18話
魔力操作の練度を上げる。
だいぶきついがさっきの一瞬と同じぐらいまでやってやる。
脳の神経も身体中の筋細胞も悲鳴を上げているがこれぐらい耐えないとこいつには勝てない。
「俺は君を過小評価してたみたいだ。でも、それもいつまで持つかな」
付け焼き刃だし、もうすでにだいぶきつい。
短期決戦だ。
「ウォーッ!!」
「ハァーッ!!」
互角と言ったところか。
このままだと俺がもたない。
「やぁーッ!」
「ふんッ!」
このまま続けても勝てないぞ。
どうするヴィンス。
(ヴィンス君、魔法を使いなさい)
ルドムの声が聞こえた気がした。
魔法を使えて言われても俺は魔法の使い方がわからない。
ルドムの幻覚が見えた。
魔力操作を教わった時のようにルドムがサポートしてくれているようだった。
体に流れる魔力が俺の目の前に魔法陣を形成していくのを感じる。
『『ファイヤ!!』』
頭の中に思い浮かんだ言葉を叫ぶ。
俺の叫びと共にルドムの叫びも聞こえる。
一緒に魔法を打ってくれた。
そう感じた。
「くっ…」
俺の初めての魔法は相手にクリーンヒットした。
どうやら聞いたみたいだ。
「さすがはルドムさんが気にかけていた奴なだけはある」
「テメェらがルドムを…」
俺は再び魔法を撃とうとする。
ルドムの幻覚はもう見えない。
「待て待て、降参だ。魔法を撃とうとするのはやめてくれ」
「お前たちがルドムを殺したんだろうが!」
俺が怒り叫ぶと同時に魔法を放つ。
避けられた、いや少しは掠ったみたいだ。
「あの人は死んだのか…」
中堅は驚いた顔をする。
「昨日…葬儀もしただろ…。耳にはしてるはずだ」
「うそだ…あの人はそう簡単には死なない」
まさか本当に知らないのか…
俺は少し頭が熱くなりすぎたみたいだ。
その後、俺はルドムが死んだ件について詳しく話した。
魔獣が大量発生する謎の渦、先鋒と闘って倒したこと。ルドムが副将に不意打ちをくらいやられたこと。
細かく話した。
なぜ知らないのか聞いたがそれは本人もわからないらしい。
おそらく情報統制だろうと言っていた。
中堅はレックスに怪しまれないように探ってみると言って走ってこの決闘場を飛び出して行った。
中堅が走っていくのを目で追っていると出口の方にラナが見えた。
顔を見ればキレているのがわかる。
目と目が合うとラナはこちらに向かって歩いてきた。
「決闘場の方が騒がしいと思ってきてみれば、あなたたちだったのね。勝手に使っていいところじゃないのよ、ここ。」
思った以上にキレているみたいだ。
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