはいきません」

「こほん、そろそろ本題に入っては?」


このままでは均衡状態と感じたのか執事長が無理やり話を進めた。

話の内容はあまり理解できなかったが

「街に魔獣に襲われて大変だから助けて」

とのことだ。



ラナ運転手、執事長、俺で魔獣の討伐に向かうらしい。


「騎士団があるんだからそれに頼めば良くないか?」


俺は疑問を投げかけた。


「騎士団はあくまでフェリーチェ家のもの。私個人のものじゃないからそう簡単に動かせないのよ。それに魔獣が相手なら一刻も早く解決した方がいい」

「確かに一刻も早く解決した方がいいのはわかるんだが、簡単に動かせないならなんで俺の修行に付き合ってくれたんだ?」

「彼らは日々騎士団としてトレーニングしている。あくまでその一環だったからね」


なるほど、俺は納得した。


「あー、そうそう魔獣だけどあなた1人で片付けてもらえる?」

「あぁ、戦えそうなの俺しかいないしな」


実際のところ、執事長はよぼよぼで運転手は明らかに非力だ。


「うん?たぶんこの中で一番弱いのはあなたよ」

「いやいや、そんなわけ…あるの!?」

「まあ、経験の差ですよ」


そんな話をしている間に魔獣の住処に近付いていた。


「ちょうど住処に魔獣がいるみたいね。」


ラナのその言葉で俺は魔獣の住処に突っ込んだ。

魔獣は、飯を食っている最中だったのだろう。裂けた口から、ドロリと濁ったよだれと生血が垂れている。

その深紅の瞳で俺の姿を捉えた瞬間、咥えていた骨を噛み砕き周囲の草木を激しく震わせる雄叫びを発した。

風を切って走ってくる魔獣をギリギリでかわし、俺は魔獣の横腹に力を込めた蹴りを入れた。

俺は腰から剣を引き抜き、バランスを崩した魔獣の首筋めがけて振り下ろした。

だが、魔獣が脅威的な反応速度で俺の剣を咥え込んだ。

俺は魔獣の顎の力で剣が砕かれる前にそのまま剣ごと魔獣を地面に叩きつけた。

叩きつけられた衝撃で魔獣は剣を離したのを見逃さず、すかさず俺は剣で魔獣を薙ぎ払った。

これが致命傷になったのか魔獣は血を垂れ流しながら白目を剥いて動かなくなった。


「お疲れさま」

「あぁ。…って、これは?」


ラナは俺に労いの言葉をかけると同時に、俺の足元に薄い緑色の魔法陣が浮かび上がる。

ほのかな光が、体を包み込み穏やかな気持ちになる。


「回復魔法よ。あまり外傷はないとはいえ一応ね」

「ありがとな。…魔法って、攻撃しかできないと思ってた」

「まあ、無理もないわ。魔法が使えるのは貴族だけっていうのは知ってるわよね」

「あぁ、知ってるぞ」

「回復魔法は、その中でも一握りのものしか使えないのよ」

「そうなのか」


読んでいただきあろがとうございます。

この作品は小説家になろうとカクヨムにて投稿しております。

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